「正義なら勝ち」の振り回し方、子どもは覚えろ大人は弁えろと思う話

いじめが起きると、真っ先に呼び出されるのがおばちゃんでした。いじめる側でもいじめられた側でもないのに。

クラスでこれこれこういうことが起こっているんだ、どうにかしてくれんか、と教師が言ってくる。

はあ、そうですかと言ってクラスに帰り、それから3日くらいでいじめをぶっ壊します。

それがおばちゃんの小中高あまり変わらぬ役割でした。

どうぶっ壊すかというと、「おめえはチンカスな人間だなジャイアンスネオ以下マンガアニメの三流悪役以下だな」ということを徹底してわからせるだけです。言って。蔑んで。

いじめをしている側は自分が正義だと思っているのでそれを徹底的に叩きのめして晒せばぶっ壊せます。おばちゃんは奇異な存在で友だちが一人もいませんでしたが敵も一人もいませんでした。厄介な奴です。

繰り返しますが、いじめをしている側は自分が正義だと思っています。

キモいやつ、ウザいやつ、ともかく排除したいやつを排除するのは集団のためになるのでそれを行っている自分は偉い。悪をやっつける正義の味方くらいに思っています。

実はそれはそれで正義なんですけど、人権は侵害しているのでひとまず徹底的にぶちのめします。子どものころは本気で自分のほうが正義だと思ってたんでそこで終わってましたが、今なら「違う処し方があってそれができるようになることが成熟なんだ、やろうぜ」って入れますかねえ。要は関わるなってことなんですけども。

ふとそんなことを思い出したのは昨夜。Eテレでファミリーホームの紹介をやってて、ホームの子がいじめにあってたんだって。んで、家まで来て「おまえんちいっぱい子どもがいてみんな名字がちがうんだってえ!?」みたいなこと言ってくんだって。

ホームのママは「もう関わらんで!」って怒ったことがあるって言ってたけど、おばちゃんこういうの本当に頭にくるタイプでね、一夜明けてもずーっとそのいじめっこになんて言い返してやるのがいいか延々と考えちゃって。

まあたぶん、「はあ!?おまえみたいなカスを育てた家よりマシだね!親の顔が見てみたいわ恥ずかしいやつだな!」くらいは瞬発的に言い返してますね。

その怒りの瞬発力みたいの、たぶんいじめられない一番の要素じゃないかと思いまして。

おびえたりひるんだりすると、相手は勝つんです。正義になるから。正義になるから勝つ。いじめっ子は元来、自分は正しいと思ってやってますから、おびえたりひるんだりするとやっぱり自分が正しいなって思うんですよねえ。頭の中にあるの勧善懲悪とか正義の味方の図なので、悪は滅びるんですよ。悪は負けるんです。

だからまず相手よりでかい声出す。睨む。前に出る。何も言い返せなくてもアアン!?とか言っとく。あ、これ完全にヤンキーの手法ですね…おばちゃん一応優等生であってヤンキーではなかったんだけど…

ともかく間違ってるのはおめえのほうだよと一瞬でも思わせられるといいです。相手が徒党を組んでくるとちょっと難しいので初手で勝つべき。勝てば正義だから。これものすごい論理ですよね。でも学校を生き抜いている子どもたち、これは本当なので存分に振り回してくれ。

でも大人になってまでこんなの振り回してられないですよ。馬鹿だもの。そもそも勝ち負けじゃないもの。どうしたって逃げ場のない学校という密室でやってくための仕方なしの所作であって、社会に出た大人がやるこっちゃない。会社でいじめとかなら同じ戦法でいいけど。

なのに振り回している人がけっこう多いよね。ツイッター界隈とか。

物がよかばい> https://www.amazon.co.jp/hz/wishlist/ls/C6CF3HN7OLBO