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成果を出し続けるトップ社員がランチを取らないわけ【「残業沼」脱出、AI分析でわかった時短術No.04】

「時間がない。」
「今日も仕事が終わらない。」
多くのビジネスパーソンが抜け出せずに苦しむ「残業沼」。
このマガジンでは、シリーズ累計15万部突破の『AI分析でわかった トップ5%社員の習慣』『AI分析でわかった トップ5%リーダーの習慣』著者の越川 慎司氏に、残業沼から脱出する方法を学んでいく。

※記事中の用語説明
5%社員=各社で人事評価上位5%の社員
95%社員=5%社員以外の一般社員

出社時の行動分析をしていたら、5%社員で「ランチを抜いている人」を複数名見かけました。

それほど多い人数ではありませんが、5%社員の17.2%がランチタイム時に食事をとっていなかったのです。95%社員でランチをとらない人の割合は1.8%だったので、比べると、ランチをとらない5%社員は約10倍もいることになります。

なぜ5%社員はランチをとらないのかが気になり、追跡調査をしました。すると、単にひたすら仕事をしているわけではなく、ある行動パターンを見出すことができました。

それは、「パワーナップ(昼寝)」「エネルギーの分散補給」です。

5%社員がランチの時間帯に行っていること①

5%社員は、睡眠時間を十分にとるので、なぜ昼寝までする必要があるのか本人たちに聞いたところ、「午後の大勝負に向けて体力を蓄えている」といった内容の返答が集まりました。午前中の約3時間は集中しやすいのに対して、午後の約5時間は、集中力をきらさず行動し続けることが難しいと考えているようです。

だから、「ランチタイムの時間を利用して、人目につかないところで目を閉じてゆっくりしている」と言っていました。

また、昼寝の眠気が続いたまま午後の業務に入ると初動が遅くなるため、昼寝の前には、コーヒーを飲んでいる5%社員が多くいました。カフェインは、摂取してから30分程度たってから覚醒作用をもたらすので、昼寝前に飲んでおけば、すぐ業務に入れます。

「ランチをとらないと、お腹が空いて、むしろパフォーマンスが下がるのでは」と思っていましたが、5%社員は午後のちょっとした休憩中に、フルーツやおにぎりで栄養を補給していました。糖質の抑えられたスナックやナッツ、ドライフルーツを口にする5%社員も多かったです。

ランチメニューは、どうしても炭水化物や糖質が多くなりがちで、エネルギー過多で眠くなってしまうこともあります。午後の業務でスタートダッシュしたい5%社員は、「眠気は大敵だ」と捉えています。

そのため、ランチタイムの一時間で一気にエネルギーを摂取するのではなく、午前と午後に分散して、少しずつエネルギーを補給していました。そうすることで血糖値をコントロールし、できるだけ眠気を起こさない戦略をとっていたのです。

5%社員がランチの時間帯に行っていること②

しかし、同僚や上司たちとランチに行くこともあります。

そのときは、糖質や脂質を抑えたメニューを選んだり、白飯を小盛りにしたりして、エネルギー摂取のコントロールをしていました。

5%社員にとって、ビジネスランチの目的は食事ではなく、仲間と交流して感情を共有したり、相手の話に興味があると示したりすることです。そのため、その目的は遂行しつつ、午後に眠気を引き起こさない程度の限られた食事をとっているのです。

もし眠気に襲われてしまったら、立ち上がって軽くストレッチをして血行をよくしてみたり、冷たい水やフリスクなどミント系のタブレットをとってみたりして気分をリフレッシュさせていました。チョコレートやグミを口にして、低血糖状態から抜け出そうとする5%社員もいました。

また、「お腹が空いているほうが戦闘モードに入りやすいから、多少の空腹くらいがちょうどいい」という意外な答えもありました。「ライオンだってお腹が空くから俊敏な行動ができるんですよね」と言っていた5%社員もいたぐらいです。

5%社員の仕事中でも間食をする傾向は、エネルギーを分散してとることで、集中力を維持させる戦略でもあったのです。

「午後は勝負」と発言していた5%社員が多くいた理由がわかりました。


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シリーズ第3作、『AI分析でわかった トップ5%社員の時間術』が5/27日から発売開始しました!
このマガジンを読んで少しでも興味を持った方は是非読んでみてください。

目次

第1章:なぜ、24時間があっという間なのか?
94%の人が「時間がない」と感じている
74%の人が「働き方改革=残業削減」に反対してい
67%の人が「残業が多いのは上司のせいだ」と感じている
53%の人が「効果より効率を上げよう」と考えている
45%の人が「努力で何とかなる」と思っている

