果てなき森にて深夜、海を拾う。
足が沈みこんで動きが取れなくなったのは一瞬前のことかもしれないし、もう昨日のことかもしれない。既に何年もこうしているのかもしれないし、もしかすると自分はこの泥水の中で生まれてこれまでの人生をここで過ごしてきたのかもしれない。
いや、ここで生まれた、ということはないだろう。そうでなければ、今このざらざらどろどろした泥水が目を塞ぎ鼻を塞ぎ耳を塞ぎ口の中に侵入してきたことに不快感を覚えるはずがないではないか。
どうしてこう、人間の体には穴が多いのだろう。おかげで液状の物質は自