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「なあ、親父さんが昔、海外セレブのボディーガードだったって本当?」 若い男の質問に、骨董品屋の店主にしてはガタイの良すぎる肩を微動だにせず、老人はその男の持ち込んだ古めかしい懐中電灯を見つめている。そして 「うちじゃあ、こんな新しいものに値はつかん」 と、ぼそりとつぶやいた。 「一体、これのどこが「新しい」んだよ?」 男が反論する。こんな態度の若い客など昔は相手にしなかったんだが、と出かかった一言を抑え、老人は窓辺にたたずむガラス工芸の手の込んだ花瓶を指さした。 「あれは16