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私が定年退職後に大学院に入って、MBAと中小企業診断士の資格を目指す理由

4年前に60歳でホンダを定年退職して、昨年(2022年)4月から月曜日から土曜日まで毎日大学院に通っていました。さすがに63歳のカラダとアタマにはシンドイ毎日でしたが、どうにか今月(2023年3月)修了することができました。
目的は、MBAと中小企業診断士の資格を取るためでした。
「その歳して、いまさらなぜそんなことを?」と思いますよね。私もそう思います(笑)。なぜ、MBAと中小企業診断士の資格を目指すことになったかについてお話していきます。

1.ホンダで働いていた頃のこと


ホンダ入社後の最初の配属は本社財務部。10年経ってやっと希望していた海外駐在の機会(イタリア)に恵まれました。
海外での仕事は私の質(たち)に合っていたらしく、仕事もプライベートも日本では味わえない充実した日々を送ることができました。イタリア駐在から帰国した後も海外勤務を希望し続け、イタリアに続きカナダ、中国、ドイツと合計4か国22年間、定年退職まで海外駐在を経験することになりました。最後のドイツでは6年間、現地法人の社長を務めました。充実した日々とは言っても、日本では経験できない苦しいことも多く、退職する当日、ドイツからの帰国のフライトに乗り込んだときには疲れ切っていて、まさに「やっと自由になれる。肩の荷が下りた」という感覚でした。そして明日から始まる解放された毎日、好きなことだけにいくらでも時間が使える至福の日々が楽しみでした。

2.会社を定年退職して「解放された至福の満足感」は長く続かない

帰国した翌日、早速スポーツジムに入会しました。鈍ったカラダを鍛えなおし、堰を切ったように好きなスポーツに明け暮れた。ヨット、ロードバイク、トライアスロン、マラソン、ゴルフ。
ところが解放された至福の満足感はそう長くは続きませんでした。いつしかそれが当たり前のフツーの日常に変わっていくのを感じました。一人というわけではなく、友人との楽しいひと時ではあるのですが、お互いに成長しあったり、新たな価値を生み出すこともない。単に時間を消費しているだけのような気分になっていきました。
そして気が付くのです。自分にとって趣味は「生きがい」にはならないことに。趣味に打ち込むことが「生きがい」と感じる人もいるでしょう。しかし、私にはそう感じられないことが明らかになっていったのです。じぶんにとっての「生きがい」はなにか、考えた。
たどり着いたのは、社会のだれかと交わりだれかに感謝されることにより自分も満足を得られるような生活だというものでした。そして、「生きがい」のある生活をしていると、趣味も輝きを増すのだという考えにたどり着きました。

3.次の一歩を踏み出そうとしたが・・・

そんなことを考えていたある日、とある経営支援機関(ジェトロ)が行っている海外進出企業へのハンズオン支援の人材募集の記事に目が留まったのです。
「これだ」と。これならホンダ時代に磨いてきた財務という専門性と22年間の海外経験という二つの武器を生かして、だれかと交わりだれかに感謝されるという「生きがい」を見出せるのではないかと。早速、履歴書など書類を作成して申し込みました。しかも、すこし脚色もして海外進出の支援ができる魅力ある人材をアピールしました。ところがあろうことか、書類選考で落とされ面接にも進めなかった。なぜだ、22年間の海外経験豊富な私が。貴重な人材のはずなのに。あり得ない!
なぜ支援機関は私を採用しないのか。私に何が足りないのか。
そこで活躍しているコンサルタントを検索してその経歴などを見てみると、多くの人はいくつかの会社を渡り歩き多くの経験を積むだけでなく、複数の資格を取得していたのです。私の場合、ひとつの会社に所属し続けて、社内の文化や仕事の進め方に自分を適性化することで生きてきたわけで、「社会一般が必要とする人材」、「一般社会が魅力を感じる人材」とはずれてしまったのではないかと考えたわけです。ではどうしたらよいか。この歳でいまから会社を渡り歩くことはできませんが、資格なら手にすることはできると考えたのです。そして、たどり着いたのが、中小企業診断士という資格でした。しかも大学院で学べば診断士の資格とMBAが取得できるということが分かったのです。

思い起こせば、50歳を過ぎたころから、「自分はずっと大手企業の看板の下で生きてきた。大した仕事をしていない時期でも毎月きっちりと給料をもらえた。自分はこの看板がなかったとしたら何ができるのだろうか」という疑問が心のなかで膨らみ始めていました。

そして今、中小企業診断士とMBAをゲットできたわけです。

4.すさまじい資格の威力!

資格をゲットで見通しがたった1月下旬、大学院修了後の仕事を探し始めました。
すると、驚くなかれ、とある先輩の紹介もあり、某大学の非常勤講師、某大学院の特任講師、東京商工会議所の専門相談員、そして経営コンサル会社のコンサルタントといういくつもの仕事が1週間で立て続けに決まっていったのです!
ジェトロに見向きもされなかった自分が、資格を取得したとたんにこんなことになるなんて。資格の勉強や大学院の勉強により、多少の知識は上積みできたかもしれないが、自分の実力値はさほど変わっていないと思うのだが、資格というものが能力や知識レベルを客観的に評価するツールになっていることを改めて感じました。
いずれにしても、組織に所属せず会社の看板を外して、ゼロから始める自分の第2の人生のスタート地点に立ったわけです。自分自身がどれだけ「だれかに感謝されることができるのか」チャレンジしてみたいと思っています。人生100年時代を自分のチカラで切り開き、「生きがい」を感じられるように過ごしていきたいと思います。




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