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あるものないもの

最近の趣味が韓国のエッセイを読むことだ。

その中でこんな内容が書いてあった。

「僕はアイドルが嫌いでありつつ実は憧れているという、矛盾を抱えた人間なんです」

詳細はこうだ、特に自分にはこれといった特技もないという筆者からすると才能もあっておまけにルックスまでいいアイドルに嫉妬をしてしまう。んだと。


「いや、めっちゃわかる~~~~~」

と思わず頷いてしまった。

私の場合アイドルは嫌いではないけれど(むしろめちゃくちゃ好き)、それと同時にとてつもなく羨ましく感じてしまうときがあるのだ。


だからといって韓国アイドルのように朝から晩まで歌って踊って、ダイエットして、外国語の勉強をして、しかもそれを同時進行でやるなんてそんなこと考えただけで私は逃げたくなるのだけれども。

それに、私は別にルックスがいいわけでもないし、万人にモテるほどの美貌があるわけでもないし、歌だってカラオケでは毎回どんなに頑張っても最高86点しか出せないし、ダンスだって得意なのは強いていえばマルモリ体操くらいだ。

だからこそ私の好きなホソクさんや他のメンバーのような端正な顔立ちで、トークも出来て、歌も上手で、万人に愛される人たちに少し嫉妬…嫉妬ではないな、嫉妬に似た感情のようなものがときどき出てしまうことがある。

だから最初に言っていたエッセイの著者の気持ちに同感してしまったのだ。

だけど少し落ち着いて考えてみると、あることに気づいた。

それらの感情が私のなかに生まれるときの多くは、私が日常生活で不満を抱えているときなのだということ。

自分や自分を取り巻く環境に嫌気がさしたからこそ、アイドルのキラキラした部分だけを見て変に”羨ましい”と思っていること。

逆を言えば、日常生活が楽しいとき、自分自身が好きなときはキラキラしたアイドルを見て「なんてこの人たちは素晴らしいのだろう」と嫉妬なんかしないで見ているじゃないかということ。

よくよく考えてみれば彼らはたしかにキラキラした生活をしているけれども、私のように自由に何も考えずに外を出歩けるわけではないし、今すぐ結婚…なんてのも出来ないだろうし、友達と遊びまくてカラオケでオールなんかしちゃって次の日の昼過ぎくらいに起きる…なんてこともできない。もちろん反対に私は数十万人からの無償の愛を受け取ることも、世界中に夢と希望を与えることも、両親に高級車や高級マンションをプレゼントすることもできない。

「平凡な人生も、特別な人生も、それなりにいいものがある」

とユンギさんが歌詞のなかで言っていたように私の人生も、アイドル達の人生もそれなりにいいものもそうじゃないところもあるんだろうと思う。アイドルの彼らにできることは私にはできないけど、私にできることも彼らにとっては出来ないものがあるのだから。


「何かを得るためには、何かを失うことだってある。」といつかメンバーたちが言っていたように、今わたしが持っているものは誰かにとっての特別なのかもしれないと思うと、なんだか少し自分に優越感を得ることができる気がする。ちょっとした自己満足の世界なのだけれども。

なーんて、そんなことを呑気に一人で考えていたときにふと思い出した言葉がある。

「ホソクさんがね、輝いて見えないときは、それはホソクさんに問題があるんじゃなくて多分私に問題があるのよ。」


なんだかここに書いてみると少し恥ずかしいような気もするが、たしかこれはジャニーズが大好きな私の友達と互いの推しについて語っていたときに、私が少しかっこつけてみたくて言った一言だ。

その友達はわたしのことを「よっ!オタクの鏡!」とはやしたててくれたのだが(今考えれば当時は酒に酔っていたのだろうか恥ずかしい)、なんだか自分で言っといて本当にその通りだなぁと思う。


ホソクさんも人間だからもちろん悩みもあるだろうし、仕事なんてしたくないときもあるだろう。しかし彼らはいつだってカメラを向けられればプロであり、トークにしてもパフォーマンスにしてもムラがない。

私の好きな人たちはほぼ毎日変わらない笑顔でそこにいるのだから、それを見たときの気持ちが「大好き!」なときもあれば「無」に近いようなときもあるのだからそれはきっとこちら側に問題があるのだろう…と思うようになった。

分かりやすく言うのなら、疲れた日に家に帰ってYouTubeをみたときに「かっこいい…生き返った…。」と思えるうちの私は大丈夫な範囲の疲れ具合なのだが、それが「やばい見るのもきつい…。ちょ、もう静かにして…。」みたいな限りなく”無”に近い状態になったときはきっと精神的にも肉体的にも私は赤信号なのだろうと思う。

なんだか最初の内容から少し話が逸れた気もするが、言うなれば推しの存在は私のバロメーターのようなものなのかもしれない。なんてことをこの記事を書いていて思った。

オタクになって、そうやってアイドルを見ながら自分のことも見れるようになったのは少しだけど成長したな自分って感じがする。それと同時に推しに費やすお金もたくさん飛んでいっちゃてるんだけどね…。(笑えん)


さて、明日からもまた自分の力と、仲間たちの力と、推しの力を借りて頑張って生きようかな。今年はすごく忙しくなりそうだ…。

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*最後までお読みいただきありがとうございます。

あくまでいちファンが書いた拙い文章ですのでご理解いただけますと幸いです。

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