貘の夢(詩ver.)

才能の無さを嘆いて爪弾くは夕立
沈み揺蕩う現実は最も浅い陽の水際(みぎわ)
浮遊する夢は深く濃い雨霧(あまぎり)の中
捕らえるための枷を握って
わざわざ自分に囚われる
暗くなるまでゆっくりと
皆(みな)が寝静まるまでひっそりと
才の芽を奪うように
才の蕾を嫉むように
自分の現実を売払って他人(ひと)の夢を渡り歩く悪夢を見せる貘はそれも才と己を呪う

業の深さを知って荒ぶるは朝霧
光を纏う己の影は濃ゆい雲に映って水彩
虚空あく自(おの)の眼は浮き沈む浅い微睡み
籠を蹴破り自由を見ても
未だ鎖は断ち切れぬと気付かぬまま
薄明かりの中ゆっくりと
誰かが見つけるまでひっそりと
才の芽を育てるように
才の蕾を守るように
自分の現実を売払ってそれを元手に夢を紡ぐ
悪夢に抗う貘はそれも運命(さだめ)と己を嗤う

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