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色々あった日本ダービー

日本ダービーに行ってきた。

実はずっと行ったことなかった日本ダービー。『みどりのマキバオー』を読んでからずっと憧れは持っていた。が、色々と機会がなく、行けず。
ついに念願の初参戦となった。G1レースの参加はゴールドシップの引退レースだった15年の有馬記念以来で約7年ぶり。

自分はどのくらい競馬が好きかと言うと、いわゆるライト層。普段は、GIレースの日に暇だったら、ネットで1,000円くらい馬券を買うくらい。やはりレース場まで行くとなると、誰かと一緒じゃないと行けない。

以外と会社の人で競馬好きが多いということで、競馬好きのメンバー集めて行ってみた。


イベントごとだよね、G1レース

11時半くらいに東府中駅で後輩と合流し、昼飯でうどんを食べてから競馬場に。13時前くらいなのに、すでに人でごった返していた。人混みがすごい。一瞬で貧弱回線のソフトバンクはスマホが繋がらなくなっていた。

やっぱり競馬場の何が楽しいって、この人混みと熱気。レース中に飛ぶ怒号と歓声を感じてなんぼだと思う。快適にお金を稼ぐことだけ考えるなら、絶対にテレビで映像を見ながらネットで購入が効率が良い。


しかし、行く度に思うけども、JRAは見事に競馬の悪いイメージの払拭に成功している。ワンカップを持った小汚いおじさんたちが集まる場所だったろう競馬場が、若者のカップルや家族連れが集まる場所に変身している。

お金をかけて競馬場をきれいに改修し、入場券を導入、ダービーのような大きなレースにはネット予約制にすることで、おじさんたちを上手く締め出しているのだろう。適応できない人は、WINSで買ってくださいねと。

時代が変わって少しさみしくもあるが、競馬という文化自体が残っていくことは賛成だし、このたくましさと行動力はすごいと思う。


本番レース前に流れる熱いPV、VIP席には長澤まさみ、本当にイベントって感じの演出。やっぱり競馬はレース本番よりも、その前段階で予想したり、こうした演出で気分を高めていくスタートまでの時間が一番楽しい。

最後にはファンファーレが鳴り響き、レースはスタート。沸き起こる大観衆の声。G1レース来てよかったと思える瞬間だ。


トラブルと、悲劇と

3番人気、皐月賞2着の馬が1着と、結果としてはそれなりに固いレースにはなった。個人的には、大逃げしていた16番を夢馬券として買っていたので、1人で前半から大興奮していたのだけれど。

しかし、実はスタート直後から落馬が発生というトラブルがあった。波乱のスタートを切ったものの、レース開始直後、馬群が形成される前段階での落馬ということで、騎手に大きな怪我もなさそうだったので、大きな影響はなかったが。

この落馬と、割と混戦したレースということで、皆(少なくとも自分がいたゴール前付近)の人たちは、レース後の最大の悲劇に気づいていなかった。
判定を待って、着順が確定したら、みんなせっせと撤収し始めていた。


そのレース後最大の悲劇とは、2番人気であったスキルヴィングが、ゴール後に急性心不全で死去していたことだ。

自分が知ったのは恥ずかしながら、レース後、会社の人たちと飲み会をしていたタイミング。
友人からのLINEで知った。トイレでLINE見たら、スキルヴィング大丈夫?って来ていて、何事かとTwitterで急ぎ検索した。

割りと衝撃的な倒れ方をしていたし、G1レースでああいった事が起きるのは珍しい気がする。


そして、その場で飲んでたメンバーにこの衝撃的な事実を共有したのだが、割と競馬に対しての考え方の違いが露骨に反応に出ていたと思う。

競馬をギャンブルとして楽しんでいる人は、そんなにショックを受けていなかった。むしろ、そいつはスキルヴィングを軸に2,000円くらいかけていたので、その悔しさもあったのだろうが、「だから来なかったのか~」とレース展開のコメントになっていた。

一方で、競走馬、競馬というコンテンツが好きなメンバーは、割と落ち込んでいた。さっきまで楽しくお酒を飲んでいたのに、若干酔いが冷めるくらい。それくらい、割と衝撃的な映像と結末だった。


「競馬は、ひとりで走るもんじゃない」
『みどりのマキバオー』でピーターⅡがまだ幼いワクチンに対して言い放った名言だ。

『みどりのマキバオー』ピーターⅡの言葉より。

騎手、調教師、馬主、ファン。みんなの思いと期待を背負って、競走馬は走っている。色んな人たちの、様々な思いが馬に込められている。

その全てが、あの一瞬で消え去った。そのことを想像すると、なんとも言えない気持ちになる。
何というか、生命を使ってギャンブルをしているという、当たり前の事実を思い起こさえる出来事だったと思う。


最後の結末は少し悲しいことになったけれども、90回目のダービー、本格的にコロナから復活したダービーということで、非常に楽しかった。みんなで馬を見ながら密集して、歓声をあげる。お金をかけて必死になって応援する。

そんな競馬の楽しさを改めて感じられた1日だった。

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