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「みんなにとって永遠に新鮮なアルバムであってほしい」 Hitmakaとのコラボアルバム第2弾をドロップ! Eric Bellinger - 1-800-Hit Eazy: Line 2 (2023)

ソングライターとしてキャリアをスタートさせたEric Bellinger(エリック・ベリンジャー)は、ジャスティン・ビーバートレイ・ソングスザ・ゲームなど数々のアーティストの作詞を手掛けてきました。
2015年には共同作曲したクリス・ブラウンのシングル「New Flame」がグラミー賞「ベストR&Bソング」にノミネートされるなど、その実力は高く評価されています。
また、彼自身もシンガーとして8枚のソロアルバム、10枚のミックステープをリリースしており、2021年にはアルバム「New Light」でアーティストとして初めてグラミー賞にノミネートされました。

2021年には、彼がプロデューサーHitmaka(ヒットメイカー)とコラボレーションしたアルバム「1-800-HIT-EAZY」を発表しました。このアルバムは、Hip-HopとR&Bの要素を融合させた作品で、その斬新なサウンドが話題を呼びました。

そして、この度「1-800-HIT-EAZY」の続編となるアルバム「1-800-Hit Eazy: Line 2」(2023)をドロップ。

ここでは、2人がコラボレーションすることになった経緯と、このアルバムについて解説します。

レーベル  : All Wins Ent. / EMPIRE
リリース日 : 2023年2月10日
名前    : Eric Bellinger, Hitmaka
本名    :    Eric Bellinger / Eric Aldwin Bellinger Jr.
        Hitmaka / Christian J. Ward
年齢    : Eric Bellinger / 36歳
        Hitmaka / 37歳


出身地   :    Eric Bellinger / カリフォルニア州ロサンゼルス
        Hitmaka / イリノイ州シカゴ

コラボレーション実現の経緯とは

2人の出会いは、RIAAからゴールド認定されるヒットとなったJeremihTy Dolla $ignのコラボアルバム「MIH-TY」(2018)に収録されている「The Light」の制作だったようです。
その後、2人はTeyana Taylorの作品でも共同制作に携わり、1日で多くの楽曲を制作したことがコラボプロジェクトへのリリースにつながったとエリック・ベリンジャーは明かしています。

Hitmakaと初めて一緒に作ったのは、JeremihとTy Dolla $ignと一緒に作った「The Light」だったんだ。
この曲はゴールド・プラークを獲得したよ。
次にリンクしたのは「HYWI?」を作った時だね。Teyana Taylorのためにね。
その結果、またゴールドの盾を手に入れることができた。
1日5曲のセッションを何度か行った後、自分たちのコラボプロジェクトをリリースすることに意味があると考えたんだ。

アーティストへの楽曲提供をする中で、2人は相性の良さを感じたようです。Hitmakaはここ数年、TinkFrench Montanaなどのアルバムをトータルプロデュースし、アーティストから信頼を得て、多くのヒット曲を手がけています。

そうした中でリリースされた前作「1-800-HIT-EAZY」では、エリック・ベリンジャーのハイトーンな歌声と、心地よいミッドテンポのシングル「Only You」(2021)などが収録されています。

また、アルバム「1-800-HIT-EAZY」のタイトルの「1-800」とは、アメリカのフリーダイヤルのことを指します。このタイトルは、業界に影響力のある2人が、知り合いからの制作依頼を気軽に受けてヒット曲を作ることができるという意味が込められています。

※Cuffing Season 3を作ってる時に、俺たちの共同アルバムの早期バージョンから7曲を拝借しちゃったんだ。
でも幸いにも俺たちは仕事が早いんだ(笑)
曲は差し替えられ、その過程で誰も傷つかなかった(笑)
俺たちは、俺たち世代のビッグな曲を制作・作曲することで、舞台裏からカルチャーに対して大きな影響力を持っている...。
2人とも、自分や自分のアーティスト、知り合いの曲を作るために、常に人から依頼を受けている。
だから、このプロジェクトは「1-800-HIT-EAZY」と呼ぶにふさわしいね!

※(Eric Bellingerが2019年にリリースしたアルバム)

アルバムについて明かす

前作から約2年振りのリリースとなりましたが、2人のコンビネーションの良さは制作スピードにも表れており、その中でもエリック・ベリンジャーはビートのセレクトに最も時間をかけていたようです。

1曲作るのに10分くらいかかるね。
それよりも、自分たちが本当に好きで楽しいと思えるビートを探すのに時間がかかるんだ。
それが決まったら、いよいよスタートだ。
ビートをロードしたら、あとはゴールまでの競争だよ。
2人ともとても素早いし、何が欲しいか、何が嫌いかもわかっているから、とても簡単なんだ。

今作は、全14曲が収録されており、FabolousCordaeKalan.FrFrBlxstといった若手からベテランまでのラッパーに加え、TinkMuni Longと、R&Bシーンから熱い眼差しを向けられている2人もゲストに迎えています。

アルバムのオープニングを飾る「Replay This」は、前作のアルバムの1曲目「Hit Eazy」(2021)をイントロからサンプリングし、曲の最後では「Hit Eazy」をそのまま歌い上げています。

Eric Bellinger - Replay This

Eric Bellinger & Hitmaka - Hit Eazy (2021)

FabolousCordaeが参加した3曲目の「Curious」は、Hitmakaが得意とするサンプリングを生かし、D'Angelo「Lady」をネタ使いしています。

ちなみに「Lady」は、D'Angeloのこれまでのアメリカでのキャリアで最も成功したシングルで、全米チャートで10位にランクインし、1997年のグラミー賞で「最優秀男性R&Bボーカルパフォーマンス賞」にノミネートされた曲でもあります。

