水質試験結果で判断する排水処理のしくみ

1.排水処理の方式
様々な種類があるが、ここでは最も一般的である標準活性汚泥法とさせていただく。
基本的な処理フローとして
流入→最初沈殿池→曝気槽→最終沈殿池→塩素混和池→放流
となる。
以下にそれぞれの用語の説明に入る。
・流入
下水処理場では家庭でのし尿や工場で簡単な処理がなされた排水が流入してくる。また、工場の排水処理設備は製造設備使用後の洗浄水等が流入水として処理されていく。
・最初沈殿池
流入水に含まれる大きなごみや油の塊を取り除く設備
・曝気槽
空気を送り込むことで、流入水中の汚れを栄養として好気性微生物(酸素がある状態で育つ微生物)が増殖する。それに伴い流入水の汚れが減っていく。
・最終沈殿池
増殖した微生物のなかに微生物同士を接着するものが存在し、これにより微生物が寄せ集まって塊のようになる(フロックという)、水より重くなったフロックは最終沈殿池の底に沈み、上澄みの水はきれいな水となって最終沈殿池から溢れ、次の処理工程に進む。そこに沈んだ微生物は曝気槽に返送されて再度、汚れの分解に生かされるか、水をよく切って(脱水という処理を行う)産業廃棄物として引き取ってもらう。
・塩素混和池
次亜塩素酸ナトリウムの固形物に水を通したり、次亜塩素酸の液を一定の量添加したりすることで殺菌する。
・放流
河川や海等に放流する。

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