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WBCに向けてアメリカがドリームチーム結成?

こんにちは。私が住んでいるアメリカの街もコロナウイルスの影響でロックダウンしてしまい、春から始まるはずだった子供の野球シーズンも延期になってしまいました。MLBも延期になり野球ファンには大変寂しい春になってしまいましたが、そんな中マーカス・ストローマン選手がツイッターで来年2021年開催予定のWBCに向けてドリームチーム結成を呼び掛けました

MLBの現役選手からWBCの話題が出てくるのはとても意外でしたが、アメリカは前回の2017年の大会で優勝しておりストローマン選手は決勝戦で先発して勝利投手になりMVPに選ばれているので個人的に思い入れが強い大会なのでしょう。まずは2017年のWBCをアメリカ視線で振り返ってみます。

2017年のアメリカチーム

まず2017年のアメリカチームのロースターから。先発投手は前述のストローマン以外にクリス・アーチャー、ダニー・ダフィー、ドリュー・スマイリー、タナー・ロアーク。シャーザーは参加予定でしたが怪我のために不参加でした。

中継ぎとクローザーパット・ネシェック、マイケル・ギブンズ、タイラー・クリッパード、ルーク・グレガーソン、サム・ダイソン、マーク・メランソン、アンドリュー・ミラー

野手には(捕)バスター・ポージーとジョナサン・ルクロイ、(1B)エリック・ホズマー、(2B)イアン・キンズラー、(3B)ノーラン・アレナド、(SS)ブランドン・クロフォード、(LF)クリスチャン・イエリッチ、(CF)アダム・ジョーンズ、(RF)アンドリュー・マカッチェン、DHにジャンカルロ・スタントンかポール・ゴールドシュミット。控えにブレークする前のアレックス・ブレグマンも。

監督ジム・リーランド。パイレーツ、マーリンズ、タイガースで監督を務め、マーリンズでワールドシリーズ制覇、タイガースでは地区3連覇した名将。

打順は1.キンズラー、2.ジョーンズ、3.イエリッチ、4.アレナード、5.ホズマー、6.マカッチェン、7.ポージー、8.スタントン、9.クロフォード。

打線は前年2016年にホームランを41本打ったアレナードを筆頭にジョーンズ、イエリッチ、ホズマー、キンズラー、マカッチェン、スタントンも20本以上打った選手が揃った強力打線。スタントンはWBC後の2017年のシーズンで59本塁打。2018と2019に目覚ましい活躍をしたイエリッチ選手は2017年WBC時点でも若手の素晴らしい選手でしたがホームランを40本以上打つ選手になると思っていた人はいなかったのでは。

こうしてみると投手陣はその当時の超一線級であるバーランダー、カーショー、シャーザー、クルーバーなどはいませんがストローマン、アーチャーの若手本格派と日本人選手が打ちあぐねた2シーム主体のロアークが先発にいて、中継ぎ抑えには高速カッターのメランソン、変則のネシェック、長身左腕のミラー、2シーム主体のダイソンやグレガーソンなど実力派の曲者揃い。野手はマイク・トラウトこそいませんがトップクラスの選手が揃っていました。

2017年の中南米チーム

日本とは違う組だったので当たりませんでしたが第二ラウンドF組の中南米チームはどこも凄かった。

ドミニカ共和国 ジーン・セグラ、マニー・マチャド、ロビンソン・カノ、ホゼ・バティスタ、カルロス・サンタナ、ネルソン・クルーズ、エイドリアン・ベルトレ、スターリング・マルテ、デリン・ベタンセスなど

プエルトリコ フランシスコ・リンドーア、カルロス・コレア、カルロス・ベルトラン、ヤディア・モリーナ、ハビアー・バエズ、エディー・ロザリオ、エドウィン・ディアズなど

ベネズエラ ホゼ・アルトゥーベ、ミゲル・カブレラ、ビクター・マルチネスなど

特にドミニカンとプエルトリコが凄いです。ドミニカンは30代の大物選手が多くプエルトリコはベルトランとモリーナのベテラン選手以外は20代前半の選手が多くいました。ただどこのチームも先発投手陣が弱点だったように思います。

2017年アメリカチームの戦績

余程のMLB好きな方以外で日本戦以外のアメリカの試合を追っていた方はいないと思いますが、アメリカチームの優勝までの道のりは決して楽なものではありませんでした第一ラウンドではドミニカ共和国に、第二ラウンドではプエルトリコに敗れています。全ての試合をアメリカ視線で振り返ってみます。

第一ラウンド

対コロンビア 3-2でアメリカ勝利 延長戦の末10回裏にアダム・ジョーンズのサヨナラヒットで勝利

対ドミニカ共和国 5-7でアメリカ敗戦 中盤までアメリカ優位に試合を進めるも後半にドミニカンの怒涛の反撃に敗れる

対カナダ 8-0でアメリカ勝利 序盤にアレナドの3ランなどで7点取り試合を決める

第二ラウンド

対ベネズエラ 4-2でアメリカ勝利 7回を終わった時点で2-1でベネズエラが1点リードだったが8回裏にジョーンズとホズマーのホームランで逆転勝利

対プエルトリコ 5-6でアメリカ敗戦 初回にプエルトリコが先発のストローマンを攻め4点奪取。その後アメリカは徐々に点差を詰め最終回にプエルトリコのクローザーのエドウィン・ディアズから2点を奪い1点差まで追い詰めるがあと一歩及ばず

