小6と「男と女、なるならどっち!?」を真剣に考えてみた話
受験後の授業のほうが自由にできていいよね。受験勉強ってそういう意味ではホント邪魔、と思うおばちゃんです。
こういうことできるから塾なんだけどね。
さて、板書めっちゃ盛り上がってるでしょ!男子5名、女子7名で行って、男子5名+女子1名が”男性”を、女子6名が”女性”を選びました。ほぼ全員が現性ステイを選択したわけです。
では聞こう、なぜだ!すると出る出るあれこれ、ほんの20分で写真の通りの盛り上がりです。
”女子怖そう、めんどくさそう””男子きもい、きたない、ばか”などのあるある対立から、”男のほうが偏見的に上”などのパワーワードも飛び出し、小6でも見事に社会の縮図です。大人の世界が小6の域を出ていないだけかもしれませんね。
写真ではすでに消してありますが、最初は真ん中に線を引いていました。対立構造をあおるわけじゃなく、二元化したほうがとっつきやすいからです。
予想以上に男子のほうが利点をたくさん述べられました。社会で活躍できるから、とかですね。国のために尽くせる、はおもしろかった。女子のほうはどちらかというと男子が嫌いだからなりたくない、という消極的な意見でおさまってしまったのはちょっと残念。
また、現代は女性も仕事できるし、子どもは痛くて苦しいから産まなきゃいいし、という意見も。合理的思考、無駄や苦痛は絶対にごめんだという気概は非常に現代っ子らしさを感じます。どちらかというと男子のほうが、「子供以上に幸せなことなんてないってお母さんが言ってた」という子が多かったです。たまたまかな。
色々出し尽くしたところで選択チェンジを実行するも誰も動かず!!そうか、そんなに今の自分に満足か。すばらしいな。
ここで少し資料やデータを追加。主に意見の弱かった女子側に加担する形で、「男性のほうが自殺率が高い⇒社会的に苦しいのは男性のほうかもしれない」「男児より女児のほうを希望する親が多くなっている⇒いきづらさを考えて女児を選んでいるようだ」などを話しました。
また、「社会的な平等を求め女性は社会進出をしてきたが、結果どうなったかというと一部の才能ある女性は輝いたかもしれないがほとんどの女性は男性と同じ社会的大変さに苦しむことになり、今はどちらかというとやはり家庭に入りたいという女性のほうが増えているようだ」という話も。
男女どちらも大変なことはあるな、ということを理解したうえで、じゃあどっちがいいだろう、と最後に問うも、これはもう答えが出ません。
男には男のゲーム、女には女のゲームがある気がする。”仕事”はハイリスクハイリターンなので、勝てないと地獄。”家庭”はローリスクローリターンで、特に評価はなく達成感が得られないけど死ににくい。
女性が男性側のゲームを求めて社会進出することもあるし、男性が女性的な幸せを求めることもある。「個別に選べばいいんじゃない?」「それを性別が阻んでるってこと?」みたいな感じで盛り上がります。
まあおばちゃん授業っていうより、教えるっていうより、一緒に考え悩み行動していくのが教育がどうにかしてやれることだと思ってるので、特に答え求めてないんですけど。
最終的に、どっちもどっちなら性別変えるのがめんどいから今のままでいいかなみたいな空気に。笑 だよね。笑
ちょっとダレてきたんで、解決策はないかな、と話題を変えました。すると、これは出る出る。
「好きな時に好きな性別を選べたらいいのに」何百年か後にはそうなってるかな??「やっぱり社会的に平等になって、仕事も子育ても分担すればいいんじゃない??」それは今やってるけどあんまうまくいってない気がするよね。性差は厳然としてあるから、苦手なことをさせるのはいいことないんじゃない?など。
もう少し具体的で、実現可能な解決策ってないかな?これにはウーンと黙り込んでしまう小6。先生なにかないの、と叱られたので、そうねえ、先に生きてるからには少しは考えてなきゃいけないので、真ん中の線を消しました。
「性別を変えることはできないけど、両性で助け合うことはできるんじゃない?お互いの弱さを補い合ってさ。それしかないようにも思う」素直なので、なるほどしてくれる小6たち。単純なことなんだけど、おばちゃんこれが当面の結論なんだよね。まあこれがゴールじゃないので思考は続けていこうぜ。
しかしまあ、小6のほうが素直さや柔らかさがあるので同じ社会問題を考えたとしても醜いことにならないんだよなあ…みたいなのはいつも感じてしまうな。変化する強さ、しなやかさ、しがみつかなくてもいい美しさ、なるべく老いても持っていたいネ。
毎度、こういう”授業”が一番盛り上がります。アウトプットするためにインプットを必要とするので当たり前なんだけど。なんか最近アクティブラーニングとかいってもてはやされてるけど流行はどうでもいいっす。ディベートじゃなくディスカッションしたいし、論破するとかなんとかとにかく正しさを養成したくないし、結局学力向上受験勝利の道具になっちゃう程度ならほんまいらんし、ってこの辺はまた別途。
そんで、助け合っていくときに「愛がなきゃやってらんねーよ」みたいな現実もあるよねえ、ってとこまで踏み込みたかったけど時間だったのでこれも別途。笑
最後に、じゃあ少し整理ついでに、男性・女性それぞれの”ゲーム”を生き抜くのに最適な”理想の女性・男性”を思い描いてみようよ、と振り。男は「イケメンで、仕事ができて、力が強くて、収入があってえ!」と女子が盛り上がる笑
女子は「容姿、あと性格の良さ、やっぱり仕事はできたほうがいいんじゃない?」みたいな感じに。
社会的に求められていることが自分たちの中に反映されていることを確認してもらいました。
ところで、”頭がいい”はどこにも入ってこなかったね?なんで君ら塾にまで来て勉強がんばってんの?とちょっと意地悪な突っ込みをすると、「え、ほんとやん」「なんでやろ…」とどんよりしたので(爆笑)
”お勉強”なんて最小限で効率よく終わらせていこうな!!集中してな!!ほかに上げなならんステータス山のようにあるからな!!という話をしてお開きに。
お開きに…ならない。笑
「こういう授業が一番面白いのに!!!なんで!!!もっといっぱいやらないのか!!!!」と全員からぎゃんぎゃん言われたので、それは塾というところにお金を払っている大人たちから怒られが発生するからですよ、と正直に申し上げました。「じゃあどういうところでやればいいの!!!!」それも考えていきましょう。はい。
カリキュラムの合間を縫って許される1時間だけ、来週は、「日本人とそれ以外の国の人、なるならどっち!?」をやります。来週はそれぞれ調べたり考えたりしてきてOKなので、さらに紛糾しそうです。ニコニコ。