農大14日目 2023-10-30


土壌の基礎②

前回の復習

植物の養分↓

  • 窒素 N+, N-

  • リン酸 P-

  • カリウム K+

  • カルシウム Ca2+

  • マグネシウム Mg2+

肥料を撒く→雨がふる→養分が水に溶けてイオンになる→根が吸収する

良い土の条件

  1. 水はけが良い → 排水性

  2. 水持ちが良い → 保湿性

排水性の良い土は、土壌の中に「大きなすきま」がある
水持ちが良い土は、土壌の中に「小さなすきま」がある

良い土は「大きなすきま」と「小さなすきま」が混在している土。

良い土を作るには?

  1. 水はけを良くする → 耕耘
    耕耘によって土のなかに隙間を作る

  2. 水持ちを良くする → 堆肥を撒く
    有機物を多く含んだ堆肥が微生物に分解されることで土壌の粒子が接着し団粒構造ができる。これには数年の期間を要するため、長期的な方策となる。

各土壌の保水力

  • 黒ボク土
    保水量 100〜120mm → 梨の木は2,3週間水がなくても大丈夫

  • 造成土 40〜50mm → 梨の木は1週間水がなくても大丈夫

潅水による効果

乾燥時期に灌水を行った梨農園と行わなかった農園の比較
→ 玉が大きくなり、品質が安定 → 10aあたり約2万円所得増

潅水の方法

  • チューブ

  • スプリンクラー など

鳥取県は大山周辺にダムが多数→給水栓で潅水できる場所が多い
北条砂丘は天神川から給水し、スプリンクラーで制御センターから自動で潅水している

砂丘地は水の供給ができれば非常に良い農地になる

  • 水はけは抜群

  • 保水力はない → 毎日水やり(自動潅水)

  • 養分が少ない → 肥料を十分与える

鳥取県の梨

「二十世紀」(青梨)

1888年千葉で開発 → 1905年鳥取へ北脇永治が10本購入し桂見で栽培を開始(二十世紀梨ふるさとトンネルがある)

二十世紀梨の長所

  • 収量が多い(花が多い)
    3〜5 t/10a

  • 日持ちする
    14日くらい(常温)
    アメリカ、香港、台湾などへ輸出

  • 外観がきれい
    袋掛けを行っている(黒斑病対策)
    色がつく果物は袋をかける場合が多い

二十世紀梨の短所

  • 病気に弱い(黒斑病)
    通常15回くらい(50種類)の農薬を使用

  • 糖度が低い
    11度(9〜12)
    9度の梨は大根食ってるみたい
    100年前は一番糖度の高い品種だったが、後発の品種に抜かれた

  • 手間がかかる
    親指くらいの小さな実→小袋(1円)4000枚/8時間
    大きくなると→大袋(4〜5円)2000枚/8時間

「二十一世紀」 新たな梨の開発

目標
①青なし
②糖度が高い(おいしい)
③病気に強い
④受粉なし

おさ二十世紀 ✗ 筑水
種まき 4〜5年(2万個を作成)
実がなる 3〜4年
結果が出る 10年

親品種

「なつひめ」
青なしの二十世紀の後継
①◯ ②△ ③◯ ④✗
→糖度が高く味は良かったが、見た目が二十世紀と似ていて特徴がなく、農家の間で広まらなかった

「新甘泉」
なつひめの副産物でできた品種。味がとにかくよかったのでついでに発表
①✗ ②◎ ③◯ ④✗
→非常に売れ行きがよく単価も上がった。農家への評判もよく、県内で広く普及している。

ブドウ

  • シャインマスカット

  • 巨峰・ピオーネ

種なし品種の作り方

単為結果性のブドウ = 種ありと種なしの実が両方できる
種あり → 種あり巨峰は種なしの実を切り落として種ありだけ残していた
種なし → ジベレリンを追加して種なしの実だけできるように操作する

ブドウの実はほっておくと1kgくらいの大きな房になるが、それだと販売できないので、蕾の段階で上を切り落として実を適度な数にする。
また実の間から軸が見えていると等級が下がるので、成長途中で一つずつ実の位置を動かしてきれいに房になるように調整する。

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