対ドミニカ共和国 6-3でアメリカ勝利 第一ラウンドで敗れている相手。初回に2点を奪われるが3回にイエリッチの2塁打で同点とし4回にスタントンの2ランホームランで逆転。その後は中継ぎピッチャーがドミニカンの重量打線を封じ込み勝利。マチャドが打ったホームラン性の打球をジョーンズがスーパーキャッチしたのはこの試合。

準決勝 対日本 2-1でアメリカ勝利 日本屈指の好投手菅野投手と千賀投手に苦しみ試合は7回を終えて1-1の同点。アメリカは8回表にランナー2、3塁からジョーンズの内野ゴロの間に1点追加してそれが決勝点となる。敗れはしたがアレナードから4三振、イエリッチとスタントンから2三振ずつ奪った菅野投手と千賀投手は素晴らしかった。アメリカの勝因は絶妙な継投策とそれに応えたブルペン陣の頑張りだったと思います。

決勝 対プエルトリコ 8-0でアメリカ勝利 プエルトリコの先発セス・ルーゴから5回までに4点を奪い試合を決める。投げてはストローマンが6回までプエルトリコ打線をノーヒットに抑える好投でMVPに選ばれました

結果的に点差がひらいた事もあり日本では準決勝の日本戦が実質決勝戦だったみたいな報道がされていましたが、実際はそんなことはなくアメリカチームに余裕は全くありませんでした。プエルトリコには第二ラウンドで負けていますし先発のストローマンは4失点と打ち込まれています。アメリカはWBCでの初優勝のために非常に集中して良い試合をしました。

優勝後の記念撮影の際にアメリカの国鳥である白頭鷲の置物と一緒に写っているのが面白いです。


トータル6勝2敗

前述したように第二ラウンドF組の4チームはどこもMLBで活躍している選手が大勢いて大混戦でした。第一ラウンドで負けているドミニカ共和国に競り勝った第二ラウンドでの試合、第二ラウンドで負けているプエルトリコに決勝でしっかり勝ち切ったのは実力もありますが采配も素晴らしかったです。それとアメリカではシリーズMVPにはアダム・ジョーンズが選ばれるべきだったと思っている人が多いです。

アメリカ絡みで一番盛り上がった試合はアメリカが負けた第一ラウンドでのドミニカ共和国戦ですかね。8回裏にネルソン・クルーズが逆転ホームランを打った時の選手と球場に応援に来ていたドミニカ出身の人達の盛り上がりが物凄かった。打たれたアンドリューミラーの落ち込んだ表情も印象的です。


2021年アメリカドリームチーム

以下がストローマンのツイッターに反応した選手です

投手

マーカス・ストローマン、トレバー・バウアー、ウォーカー・ビューラー、マイク・クレビンジャー、ブレイク・スネル

野手

ピート・アロンゾ、エリック・ホズマー、ノーラン・アレナド、ジョーイ・ガロ、クリスチャン・イエリッチ、トレバー・ストーリー、デビッド・ダール、コーディ・ベリンジャー、ウィット・メリフィールド

上記の選手以外にもまだ返事はありませんが以下の選手に声を掛けています

マイク・トラウト、アーロン・ジャッジ、ムーキー・ベッツ、ボー・ビシェット

トラウト、イエリッチ、ベリンジャーの外野が実現したら胸アツですね。ジャッジ、ベッツも見たいし。どれだけの選手が実際に参加するかはわかりませんが今の段階で参加希望している選手だけでもかなり凄いメンツです。

メディアの選考メンバー

MLB.comのレポーターのJon Paul MorosiとCBS SportsのMike Axisaも最近の記事でUSAチームに誰が入るか予想しています。

MLB.com - Jon Paul Morosi選考チーム


先発投手 Gerrit Cole, Jacob Degrom, Stephen Strasburg, Marcus Stroman, Justin Verlander 中継ぎ・抑え Nick Anderson, Josh Hader, Brand Hand, Will Harris, Ian Kennedy, Michael Lorenzen, Taylor Rogers, Will Smith, Kirby Yates  捕手 J.T.Realmuto, Yasmani Grandal, Will Smith  内野手 Pete Alonso, Nolan Arenado, Cody Bellinger, Alex Bregman, DJ LeMahieu, Trea Turner  外野手 Aaron Judge, Jeff McNeil, Whit Merrifield, Mike Trout, Christian Yelich

CBS Sports - Mike Axisa選考チーム

先発投手 Gerrit Cole, Jacob Degrom, Jack Flaherty, Marcus Stroman  中継ぎ・抑え Nick Anderson, Aaron Bummer, Chad Green, Josh Hader, Michael Lorenzen, Ryan Pressly, Taylor Rogers, Will Smith, Kirby Yates  捕手 Mitch Garver, JT Realmuto 内野手 Pete Alonso, Tim Anderson, Alex Bregman, Matt Chapman, Jeff McNeil, Max Muncy, Trevor Story  外野手 Cody Bellinger, Mookie Betts, Whit Merrifield, Mike Trout, Christian Yelich

おわりに

最初にも書きましたが現役メジャーの選手からWBCの話題が出てきたことに大変驚きました。ストローマン選手に大感謝です。野球は他のスポーツと比べると国同士で対戦する機会が少なく特にメジャーの選手はオリンピックには参加しないのでWBCでUSAチームのユニフォームを着てプレーすることに誇りを感じる選手が多くいるようです。日本と同じくアメリカでも野球人気は低迷してきているのでWBCにスター選手が出て国同士の熱い真剣勝負をすることが人気回復に繋がるのではないでしょうか。

最後まで読んでいただきありがとうございました。




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