音楽ゲームのための作曲:キッカケ作りのすゝめ - TapeStop100 アドベントカレンダー21日目

Xiba(読み:ジバ)です。

芝ではありません。
牙でもなければ蕎麦でもなく、カバでもない。
わかる人にはわかる導入のあと、21日目のアドベントカレンダーです。やっていきましょう。
チャンネルはどうか、そのままで。

音楽ゲームには曲がつきものですが、それが普段どうやって作られているか気になっている人は多いのではないでしょうか。無論音楽ゲームの音楽はゲームがあって初めて機能しますが、譜面を機能させるのも音楽だったりするので難しいですね。三角関係だね
この記事は私、Xibaが曲書きの立場から「音楽ゲームにおける曲の書き方のコツ」を書き記したものです。騙されたと思って読むと、時間ぐらいは潰せるかもしれません。時間はなぜいつも潰されてしまうのか……


【0】レギュレーションを確認しよう

まずはやはりこれ。どのような曲が出来上がるのか?頭の中に青写真を持っているのは作曲者だけです。やらなければ、はじまらない。手厳しい……
そしてこの際ただ曲を作るのではなく「その音楽ゲームに合わせた味付けをしてやる」のが肝要。コンセプトの優先順位としてはご覧の通り↓

① 音楽ゲームに合わせた楽曲の形式
② その音楽ゲームに提供して映えるか
③ 作曲面でやりたいこと、やれそうなこと

これらのうちを疎かにするのはやめた方がいいです。特にはもしその音楽ゲームへの楽曲提供が公募制ならば先方から提示されるものです。きちんと確認しましょう モニターに穴が空くまで 渾身の一作が形式違いで落選ってなったら後悔してもし切れないからな……
そうじゃない場合でも依頼主さんなりにちゃんと確認を取っておきましょうね、何度も確認するといいと思います


【1】コンセプトを決めよう

要項を確認しすぎてモニターに穴を空けたあとは楽曲そのもののコンセプトを考えましょう。上記の②にあたる部分ですね。自分の好きな曲を作るのもよし、メロディが思い浮かんだからそこから形にするも良し……しかしその前に考えるべきことは

「その音楽ゲームに曲を書くことでその曲が映えるか?」

という一点です。しかしながらその音楽ゲームのことをよく知っているならばその心配はしないでいいんじゃないでしょうか。日頃から音楽ゲームを行い、その楽しさを知っているならばそれを織り込んだ曲を書けるはずです。
逆を言えば、知らない音楽ゲームに曲を提供する際は一回遊んでみることをオススメします。この部分は楽曲を作るにあたっての「取っ掛り」の部分だと思うので……沢山あるに越したことはない。大きいことはいいことだ。

余談ですが、このような音楽ゲームにおける「機能美」を追求すると、行き着く先はDJ TECHNORCH氏が提唱した「音ゲーコア」へと「勝手に」収束していくんじゃないでしょうか……というのが個人の持論です。

https://999recordings.tumblr.com/post/124469982950/%E3%81%93%E3%82%8C%E3%81%8C%E9%9F%B3%E3%82%B2%E3%83%BC%E3%82%B3%E3%82%A2%E3%81%A0

細かなフレーズ、やたらと多いトラック数。それすなわち「譜面におけるノーツを詰め込みやすく高難易度になる」という傾向になりがちです。それに折角音楽ゲームに曲を提供するなら歯ごたえのある方が楽しいですからね。
だから「物語的なコンセプトがそこに存在しない」「シンセの音作りを試したい、聴いてほしい」みたいな音楽ゲーム曲が作り出されることで、所謂「音ゲーコア」のスタイルが完成するのではないか……と私は思います(曲名を決めるのムズい〜って言ってる音屋が散見される理由がたぶんここにあると思う)。
だから「ピロピロ曲〜」っつって揶揄するのはお門違いだと思います 音楽ゲームの最大公約数だと私は解釈してるし、ネタ切れや時間切れのせいで提出できないより100倍もマシでしょう……ウウッ……(涙を堪える仕草)


【2】手を動かそう

つらい。産みの苦しみである。
しかし上記にも「やらなければ、はじまらない」と書いたばかりである。某狐耳バ美肉おじさんも語っておった。おばあちゃんも言っていた。
時間は誰にも与えられた唯一平等な財産です。故にどうにか足掻いて楽曲のネタを導き出さねばならないわけです。冒頭から潰され続けていた時間の復讐劇が始まるわけです 怖いね
私は基本的に「いいメロディが思い浮かぶことが結果的に一番大きな取っ掛りになる」タイプの音屋なので、それに関して普段私が何をやっているかと言うと↓

◆ 風呂などで適当に鼻歌を歌う
フンフンフフーン フレ……ってやってるとたまに「おっ!?」と思うフレーズが頭に浮かぶことがあります。割と見かける手法ではあると思いますがかなり有用です。アイスはやっぱりバニラアイス。別に風呂場に限らなくてもいいんですけどね 場所問わずそういうのは「降りて」くるもんだと思ってますから

◆ 鼻歌を録音する
スマホを風呂場に置いておき、レコーダーなどで上記の鼻歌を忘れないうちに!!早く!!録音するのよ!!

◆ 録音した鼻歌をボーカル音程を検出してくれるアプリで解析
解析……というか録音したデータを元にもう一度スマホに向かって歌うことで音程を確認し、それをDAWに打ち込む感じですな こうすることで耳コピに自信がなくてもいい感じに自分の中のメロディを再現できると思います。
Android使ってるのでAndroid版しか共有できないけど、iOS版も「ボーカル 音程」などでアプリショップを検索したら出てくるんじゃないでしょーか
「ボーカル音程モニター」をチェック!
https://play.google.com/store/apps/details?id=com.tadaoyamaoka.vocalpitchmonitor

◆ とりあえずノーツを置いたり鍵盤を弾いたりする
万策尽きた時に。

もちろんコードから曲を作ったりリズムから曲を作ったりする人もいると思います。色んなやり方があるので正解とかは特にないですが、メロディから曲を作るならここらへんのやり方は参考にしてもいいと思います。どうしてもスランプに陥った時はぜひ。私はいつもこんな風に作り始めておりますゆえ〜


【3】完成する。

ざけんじゃねぇ!と思った人、正解です。
残念なことに取っ掛りを作ったあとは、とにかく腕を動かして曲を作っていくしかないわけです。「どんな曲を書きたい!」といった想いは今まで自分がどんな曲を聴いてきたかに起因するので、私からはなんとも……
しかし「完成した!!」ってなったら、ぜひ【0】に立ち返ってください。提出するまでになにか不備があったらね……恐ろしいからね……!



【まとめ】


私が音楽ゲームの楽曲を作るにあたって考えていることをまとめてみました。参考になったなら幸いです。参考にならなくてもまぁいいじゃないですかという感じではありますが……
普段から様々な見識を深めておくことは、曲を書く上でもきっと役に立つはずです。そう、たとえばこのアドベントカレンダーとかも……!!

……本当かな?





文責:Xiba


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