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墨で深山 vs. 西黒丸…鴉

はい、今年もやります、墨で鳥!

先日「私の描いたカフカ(ニシコクマルガラス)をミヤマガラスと言う輩が…」などと愚痴りましたが、私にはそんな偉そうな口を利く権利は全くございません。未だにニシコクマルガラス以外のカラスは皆同じに見えてしまうくらいで。
もう20年ほど前の話ですが、チェコ語にはカラスを表す言葉に「havran」と「vrána」があることを知り、「なんか違うの?」と聞いたところ「havranのほうが大きいんだよ」と適当な説明をされた記憶があります。以来「大きいカラスがhavran、小さいカラスがvrána」と信じ込んで調べてもいなかったのですが、日本語で「ニシコクマルガラス」という名称の鳥に「havran」も「vrána」も付いていない。「kavka」という独立した名前を持っている……これは前出の二種もちゃんと調べておかなければいけないのではないか、と思って辞書を覗いたところ……
Havranは日本語で「ミヤマガラス」
Vránaは日本語で「カラス」
という結果に……って、おい、「カラス」という大きな括りの中にミヤマガラスとかニシコクマルガラスとかがいるんだろう?Vránaもその中の一種なんだから、○○ガラスって名前が出てこないとおかしいだろ(←どう見てもカフカの登場人物の誰かに憑依された話し方ですな。さて誰でしょう?笑)。

もうちょっとネットで探ってみたところ、どうもチェコ人が通常「vrána」と呼んでいるのは「vrána černá(黒いカラスの意)」のことで、この名前の鳥の日本語名は「ハシボソガラス」だそうで。ほとんどの人がvránaとvrána černáの違いを知らずに話していると思われますが。

調べていて分かったことは、havranとvrána(černá)の違いは鳥知識のないチェコ人にも議論の的らしく、「havranとvránaの違いはこれ!」とか「havranとvránaの見分け方!」なんて感じの雑学記事がネット上に結構な量で書かれていること。
そして「havranとvránaの違い」だけでなく「krkavecはhavranとvránaと何が違う?見分け方を教えよう!」なんてページまで出てきて、「おーい、krkavecって、誰だーい」と叫びたくなる始末。
ちなみに、Krkavecは日本語で「ワタリガラス」で、ミヤマガラスより大きいらしいです。

と、まあここまで調べたところで墨で鳥、今回はミヤマガラスを描いてみることにしました。


条幅半切を適当に切ったもの(28 x 35cm)
調べていたらミヤマガラスの大群が飛び立つ写真が見つかってかっこよかったので。
書道半紙(24 x 33 cm)

ここまで描いて、もう一度ニシコクマルガラスに挑戦。

書道半紙(24 x 33 cm)

あら、去年「今年中にもう一回描きたい!」って言って焦って仕上げたのよりも、断然良くない?
良くも悪くも年末年始に裏打ちの時間が取れなかったので、昨年のニシコクマルガラスよりもこちらを優先したくなってきました。

ミヤマガラスとニシコクマルガラスを一気に描いたことから本記事のタイトル「深山 vs. 西黒丸」を思いついたのですが……いやあ、「大相撲が始まるんか!」と自分で突っ込んでしまいましたよ。

そして今回の墨で鳥はもう一枚あります。

ミミズク、書道半紙(24 x 33 cm)

ミミズクは目がぐりっと大きいのでイラストっぽい顔になるかもな、と思っていたら案の定。

ミミズクを描くのは今年既に二回目ですが、先日「木菟(みみづく)」でコーヒー豆氏と詠んだ拙句は案の定らべあろ企画『冬の覇者はワタシだ』二回戦出場かなわず。もちろん豆氏は結果が出た瞬間にスッと気配を消しました。新年早々、拗ね気味のようです。ぷぷ。


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