見出し画像

アーティストとの距離感近いの、最高だね

昨日、SPEEDERーXというバンドのライブに行った。

RIZE、Dragon Ashなどの大御所バンド始め、様々なバンドで活躍する凄腕ベーシストのKenKenと、元Blankey Jet Cityの中村達也の2人組のバンド。そう、ベースとドラムだけのバンドなのである。しかもすべて即興で、このバンドの曲というのは1曲もない。ゲストもベースという…本当に好きなことやってます、って感じのライブだった。

元々KenKenは化け物みたいな上手いベーシストとして、昔から知っていた。

ベースプレイだけじゃなくて、ロックだけども優しい人柄が大好きだった。一度、薬のせいで表舞台にはあまり出てこなくなってしまったが、相変わらずの天才。

そして、中村達也が所属していたBlankey Jet Cityは、高校生のころに死ぬほど聞いていたバンド。日本のバンドで一番好きなバンドのドラマーだった。


要するに好きな人×好きな人のライブなわけだ。ベースとドラムのみというチャレンジングな構成に少しビビって行くのはかなり迷ったけども。

演奏は最高だった。天才2人が、ひたすらに音で遊んでいる、という表現がぴったしなライブ。どうして即興であんなにカッコいいフレーズや、バッチシな音合わせができるんだろうか。もうあの演奏は言葉でグダグダ語ってもしょうがない。見てくださいとしか言えない。


今日語りたいのは、演奏そのものよりも、演者との距離の近さについて。すごく久しぶりに「ライブハウス」といえる小さい箱でのライブに行ってきた。やっぱり音楽は小さい箱で聞くものだな、と改めて思った1日だった。音が良い、というのもあるが、演者との距離感の近さというのは、ライブを楽しむ大きな要素だと再実感した。

まず、仕事終わりに突発的に行ったので、少し遅れて到着した。約10分くらい遅れて会場に入る。すると、「ごめんねー」と言って長髪で高身長の人が自分の横をすれ違う。
「どこかで見たことある顔と服装だな…すごくKenKenっぽいけど、服装真似たファン…?」と思った。
だってもう開演時間すぎてるんだもの、入口ですれ違うとは思わない。

そして受付を済ませ、会場に入る。中はレストランとステージがくっついているような構成で、ブルーノートの小さい版みたいな感じ。演奏は始まってない。あれ、って思うと、後ろからさっきの人が来て、カウンターでお店の人と談笑している。それをまじまじと見て思う。「KenKenじゃん!」と。

フツーに、客席で突っ立っている。確かに、小さい箱で複数人演者がいる場合は、無いこともないシチュエーションだけども、バリバリのプロが、かつてはドームとかを埋め尽くしていたような人が、そんなラフに客席にいるとは思わないじゃない。

そして、中村達也が楽屋からフラッと登場すると、KenKenも「よっこいしょ」って感じで客席の間を通り抜け、ステージに登る。客席にいるときは、バンドマンの兄ちゃん、って感じだった。ステージにあがり、演奏が始まると、一瞬でプロのベーシストの顔になる。最高にしびれる瞬間だった。最初からプロじゃなくて、一瞬でプロの顔になるあの魅力。


前半の演奏が終わり、休憩タイムに。休憩が終わり、後半はZAZEN BOYSなどで活躍している、miyaがライブに登場。KenKenは登場せず、中村達也と2人で演奏をしていた。

いい演奏するなーと思って見ていると、後ろから「いいねぇ!」と聞こえたことがある声が。振り返ると、前半のステージでプレイしていたKenKenが普通に酒を飲みながらステージを見ている…
最高にロックだった。彼も結局音楽バカで、自分の好きなプレイヤー同士の演奏を、酒を飲みながら楽しみたかったのだろう。プレイヤーとしてではなく、人間としてのKenKenがそこにいた。こういうのもライブハウスならでは。


そんなこんなで、演奏も、その演奏をプレイする彼らの人間性みたいなものもほんの少し見ることができたライブだった。やっぱり距離が近いって良い。スペシャル感と親近感が交互に来る感じ。そして、観客とアーティストが一緒に熱狂していく感じ。全部、ライブハウスじゃないと体験できないんだよなぁ。

そんな、ライブ日記でした。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?