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【コラム】ビットコイン半減期とL2時代

2024年に迫るビットコインの半減期ですが、目下では最高値更新とのうわさが経っています。しかし、本当に次の半減期でビットコインは「オールタイムハイ」をたたき出せるのでしょうか。


景気減速×半減期到来

これまでのビットコインの歴史を振り返ったとき、半減期とバブル相場はセットになってやってきていました。半減期の次の年のビットコイン価格はどの場合でも過去最高を更新しており、それを考えれば次の相場でも同じようなことになるだろうと見込まれています。

しかし、ここへきて、過去の半減期相場とは異なるポイントが一つ出てきました。それが株式相場の不調です。これまでのビットコインバブルでは、二回とも株市場が好調だったこと、もしくは上向きだったことが挙げられますが、今はそうなりそうな雰囲気がありません。

景気減速時代にビットコイン価格がそれでも上がるという場合、暗号資産というものが投機目的ではなく、本当に価値のあるものとして認識されなければおかしいことになります。

ビットコインの価値

では、ビットコインには実のところ本当に価値はあるのでしょうか。確かに、今のところは価値があると言えそうです。2022年の暴落相場では、ほとんどの暗号資産価格が8割ほどダウンしました。しかし、ビットコインの下落率は6割ほどで、日本円換算すると、円安も相まって40%から50%ほどしか下落していません。

5割下落と聞くと、非常にひどいと思うかもしれませんが、大半が8から9割下落している現状を考えるとかなりマシだと言えるでしょう。

また、現在BTC価格は半減期に向けて微増しています。次の半減期でBTCは10万ドル(1500万円)をつけると叫ぶインフルエンサーもおり、それは今の3.5倍ほどですから、かなり強気に見ている人もいるようです。

しかし、一方でそこまで上がらない、むしろビットコインは無価値なのになぜか評価されているとまでいう人もおり、その真実的な価値がどうなっているのかまではわかりません。

L2時代の到来か?

次の暗号資産の主役は何か?2018年はレイヤー1だったかもしれないし、2021年はDeFiやDAOだったかもしれない、では2024年は何なのか?

暗号資産はテクノロジー的側面が強く、それは一日にしてなるものではないという前提があります。なので、この前のバブルで聞いたようなDeFiやDAOが、まだ現実的に利用される段階ではないことは確かです。そんな中で、今注目されているセクターの一つにレイヤー2があります。

レイヤー2は、アービトラムやPolygon、オプティミズムなどのチェーンが代表され、イーサリアムメインチェーンの補助的なブロックチェーンとして考えることがしばしばあります。

L2にロックされている資金は徐々に増えつつあり、レイヤー1で生じていた高額すぎるガス代問題を解決する糸口になるかもしれないと言われています。

キーテクノロジーとなってくるものの一つにzkロールアップがありますが、今後もzkRUのような手法がL2において発見されうることも十分に考えられます。

他には、StacksLoopringなどが候補として挙がってきています。

群雄割拠なL2時代へ突入する前夜のような雰囲気がありますが、最終的に伸びるところは非常に少ないだろうとVitalik氏も述べています。それは以下に考えられる法則によるものです。

メカトーフの法則
価値が価値を呼び、最終的に一つのものに価値が集中すること。SNSサービスのスケールやビットコイン価格に当てはまっている。

リンディ効果
長生きするものはより長生きするというもの。もしもビットコインがこの効果を享受していれば、ビットコインはより長生きすることになる。

ムーアの法則
一般的には集積回路で知られているが、ビットコインの価格が8カ月おきに2倍になっていることから。

個人的にはPolygonが非常に魅力的に思っています。ガス料金が安く、かつイーサリアムとの互換性も悪くないためです。クリプトの将来を考えるとき、ユーティリティ(利用性)において優れているところが覇権を握るだろうとは強く思います。

コラム

これは一つに愚痴、のようなものでもあり問題提起にもなるのですが、いわゆる「Web2.0」の問題と「Web3」の問題はどちらもこれからのインターネットでの活動において重要になってくるでしょうし、どちらも解決しなければならないと考えています。それは以下のものです。

①Web2.0における運営とユーザーの力関係
②Web3におけるウォレットセキュリティ

①は、いわゆる「中央集権が故の問題」で②は「自律分散奇々怪々な世界が故の問題」です。

①は、トランプ大統領のTwitter凍結問題のような、言論の自由と封殺ラインの不透明性に起因するもので、運営に絶対的権力が機能的に集中していることで起こりやすい問題です。

例えば、Xはイーロン・マスク氏によって「右を向け」といわれたら全ユーザーは右を向くしかありません。逆らうものはアカウントBANの対象になるからです。

②は、ハッカーからの攻撃という問題です。オンラインウォレットに暗号資産を入れていると、かなりの確率と頻度でハッキングに遭います。そうすると、何十万円もする資産が10秒くらいで盗まれますから、心理的ダメージは計り知れません。

②については、今後厳しいルール策定が行われることがあると思うので、マシになっていくとは思いますが、①の問題も②が解決するにつれて薄れていくことを願うばかりです。



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