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役場、農家と協力し下仁田ねぎに新たな可能性を見出す。勤続30年を迎えてもなお新たな挑戦を続ける町田さんのストーリー

石井食品が力を入れて取り組んでいる「地域と旬」プロジェクト。日本全国にはその地域ごとに伝統的な旬の食材や食文化が根付いています。しかし農業人口が減るにつれて、その独自の地域の文化を継承する人も減り、なくなってしまうブランドもあるのが現実です。

その火を絶やさないよう、石井食品が発掘し、商品としてみなさまの食卓に届け、ご家庭で「食のプチ旅行」を楽しんでいただく…。

そんな取り組みを通して、その地域のファンになってほしいという思いから地域と旬のプロジェクトが始まりました。

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今日はそんな「地域と旬」プロジェクトを北関東エリアから支える勤続30年のベテランメンバー町田さんに、下仁田ねぎハンバーグの開発秘話や、町田さんからみた石井食品について聞いてみました。

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町田 扶美子さんプロフィール
30年ほど前に石井食品にパート社員として入社。1〜2年ほどで社員となり群馬県のエリアを中心とした営業活動に従事。7年前に定年を迎えるも、現在も嘱託社員として活躍中。
下仁田ねぎの商品化を通して「地域と旬」プロジェクトに初めて関わる。

ーーー 下仁田ねぎをソースに使ったハンバーグが今年も発売となりました。昨年から始まったこの商品、発売となるきっかけのお話を教えてください。

もともと群馬県に住んでいたことから、日常的に下仁田ねぎを食べていました。ある日、孫と一緒に自宅でハンバーグを作ったんです。ソースは何にしようかな?と考えていたときに、下仁田ねぎの買い置きがあることに気付き、使ってみようと思いました。その時は醤油で味付けしたソースを作ったのですが、思いのほか美味しく仕上がって。孫からも好評で「美味しい!また作ろうね!」と言ってもらえたので、私もその気になってしまったんですよね。

北関東を長く担当するものとして、いつか群馬県の食材を使って、石井食品が大切にしている「地域と旬」が伝わるような商品を作りたいという思いを持っていました。それがハンバーグソースと結びついた形です。

そこから2019年1月、社長はじめ石井食品の大半の社員が参加しているような大きな商品開発会議で提案させてもらえることになりました。試作品として持っていったのは、自宅でも作ってみた醤油ベースのソースの他に味噌味のソース。この味噌味のソースが社内でも評価され、その後1ヶ月でテスト販売まで漕ぎ着けます。

ーーー すごくスピード感のあるプロジェクトだったのですね。ベテラン社員の町田さんだからこそ「地域と旬」の商品もすぐに思い浮かんだのでしょうか?

いや…、それが収穫時期の決まっている旬の素材を使った商品を開発することは、思っていた以上に大変なことだとわかりました。ほとんどが初めての事。初めは戸惑ってばかりでした。

まず、テスト販売の時期には下仁田ねぎの旬が終わっていたんです。なので農家さんから直接ねぎが購入ができない。急いで道の駅に行き、下仁田ねぎを購入しました。本当にぎりぎりだったんですよ。

また私自身、群馬県に住んではいるのですが、下仁田ねぎの生産されている下仁田町については全然知らなかったんですね。知っているのは地元ではおなじみの「上毛かるた」で覚えたねぎとコンニャクぐらい。

そんな中でも、「道の駅下仁田」で農作物を納品する生産者さんや、畑で作業している農家さんにも直接声をかけて情報をいただき少しずつ学んでいきました。役場にもお邪魔しましたよ。そこで「下仁田葱の会」という団体がある事を知り、会長の田中さんに会いにいきました。

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--- 本当に一歩ずつ進めたプロジェクトだったのですね。「下仁田ねぎの会」というのはどんな団体なのですか?

よく農家の高齢化について耳にすると思うのですが、下仁田も例外なく高齢化しています。生産者の平均年齢は70代だそうです。ちなみに下仁田ねぎは「品種名」です。つまり下仁田ねぎの種さえあれば、他の地域で生産しても下仁田ねぎを名乗れるのです。しかし、もともと下仁田の重くて水捌けの良い土を使って育った下仁田ねぎを、これからも下仁田で守っていきたい…そんな思いで活動をしている農家さんたちの団体です。

会長の田中さんにお話を伺うと、毎年規格外のねぎも沢山出てしまっていることを知りました。
大きく曲がってしまったり少しでも傷があると市場には出せないそうですが
規格外でももちろん品質は変わらず味は美味しいんです。
ぜひハンバーグにしたいという気持ちがより強くなりました。

--- 下仁田町以外で生産されても下仁田ねぎなんですね!知りませんでした。他のねぎにはない、このねぎの特徴はありますか?

