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日本人の母を持つ、現在大注目のUSシンガーUMI(ウミ)とは?

母方の祖父が日本人であるシンガーJhene Aikoや、日本人の母の元で生まれ育ったJoyce Wriceなど、近年のアメリカの音楽シーンでは、日本にルーツを持つアーティストが活躍しています。

シアトル出身の23歳のシンガー、UMI(ウミ)もそんなブレイクが期待される1人で、先日デビューアルバム「Forest in the City」(2022)をリリースしました。

ここでは、まだあまり知られていない彼女のこれまでのキャリアについて振り返ってみたいとと思います。

レーベル  : Keep Cool Records, RCA Records
リリース日 : 2022年5月26日
名前    : UMI
本名    :    UMI / Tierra Umi Wilson
年齢    : 23歳


出身地   :   ワシントン州シアトル

ミュージシャンとしての出発

1999年にシアトルでアフリカ系アメリカ人の父と日本人の母の間に生まれたUMIは、母親から日本語の読み書きを教わり、4歳からリリックを書き始めたそうです。

音楽はいつも自分の延長線上にあるような気がするの。
小さい頃からずっと歌っていたわ。
でもステージ恐怖症だったから、家族以外には私が歌っていることを知らないの。
4歳のときから曲を書いていて、そのころの日記も持っているわ。
高校生の時は音楽をやりたかったけど、人前で歌うのが怖くてYouTubeチャンネルを始めたの。

その後、高校生の時にYouTubeやSoundCloudでカバー曲をアップするようになったのですが、著作権に縛られていることを知り、自分のオリジナル曲の制作をするきっかけになったと明かしています。

それから高校時代の4年間は毎週カバー曲をやっているような子だったの。
そのカバーをSoundCloudにアップし始めたら、著作権でフラグが立つようになったわ。
2ストライクになったとき、私はこう思ったの。
"これは宇宙が私にオリジナル曲を出し始めろと言っているんだ" ってね。
それから、自分の日記から何曲か抜き出して、自分でプロデュースしたり、ギターを弾いたり、それをSoundCloudやYouTubeにアップしたりして、時間をかけて成長してきたわ。
母はピアニストで、父はドラマーだから、音楽はいつも家族の中にあるの。

キャリアのスタート


こうして本格的にオリジナル曲の制作に乗り出した彼女は、本名のTierra Umi WilsonのミドルネームからUMIをとってキャリアをスタートさせます。

名前にはその人の性格を表す意味があることもわかってきたわ。
私の性格は海に似ているから、母が『海』を選んでくれて本当に良かったわ。
音楽を作っていても、海のさまざまな部分を持ち合わせている自分が見えるの。

5曲のシングルを発表し、そのうち「FRIENDZONE」(2017)は、Spotifyのプレイリスト『Fresh Finds Best of 2017』に入るなど、徐々にその名を知られるようになりました。

UMI - FRIENDZONE (2017)

2018年、ウミは4曲入りのデビューEP「Interlude」をリリースし「Midnight Blues」はYouTubeで260万再生されています。

UMI - Midnight Blues (2018)

また同年に発表したシングルRemember Me」(2018)は、ブルーノマーズアンダーソンパークのユニット、Silk Sonicの制作を手掛けるD’Mileがプロデュースしており、YouTubeで3300万再生を記録しています。

"Remember Me" は私の友人の経験で、私はとてもディープに感じたし、彼女のために曲を書いたようなもので、私もまるで同じ経験をしたように感じたわ。
みんな本当に知らないんだよね、誰があなたの心を傷つけたのかって。
誰かが私の友人を傷つけたんだ。ただ、その事を私は深く深く感じたの。

UMI - Remember Me (2018)

ミシェル・オバマのプレイリストに選ばれる


続けて翌年にEP「Balance」(2019)をリリースし、収録曲の「Down to Earth」は、2020年にオバマ元大統領の夫人ミシェル・オバマが発表したSpotifyのプレイリストに選出されました。
その効果は抜群で、これで一段と知名度を上げました。

UMI - Down to Earth (2019)

日本語を使用した曲をリリース!

精力的に制作を続ける彼女は、同年にEP「Love Language」(2019)をリリース。
これには、日本語詞を使用した「Sukidakara」(好きだから)が収録されており、この作品について彼女は次のように明かしています。

愛はバブリーで新しく『Love Affair』のように少し混乱することもあるわ。
『Sukidakara』のように、憧れと無邪気さから来ることもあるの。
愛は『Runnin』のようにバランスをとるのが難しく、伝えるのが難しい場合もあれば『Breathe』のように内省的で癒される場合もある。
私が感じてきたこのような感情、そしてこのEPは私の思考日記のようなものなの。
様々なジャンルの音楽、様々な文化から影響を受けているから、それぞれの曲のサウンドは異なるけども、愛というテーマで結ばれているわ。

UMI - Sukidakara (2019)

続く2020年には6曲入りのEP「Introspection」をリリース。
YouTubeで公開されたライブパフォーマンスは、生演奏で彼女の世界観に引き込まれる映像になっています。

Introspectionは、私の心の中、私の脳がどう鳴っているかを見るものなの。
今、私たちはかつてないほど、内観することを求められているわ。
私は、自分自身とリスナーの両方にIntrospectionを呼び起こすことを意図して、このプロジェクトを作ったの。
Introspectionは、この1年間の私の内なる旅を反映したもので、私の成長を体現したものよ。
このプロジェクトのサウンドは、私のすべてを映し出しているの。

UMI - Introspection Live Show

2021年に発表したEP「Introspection Reimagined」は、シンセサイザーやLogicなどのソフトを使用せずに制作され、生演奏にこだわったとUMIは話しています。

今までのプロジェクトは全てPCを使って制作してきたの。
シンセやLogicのようなDAWを使って音楽を作ってきたけど、このプロジェクトはすべてが生演奏なんだ。
聴こえてくる音はすべて人間が触ったもので、人が生み出してて、そんなことは今までしたことがなかった。
他の曲はレコーディングして、いろいろなテイクを組み合わせて完璧な曲を作ることができるけど、今回は一回きりのチャンスだから、ある意味、私のコンサートに来ているような感覚になるわね。
またこの曲のユニークな点は、サウンド面にもあると思うわ。

UMI - Introspection Reimagined (2021)

今後の目標


2020年、ウミは冒頭で紹介したJoyce Wriceとのシングル「That’s On You (Japanese Remix)」をリリース。
この曲は、日本語をベースに英語のリリックをミックスしたもので、2人のソウルフルな歌声が日本のオーディエンスから注目を集めた1曲となりました。

Joyce Wrice feat. UMI - That’s On You (Japanese Remix) (2020)

また今後の目標について、ウミはプロデュースを学ぶこと、さらに音楽を探求していくことを明かしています。

もっとプロデュースを学びたいし、もっとギターを弾けるようになりたい。そして、もっと生きていたいわ。というのも、プロジェクトに参加するたびにプロジェクトに没頭し、3~4ヶ月間スタジオや自分の部屋にこもって集中するような感じになってしまうから。
少し音楽をやらずに外に出て、またたくさん音楽をやりたいと思っているわ。

おわりに


さて、今回楽曲をおさらいしながら、UMIをざっとご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。
日本ルーツというバイアスを抜きにしても、彼女の素晴らしい歌声とミステリアスで謎めいたフローに、多くの人が魅了されると思います。
ますますこれからの活躍に期待したくなりますね!!

ぜひ皆さんも、最近発売された彼女のデビューアルバムを聴いて、応援してみてはいかがでしょうか?

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