第2章:よかれと思ってやってしまう逆効果の時間術
「しっかり管理すればしっかり成果が出る」と信じている
「仕事効率は才能で決まる」と思っている
「重要そうな情報を集めたほうがいい」と思っている
「とりあえずショートカットキー」と思っている
「自分の経験と知識で考えよう」と思っている
[ Column ] 5% 社員は英語を勉強しない

第3章:95%の人が知らない5%社員の意外な時間術
ランチをとらない
積極的に「ため息」をつく
「ローリスクローリターン」を積み重ねる
情報収集の時間は一日5分以内
作業途中でも一度手を止める
時間の余裕は、気持ちの余裕からつくる
「情報」は「洞察」に変えないと人を動かせない
メンバーを巻き込んで早く作業を終わらせる
やる気が削がれることは仕事から排除する
机の上に飲み物を置かない
贅沢キーボードで時短する
「ちょっと外出」で生産性を上げる
[ Column ] 5 % 社員がカバンと靴に投資する理由

第4章:残業沼から抜け出す「ちょいスイッチABC」
95%社員と5%社員は何が違うのか? 
トップ5%社員の6つの特異点
トップ5%社員の時間術を「ちょいスイッチABC」で再現する
ちょいスイッチA(Accept) 過去の浪費を受け入れる
ちょいスイッチB(Build) 行動を早め、継続する仕組みをつくる
ちょいスイッチC(Concentrate&Continue) 集中して継続する

第5章:残業沼から抜け出す 「ちょいスイッチABC」を実践!
ちょいスイッチA「過去の浪費を受け入れる」を実践
作業時間と思考時間を分ける/アウトプットを先にする/時間の使い方を計画ではなく企画する/成功確率アップより失敗確率ダウンを目指す
ちょいスイッチB「行動を早め、継続する仕組みをつくる」を実践
すぐに作業できる状態を整える/「やめること」を決める/やめる基準の「チェックポイント」をつくる/メモのすごい効能を日常に定着させる
ちょいスイッチC「集中して継続する」を実践
丁寧で遅い仕事をしない/「悩む心配する時間」を減らす/投資対効果を考えて、せっかちにならない/自己否定は「妄想」であることを知る
[ Column ]5% 社員はなぜ野球よりラグビーが好きなのか

第6章:明日から定時で帰る「ちょいスイッチABC」を押すトレーニング 個人編
時間管理
金曜に「大きな仕事」を2つ書き出す/45分単位で仕事をこなす/報酬を声に出して言う/「承認」される仕組みをつくる
自制心コントロール
アナログ時計で逆算思考を促す/行動目標と締め切りを周囲3人に宣言する/週に1回トイレ掃除をする
集中力アップ
ヘッドホンを活用する/通知設定を変える
インプット
文字を手書きする/音声入力をマスターする/自動校正を活用する/散歩しながら本を聴く/倍速再生機能を活用する
アプトプット
3秒の沈黙を避ける/3秒ジェスチャー3選

第7章:チームで時短する「ちょいスイッチABC」を押すトレーニング 組織編
最強の巻き込み力
「フットインザドア」で依頼する/自走するチームが実践する5ルール/会議時短3アクション
誤解を避ける意思伝達
承認サンドイッチ作戦/上手に断る3つのテクニック/相づち&共感コメント7選/相手のメリットを事前に5分考える
プロジェクト推進
1チーム5人で活動する/刺激し合う仕組みをつくる/逃げ道をつくっておく

あとがき

著者について

越川慎司(こしかわ・しんじ)
株式会社クロスリバー 代表取締役
株式会社レビルソーク 代表取締役
株式会社キャスター 執行役員
国内通信会社および外資系通信会社に勤務、ITベンチャーの起業を経て、2005年にマイクロソフトに入社。業務執行役員として最高品質責任者やPowerPointやExcelなどの事業責任者など歴任。2017年に改善活動のコンサルティング会社 株式会社クロスリバーを起業。ITをフル活用してメンバー全員が週休3日・週30時間労働を継続。
のべ800社以上に、ムダな時間を削減し社員の働きがいを上げながら”自分の時間”を増やしていく「働き方改革」の実行を支援。2018年から1000名以上のほぼ全員がフルリモートワークの株式会社キャスター執行役員と兼任。
著書18冊。『AI分析でわかった トップ5%社員の習慣』『AI分析でわかった トップ5%リーダーの習慣』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)、『科学的に正しいずるい資料作成術』(かんき出版)、『「普通」に見えるあの人がなぜすごい成果をあげるのか』(KADOKAWA)など。



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