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2023年6月30日~7月1日の大雨 降水量の特徴

AMeDAS湯布院


 土砂災害の生じた大分県由布市のAMeDAS湯布院の降水量推移。こちらは断続的に強い雨ですが、特に激しく降り続いたとまでは言えない状況か。

 AMeDAS湯布院の既往最大値との比較。どの降水継続時間で見ても、それほど記録的とまでは言えない降り方。

 ところで、上記記事には「30日夜8時半ごろには観測史上最も多い1時間に68ミリ」とあってそれは嘘ではないのですが、60分降水量(任意の60分)にすればそうなりますが、1時間降水量(毎時00分-00分)だと「観測史上最大」とはなりません。時間の境目の影響を受けないように、1時間降水量でなく2時間降水量で見ると80mmとなり、これはこの地点の過去の記録と比べて特別大きいわけではありません。このあたりが降水量というデータを読むときのなかなか難しいところ。

AMeDAS山口

 6月30日~7月1日の大雨で車が川に水没する被害の生じた山口市のAMeDAS山口の降水量推移。断続的に強い雨が見られ、0時前後は非常に激しい雨となっていますね。

 AMeDAS山口の既往最大値との比較。短時間降水量はそれほど記録的なものではないですが、24時間降水量が1976年以降最大値をわずかに上回りましたね。

AMeDAS東厚保

 6月30日~7月1日の大雨で車が水没するなどの被害が出たとみられる、美祢市のAMeDAS東厚保歩の降水量推移。山口と似た状況で、ピークはやはり7/1の0時前後ですね。

 AMeDAS東厚保の既往最大値との比較。こちらは短時間降水量も長時間降水量も既往最大値に近いまたは上回っていますが、統計期間が今年入れても14年しかないことに注意が必要。ここ14年では最大規模の降り方、ではありますが。


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