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啓蒙時代"真っ最中"なAIを考える

AIアート、それは今では一部の界隈から忌み嫌われる存在になってしまいました。例えば、イラスト投稿サイトには2大勢力というべきPixivとDeviantartがありますが、後者では非常に強力なAI批判が展開されています。PixivのイラストにAIというタグをつけ忘れたら「AIのタグをつけろ」という指摘はあるのはわかりますが、何のAIを使ったのかまでを要求されることは多くはありません。しかし、Deviantartでは何のAIを使ったのかを要求されます。

AI絵師として活動するにあたり、ひとつの気づきがあります。それは絵は騙せないが、文章は騙せるということです。具体的にはイラスト生成にAIを利用すると、それがAIによって生成されたことを見抜くことは容易ですが、ChatGPTなど文章については難しくなる、ということです。

このことから、AI絵師は非常に多くの制約が付きまといます。将来的には著作権問題などに対してある程度の決着がつくことが予想されており、万能なツールといえるかどうかはわからないというのが結論といえるでしょう。

DeviantartにおけるAIイラストの現状

DeviantartではAIに対する風当たりは強いと言えるでしょう。ほとんどの閲覧者はPixivに比べると欧米の方が多いですが、PixivよりもAIに対してネガティブな印象を持っている人が多いと思います。しかし、一方でPixivにはないようなテレビアニメの位置描写の切り抜きをそのまま投稿したイラストが氾濫しており、秩序が保たれているとはあまり言えない状況でもあります。

個人的にはDeviantartは多種多様なコメントや反応が返ってくるので面白くはありますが、同時に自分が投稿しているAIアートに対する感想についても非常に幅広く知れるので刺激的でもあります。

実際、AIイラストに対する反応は多種多様で主に3つに大別できます。

1. 特にこだわりなく見ている層
2. AIだと認識して肯定的に見ている層
3. AIだと認識して否定的に見ている層

基本的にほとんどの人が1. に該当してますが、時折2や3に当てはまる人が散見されます。特に、3に当てはまる人は必ずと言っていいほどコメントしてくるため、コメントの内容のほとんどが3の人からのものになっています。

1にあてはまるひとは、そのイラストがAIだと判別していないかできていない場合が多くあります。自身の経験からもAIイラストがAIによって描かれたのか、それとも人が書いたのか全く分からずに見ているときがあり、それは基本的には「イラストは人間が書くもの」だと認識しているから起きます。しかし、最近のイラスト生成AIは、人間が書くそれに近いレベルで精巧なものを出力するため、そのバックボーンがないと自然に1の層になります。

一方で、イラストには2種類あり、AIが書いたものとそうでないもの、という認識があれば自然に2か3の層になります。

Pixivにおける現状との比較

PixivDeviantart同様にイラスト投稿サイトで非常に巨大なコミュニティを抱えています。NovelAIと検索すると20万件を超えるイラストがヒットし、AIによる作品が日夜増えていることを実感します。PixivはDeviantartに比べてコメント文化があまりなく、基本的にはスタンプのやり取りが大半を占めています。そのため、AIによるイラストを投稿しても、それについて詳細な指摘をされることはほとんどありません。また、Pixivについては盗作防止システムもないため、自分のイラストが盗まれてほかのアカウントで投稿されてもわかりません。

こういったシステム的背景から考えても、PixivはDeviantartに比べ投稿者が守られていないと感じますが、そこに並べられている作品は非常に優れたものが多く、いかに投稿者よりも投稿内容が重視されているかをうかがうことができます。

Pixivは投稿内容至上主義、一方でDeviantartは投稿者至上主義

AI絵師の展望

最近のAIイラストに対する世間の評価を見ればAI絵師がこれから直面するであろう最大のリスクは、作品の妥当性です。つまりは、出力した作品が投稿するに値するかどうかということであり、これには多くの意見が出ています。

現時点ではAIイラストの可能性については議論の余地があり、今後さらなる画期的な利用法が確立されれば、ディフュージョンモデルが世間に受け入れられていくと思われます。


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