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牛山素行 風水害の「避難」について

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洪水・土砂災害など、風水害時の「避難」に関係して書いた記事をとりまとめています。
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記事一覧

風水害での安全確保 目標は避難不要の生活

(2023年7月12日付静岡新聞「時評」欄への寄稿記事)  風水害に関し「どう避難すれば安全か」…

牛山素行
1年前
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「避難情報の遅れ批判」に対して思うこと

 7月15日の秋田での大雨に関して、「避難情報が出るのが遅かった」といった趣旨の批判が散見…

牛山素行
1年前
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「共助死」 風水害時の共助的行動に伴う人的被害について

7月7日のNHKニュースでの報道 「共助死」  7月7日のNHKニュースで、「災害「共助」活動での…

牛山素行
1年前
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(静岡)県警の津波避難ポスター 警察官も安全確保第一

(2023年5月17日付静岡新聞「時評」欄への寄稿記事) 画像は静岡県警ホームページより ※2023/06…

牛山素行
1年前
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災害情報の要約 『分かりやすく』の難しさ

(2023年1月25日付静岡新聞「時評」欄への寄稿記事) ※画像は気象庁ホームページより 2022年9…

牛山素行
1年前
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『緊急安全確保』の意味  避難所より次善の行動

(2022年11月23日付静岡新聞「時評」欄への寄稿記事  災害時に市町村が出す避難情報には、「…

牛山素行
1年前
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災害時の避難行動 〝成功例〟より基礎固め

(2022年8月3日付静岡新聞「時評」欄への寄稿記事)  災害時の避難行動などに関する取材や講演などの際、「成功例や先進事例を教えてほしい」とよく聞かれる。筆者は基本的に「どこかにうまい話があるという考え方をまず見直してください」と回答している。  風水害などの発生時に「積極的な避難で被害が軽減された」といった話は時折聞く。ただ、こうした事例をよく見ると「積極的な避難」があったことは事実でも、そもそも人的被害を引き起こす規模の深い浸水や建物の激しい損壊などが生じていないケ

土砂災害警戒区域 住家ない場所注意必要

(2022年6月8日付静岡新聞への寄稿記事)  がけ崩れ、土石流などにより、住民などの生命・身体…

牛山素行
2年前
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民生委員の痛ましい事故 まず自身の安全確保を

(2022年4月6日付静岡新聞への寄稿記事) ※写真は被災箇所付近。2022年12月筆者撮影  昨年8月…

牛山素行
2年前
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災害情報の「空振り」 丁寧な議論を重ねて

(2022年2月9日付静岡新聞への寄稿記事)  災害を警告したり避難を呼びかける情報が出たが結果…

牛山素行
2年前
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警戒レベル5「緊急安全確保」 意味に応じた運用を

(2021年10月06日付静岡新聞への寄稿記事。上記画像は内閣府「避難情報に関するガイドライン …

牛山素行
3年前
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あらためて土砂災害の「前兆現象」について

 土砂災害には前兆現象があるとよく言われますが、この「前兆現象」という「情報」には注意が…

牛山素行
3年前
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自然災害は素因と誘因の組み合わせ

 ここではちょっと基本的な話に言及したいと思います。「この災害の原因は?」とよく問われま…

牛山素行
3年前
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土砂災害のハザードマップを見る上での留意点

 熱海市伊豆山地区での土砂災害に関連して、土砂災害に関するハザードマップを見る上で留意した方がよいのでは、と思うところをメモしておきます。  7月5日午前までに得られた情報を元に、今回の土石流により流失・倒壊したとみられる家屋の位置を読み取ってみました。  読み取った流失・倒壊家屋の推定位置を、重ねるハザードマップで土砂災害警戒区域(土石流)と重ねると下図のようになります。流失・倒壊家屋はいずれも土砂災害警戒区域の範囲内であると読み取れます。いわゆる「想定外」の災害だった