東方と型月の意外な接点
「つくりものじ」というクリエイターをご存知だろうか。現在、Webで彼の名前を検索して出てくるのは、間違いなく「スクリプト・演出担当」という肩書だろう。
『Fate/stay night』及び続編の『Fate/hollow ataraxia』、『魔法使いの夜』の演出とスクリプトを担当している。
ギャルゲ(ノベルゲー)界隈に大きな衝撃をもたらした、業界を変えた作品たちの演出を担当している。この演出は素晴らしいもので、かくいう自分も大きく影響を受けている。最初のノベルゲーがFateだったせいで、他のノベルゲーの演出がしょぼく見えてしまい、Fate意外のノベルゲーを認められない時期があったり…
が、今日話をしたいのは、彼の演出家、スクリプターとしての仕事ではなく。「イラストレーターとしてのつくりものじ」を語りたい。
東方の絵師としてのつくりものじ
つくりものじ氏のイラストで一番有名なものと言えば、へたれセイバーなど、いわゆる「つくキャラ」と言われているものである。タイガー道場とかで見るやつ。
これもこれで可愛いのだが。
このイラストについて話をしたいわけではない。
東方求聞史紀という本をご存知だろうか。
東方Projectの初の公式設定資料集である。実は、この本に収録されているイラストの一部をつくりものじ氏が担当しているのだ。掲載されているイラストレーターの絵はどれも素敵なものばかりだが、個人的な好みとしてはつくりものじ氏のイラストはダンチで好きだ。
キャラの構図だったりとかも、ただの立ち絵って感じじゃなくてセンスを感じるのだが、何よりも表情。すごく自分のイメージする東方キャラと合致した表情を描くのだ。このルーミアの表情とかたまらん。
そんな中でも、自分が一番好きなイラストを紹介したい。主人公である博霊霊夢のイラストだ。
ポーズ、表情、どれをとっても100点満点のイラストだ。
このイラストのお陰で、博霊霊夢の好感度は大きく変わった。ニコニコでよく見るキャラ、から大好きなキャラに変わった。
楽園の巫女として、天真爛漫・自由奔放に動き回り、異変を解決していく彼女らしい表情だと思う。割りと「人生で好きな1枚の絵」ランキングで上位にランクインする。
東方と型月の意外なつながり
東方ProjectとTYPE-MOONといえば、当時も今も、同人世界を二分する最大勢力である。その両者の意外なつながりがここにあったことに驚いた。ジョブズとビル・ゲイツが一緒に仕事していた時期があったという事実を知った時のようなワクワクがある。
特に、人気キャラが割りとつくりものじ氏によって描かれている。霊夢を始め、魔理沙、咲夜といった主人公格は彼のイラストだ。それまで東方作品との接点はほとんどなかったはずなのに。
ZUN氏なりに、彼のイラストセンスに期待するところがあったのだろうか。あるいは、同じくゲームのプログラミングをする者同士、仲がよく、彼のイラストを日の目を浴びさせてあげたい、なんて気持ちもあったのかもしれない。それくらい素晴らしいイラストだ。
まぁ我々には本当の理由は推測することしかできないが。
つくりものじ氏は最近表に出ていないが、またいつかこんな素敵なイラストを見られることを楽しみにしている。
以上!
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