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第499回『「さん」で呼び合う現場の実践から生まれた回復期リハビリテーション』初台リハビリテーション病院石川誠先生

訪問介護の株式会社でぃぐにてぃ代表吉田です。

でぃぐにてぃの今を伝えるブログ第499回。

6/23(金)『「さん」で呼び合う現場の実践から生まれた回復期リハビリテーション』初台リハビリテーション病院石川誠先生
毎回学びが深い国際医療福祉大学大学院の講義も中盤。

長嶋茂雄さんが入院したことでよく知られる初台リハビリテーション病院理事長石川誠さんから『「さん」で呼び合う現場の実践から生まれた回復期リハビリテーション』というテーマで1時間半、高名なDrとは思えないとても気さくな語り口で熱いお話をうかがいました。

私は19歳の頃障がいを負って2年近くリハ病棟で暮らしていました。大変な思い出もあるけど、やんちゃして楽しいこともたくさんあった中部労災病院。そんなリハ専門病棟を日本で創られたのが石川先生!

初台リハビリテーション病院退院の患者様を今私たちがお世話させていただいていたり・・

間接的にではあるけれど大変お世話になっている方だと勝手に敬愛の念を持ってお話をうかがいました。

『石川先生の歴史』

石川先生は群馬大学ラグビー部医学科卒(?)「One for all ,All for one」が座右の銘。

1975年:佐久総合病院で若月先生から「地域医療という言葉は本来ない、すべての医療は地域医療だ」と教わる。気管切開で退院した患者さん、電気掃除機で喀痰吸引した!

1978年:虎の門病院分院
当時の日本では画期的な早期離床と自立支援を実践していた。

・食事は椅子に座って
・排泄はトイレで
・お風呂、特殊浴槽ではなく一般浴槽で

しかしリハビリテーションは当時非採算部門・・病院に内緒で活動、往診していた。

1984年:リハビリテーション病院は温泉地ではなく都市に必要と学ぶ。
○医師生活13年で、3つの課題が浮かび上がった。
・リハ医療サービスの充実と普及。
・真のチームアプローチの追及(他職種連携)
・在宅ケアの充実と普及。

1986年:高知県の近森病院
600症中120床寝たきり状態+リハに無関心な医師・看護師⇒徹底的な改革、まずベットを患者さんが動くために低く切った!それまでは看護介助がしやすい高さで設定していた。

1989年:近森リハビリテーション病院=日本初のリハ病院
「少ないスタッフによるケア体制⇒廃用症候群⇒寝たきり」の負のサイクルを患者の尊厳の維持が困難。チームアプローチを強化して365日リハ体制実施!

1997年:在宅総合ケアセンター近森
・すべての職種が同じ部屋で動いた。
・急性期から回復期・維持期まで一貫で診られるようになった。「近森病院(急性期)⇒近森リハ病院(回復期)⇒在宅ケアセンター近森(維持期)

○その頃東京都心部は・・あまり発展しないリハ医療『何としても回復期リハの病院を都心に』

2002年:初台リハビリテーション病院
理念は・・
『「人間の尊厳」の保持』
『「主体性・自己決定権」の尊重』
『「ノーマライゼーション」の実現』
病院らしくない病院を目指して!

○食を大切に!
・365日3食選択メニュー
・和洋中の各調理師
・病棟横にパントリー(調理場)
・熱すぎる食事を提供

○チームアプローチのための組織のフラット化
・ユニフォームの統一⇒全職種
・職員は職位に関わらず全員「さん」付け
・全職種が同じ言葉で話す
・全職種よこならびの組織図

○初台リハビリテーション病院のケア
・介護+看護で1対1.5人の人員配置。
・朝830ミーティング 、夕17ミーティングは全員参加
・リハ病棟ではモーニングケアとイブニングケアが生活動作自立に重要
・7時から8時の人員配置を手厚く。
・リハ職が排泄・更衣もやるから状態がわかる。
・日中は普段着に着替えていただく
・病棟の日常動作こそが大切なリハビリ


『私の学び』

○体に適合した車椅子を使用する理由として
石川先生「人の眼鏡をかける人はいないでしょう?」
確かに車椅子の良し悪しは障がいのある人のQOLには決定的に大事!お客様にも積極的に車椅子変更を提案せねば。

○石川先生は常に今までなかったサービスを創り続けられている。私たちもまったく新しい障がい者の涯包括支援モデルを創らねば!

○最後に私からの質問に答えていただきました!

私のQ:医療職・看護師に比べて教育期間が非常に短い介護士
どうやって「同じ言葉で話す」ことが出来るようにしていったらいいですか⇒

石川先生のA:「これは僕の夢だけど同じ場で働く経験を介護士(全職種)に持ってもらえる機会を創りたいんですよ。同じ場で毎日耳にしているうちに自然と学べるでしょうから」⇒

石川先生のお答えをうかがって感動しました!医療⇒看護⇒介護をピラミッド構造のように捉える雰囲気もまだまだ残るなか全職種フラットに患者さんの生活主体で考える石川先生のたたずまいが格好いい!

石川先生、介護士を研修していただける機会があればぜひ、私たちでぃぐにてぃも学ばせてください!素晴らしいお話に勇気付けられました!ありがとうございます!

次回をお楽しみに。

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