下仁田ねぎは一般的な長ねぎよりも葉の部分が短くて、全体的に太いのが特徴です。11月頃には見た目では食べられそうな状態まで生育するのですが、そのまま収穫せずに寒くなるのを待ちます。寒くなると葉の部分が枯れ始め、徐々に葉に集中していた養分が根の方に落ちてくるんだそうです。それで甘くて香りの強いねぎが育ちます。

最近は温暖化のせいか11月になってもあまり寒くならないので、12月になってやっと収穫できるそうです。下仁田町は下仁田ねぎが生まれた場所ですから、品種改良された種を撒いて生産するのではなく、その年々に採れたいいねぎを種として次の年の下仁田ねぎをつくっているのもこだわりです。

ただし、下仁田ねぎは収穫まで13〜15ヶ月もかかるんです。だから今年できたねぎを元にして作られるねぎが食卓に並ぶには2年近くかかってしまいます。

その他、植えるために長ねぎよりも面積が必要だったり、病気や虫に弱い品種だったりすることからも農家さんたちの苦労は絶えないそうです。

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ーーー そんな苦労があるからこそ、美味しいねぎになるんですね。「下仁田ねぎの会」以外にもたくさんの方に協力いただいたと聞いています。

そうです。いろんな方のお力添えあって一つの商品を作ることができるんだと心底思います。下仁田町役場の農林課の大河原係長、下仁田町の道の駅の岩崎駅長。みなさんに大変ご尽力いただきました。

現在、下仁田町の人口は7,000人程度で、残念ながら年々減少の傾向がみられています。そんな中でも毎年たくさんの方が遠方から「伝統野菜の本場の味」を求めてわざわざ下仁田ねぎを買いにいらっしゃるそうです。このハンバーグの取り組みで、さらに町の観光や復興・発展に繋がればという思いでみなさんが協力してくださいました。

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ーーー 今年からは味噌も地元のものにこだわったとか。

そうです。昨年は準備期間も短く間に合いませんでしたが、せっかくなら味噌も地元のものを使いたいと思っていました。そんな時、道の駅で陳列作業をしていたら、上野村の十石みその会社の営業さんが偶然いらっしゃいました。そこで私たちの思いと取り組みを伝えたら、是非一緒にやりたいと言っていただけたんです。

そんなご縁もあって、今年は上野村の道の駅でも、ハンバーグを取り扱っていただきます。


ーーー 素敵なご縁が続いて実現した商品なんですね。町田さんについてもお伺いしたいです。もう石井食品で働き始めて30年と聞きました。

最初はパートで石井食品で働き始め、地方エリアの営業チームでスーパーマーケット向けの営業活動の支援や発注、在庫管理などの業務を担当していました。そこから1〜2年で社員にしてもらって定年まで働きました。定年後も再雇用してもらってもう7年です。

2年ほど前までは高崎の営業所で働いていましたが、今はもう埼玉の営業所と統合してしまったので、自宅のある伊勢崎市から営業活動をしています。歳を重ねても、新しいことを色々学ばせてもらいました。

最近は新型コロナウイルスもあって、試食販売ができないのは残念ですね。徐々に日常が戻ってくることを願っています。


ーーー 最後に、町田さんが思う石井食品の1番の強みを教えてください!

なんと言っても「無添加調理」ですね。ミートボールに使っている鶏肉が国産であることも、普通の食品会社ではなかなか取り組めないことなのではないでしょうか?残念ながら石井食品の無添加調理を知らないお客様はまだたくさんいます。是非お伝えできるように頑張りたいですね。

また、「地域と旬」プロジェクトはミートボールやハンバーグといった主力商品を広めることにもつながる良い取り組みだと思います。地域と結びつきを作ることで、その地域の方に石井食品を知っていただける機会になります。

これからもお客様に納得いただける商品、つまりちゃんと売れる商品を作っていけたら良いと思っています。

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おしまい

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最後まで読んでいただきありがとうございました。
町田さんこだわりのこのハンバーグは
期間限定でイシイのオンラインストアで購入出来ます。