Eric Bellinger, Cordae feat. Fabolous - Curious

D'Angelo - Lady (1995)

12月にリードシングルとしてリリースされ、4曲目に収録された「BNB」では、曲中で女性の体型を賞賛する歌詞が含まれており、この曲については次のように明かしています。

「G.O.A.T.」と呼ばれる曲たちは、クールで楽しくてエネルギッシュな方法で女性を賞賛しているんだ。
「BNB」を新年にリリースしたのは、誰もが自分の体や新年の抱負に取り組んでいる時期だから、理にかなっていると思うんだ。
この曲は、体を鍛え、ジムに通い、仕事に打ち込むためのアンセムにしたかったんだ。
みんながジムに通っているわけではないので、ちょっと物議をかもすかもしれないけど(笑)
でも、新しい体のために何をするにしても、俺は君を批判しないよ! (笑)

Eric Bellinger - BNB

このアルバムの最初のリードシングルである7曲目の「Obsession」には、アルバムの最後にMuni Longによるリミックスが収められており、昨年大ブレイクした彼女を起用することに意味があるとエリック・ベリンジャーは考えていたようです。

インターネット上で「R&Bは死んだ」という話が交わされていたんだけど、彼らを黙らせるため「R&Bは今も生きている」と言いたかったんだ。
今年のR&Bソングをドロップして、Muni Longをフィーチャーしたんだから、そんな発言は通用しないぞ!ってね。(笑)
ラップアーティストは、ますます多くのプラットフォームでアピールできるようになっていて、ラップの曲はR&Bの曲よりずっと簡単に人気を集めることができる。
ラップの曲はクラブでも聴けるし、ラジオや他の様々な場所でも聴かれやすい。
一方、R&Bは良い曲にするために、本当の意味での後押しやブラッシュアップ、こだわりが必要で、アーティストやレーベル側からもそういった磨きが必要なんだ。
この曲が本当に輝くためには、数が揃う必要があるんだ。

Eric Bellinger - Obsession

Eric Bellinger feat. Muni Long - Obsession (Remix)

8曲目の「Sum 2 See」は、西海岸を拠点に活躍するBlxstをフィーチャーしたスローナンバーで、エリック・ベリンジャーがアルバムの中で1番気に入っている曲だと話しています。

この曲はアルバムの中で一番のお薦め曲だ。
他の曲が嫌いでも、この曲はとてもキャッチーだから好きになるはずだよ。
この曲にはMVもあり、視覚的にも楽しめる
そして「ああ、これは本物の曲なんだ」と実感できる。
しかも俺の長年の友人であるブラザーのBlxstが参加しているんだ。
彼が音楽を発表する前から、俺とBlxstはロックしていたんだ。

Eric Bellinger, Blxst - Sum 2 See

おわりに

エリック・ベリンジャーは、プロデューサーとソングライターの視点から、自身の新作アルバム『1-800-HIT-EAZY Line 2』にゲストを配置する際、各曲にぴったりのアーティストを選び抜いたと言っています。音楽シーンを熟知している2人だからこそ可能な、確かなチョイスであったとのことです。

それぞれの曲にふさわしい人たちを選んだんだ。
この曲を聴き返しているときに「この音は誰に似ているかな」とか「この曲で本当にいい感じになるのは誰だろう」と考えていたんだ。
特にMuni Longは「Hrs & Hrs」のリリース後で、R&Bの流れを汲んでいて「Obsession」にぴったりだった。
Kalan.FrFrは「2」という数字を中心に活動していて、彼の曲は「2 Bad」のようなレーンにぴったりとあっている。
Blxstは長年の友人で、彼が曲をリリースする前から一緒に仕事をしている。
「Sum 2 See」を送って「この曲に参加して欲しい」と言ったら、彼はツアーを終えてからやってくれたよ。
そしてTinkが帰ってきて「Im Tryin」を歌い切ってくれた。

また、彼はR&Bの名盤になぞらえて「みんなにとって永遠に新鮮なアルバムであってほしい」とアルバムへの思いを打ち明けています。

このアルバムが、誰にとっても永遠に新鮮であることを願っている。
Brandyの「Full Moon」、Usherの「Confessions」、Jagged Edgの「J.E. Heartbreak」を思い出すとき、このアルバムは永遠に新鮮であり続けるだろうね。
アルバムには日付がないものもある。このアルバムはその一つだと思うよ。
なぜなら、今の感覚を持ちながら、クラシックな(サウンドを)取り入れることができたからね。
フィーチャーからサンプルに至るまで、本当にドープだよ。

大ネタをサンプリングしたとはいえ、彼らはリスペクトを忘れず、過去の名曲をより洗練されたモダンなサウンドと融合させることで、自分たちならではの味わいのある作品を生み出しました。

また、エリック・ベリンジャーは2月のシアトルを皮切りに、3ヶ月で32公演の全米ツアーに挑戦中で多忙を極めていますが、今回のアルバムが終わりではなく、続編を発表する意向を示しており、今後も続く2人のケミストリーに注目が集まっています。

俺が100万曲持っていて、100万曲リリースできると言ったら、Hitmakaはやってのけてしまう。
俺ら2人が組んだら、本当にクレイジーになるんだ。
パート1をリリースした時は「あ、これパート2に使おう」っていう曲が100万曲あったんだ。
今、パート2をリリースしたけど、泣く泣くこのアルバムに入ってない曲もあるんだ(笑)
言いたいことは、同じくらいクレイジーで、シングルにふさわしい曲も中にはあるってことね。
間違いなく、ライン3があるね。


今回紹介した楽曲のDJプロモーション音源はこちら⬇️⬇️⬇️

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