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前作に続き全米アルバムチャート1位を獲得!! Lil Baby - It's Only Me (2022)

デビュー・アルバム『Harder Than Ever』(2018)で全米チャート3位を獲得し、ラップ界に颯爽と登場したLil Baby(リル・ベイビー)。

同アルバムからのドレイクとのシングル「Yes Indeed」は自身初の全米トップ10入りを果たし、同年、ガンナとのコラボミックステープ『Drip Harder』からのシングル「Drip Too Hard」(2018)はグラミー賞に初ノミネート。

翌2020年にはセカンド・アルバム『My Turn』を発表し、自身初となる全米チャート1位を獲得。リード・シングル「Woah」(2019)がクラブ・ヒットとなり、デラックス・エディションに収録されたシングル「The Bigger Picture」は、ジョージ・フロイド事件を受け、ブラック・ライヴズ・マターの抗議運動と相まって、全米および海外の Apple Musicチャートで1位を獲得、グラミー賞にも2部門でノミネートされました。

翌年には、シカゴのラップスター、リル・ダークとコラボしたアルバム「The Voice of the Heroes」(2021)をリリースし、全米チャートで2作連続1位を獲得。

ここでは、リル・ベイビーの2年ぶりとなるソロ・アルバム「It's Only Me」(2022)について解説します。

レーベル  : 4PF, Motown Records, Quality Control & The Wolf Pack
リリース日 : 2022年10月14日
名前    : Lil Baby
本名    :    Lil Baby / Josiah Armani Jones
年齢    : 27歳


出身地   :    ジョージア州アトランタ

リリースに至るまで

2020年3月、ランボルギーニを所有しているラッパーだけをフィーチャーしたミックステープ「Lamborghini Boys」を、60日後にリリースすることをInstagramのライブで表明したリル・ベイビー

俺はこのヤベェのを売らなきゃならない。
60日後にミックステープをドロップするつもりだ「Lamborghini Boys」。
ランボルギーニを持っているラッパーだけをフィーチャーしたんだ。

しかし、パンデミックの影響で、このミックステープの制作が思うように進まず、最終的にはお蔵入りとなったようです。

これは実際に動いていたプロジェクトで、COVIDは俺を混乱させた。
みんなの元に行って曲を作らなければならなかった。
ただ曲を送るだけじゃダメだ。
みんなと一緒になって、曲を作りたかったんだ。

2021年には、前述のLil Durkとコラボアルバム「The Voice of the Heroes」をリリースしたほか、Kanye Westのアルバム「Donda」DJ KhaledDrakeの作品にゲスト参加するなど、多くの客演業に勤しんでいたようです。

2022年に入り、リル・ベイビーニッキー・ミナージュの2枚のシングル 「Do We Have a Problem?」「Bussin」にフィーチャーされ、4月にソロシングル 「In a Minute」(2022) をドロップ。
エリー・ゴールディング「Don’t Say a Word」をサンプリングしたこのシングルは、R&B/ヒップホップ・チャートで初登場5位を記録。
この曲で、リル・ベイビーは全米シングルチャートへ延べ100作がエントリーした事となり、これまでJustin Bieberが保持していた同チャートの最年少記録を更新しています。

Lil Baby - In A Minute (2022)

Ellie Goulding - Don’t Say a Word (2012)

その後も、エド・シーランのシングル「2Step」や、DJ キャレドドレイクのシングル「Staying Alive」へゲスト参加し、10月にアルバムからのセカンドシングル「Heyy」をリリース。

Lil Baby - Heyy (2022)

アルバムは80曲以上の候補から選曲?

曲の選定について、80曲近くが候補に挙がったことを明かし、そして自分の急激な変化がそのままリリックに現れたと話しています。

たくさんの曲から選べたんだ。
それで結局たくさん選んだんだけど...80曲くらいかな。
自分のキャリアにおける位置や物事の変化の速さを考えると、僕はもう完全に別人なんだ。だから、歌詞の中にも、大きく変化した部分を聴くことができたんだ。

アルバムはフューチャーヤング・サグジェレマイプー・シースティナルド・ウィックなどのラッパーをゲストに迎えています。

3曲目「Pop Out」では、トランジションによって複数のビートが使用され、ゲストにはXXL誌の「Freshman Class 2022」に選出されたナルド・ウィックをフィーチャーしています。

Lil Baby, Nardo Wick - Pop Out

5曲目の「California Breeze」では、ドレイクミーゴスのヒットソングを手掛けたマーダ・ビーツが手掛けており、マーダ・ビーツはこの曲を含め、今作で4曲をプロデュースしています。

また、この曲はデンマーク出身のシンガーココ O.「Gwen」(2021)をサンプリングしており、カリフォルニアの海風を感じさせる1曲となりました。

バックのハーモニーが「California Breeze」と言っているような感じだった。そうではないのに、なぜか聞こえてきたんだ。
L.A.でレコーディングしたから、それも理由かもしれないね。

Lil Baby - California Breeze

Coco O. - Gwen (2021)

https://genius.com/artists/Fridayy
8曲目「Forever」には、フィラデルフィア出身のシンガー兼プロデューサーフライデイがゲスト参加。
ギベオンを彷彿とさせる、まるで加工したかのような唯一無二の歌声を持つFフライデイは、DJ キャレドのアルバム「GOD DID」(2022)のアルバムタイトル曲に抜擢され、これまでにクリス・ブラウンレイ・シュリマーをプロデュースしてきました。

Fridayy

Lil Baby feat. Fridayy - Forever

その他にも、トラビス・スコット「Sicko Mode」を手掛けたテイ・キースフューチャーによる「From Now On」や、ビートがクセになる「Not Finished」リル・ベイビーの疾走感溢れるラップが光る「Danger」などが収録されています。

早くも全米チャート1位を獲得!

今作は、デビュー週に2億8000万回以上のストリーミング、アルバム換算で21万6000枚を記録し、早くも全米チャート1位となり、冒頭で触れたLil Durkとコラボアルバム「The Voice of the Heroes」に続く6作目のトップ10入り、3作目の全米No.1アルバムとなりました。

また、前作「My Turn」はデラックス盤をリリースした際に、再び全米チャート1位になりましたが、今回のアルバムについてはリル・ベイビーはデラックス盤をリリースしない方向で考えていると明かしています。

デラックスをやろうとは思わない。
俺はただあのアルバムに身を任せようと思っている。
とにかく続けて出したいんだ。
長く待たせていたから、これ以上引き伸ばしたくないんだ。
「It's Only Me」で全部出し切ったから、また次のアルバムを出すよ。

と、次のアルバムにすぐ取り掛かる事を示唆したリル・ベイビーですが、
彼のこれまでの人生とキャリアを描いたドキュメンタリー映画、「Untrapped: The Story of Lil Baby」がアマゾンプライムにて配信されており、彼の幼少期やドラッグディーラーとしてラップを始める前の映像が収められていて、好評を得ています。

流石の売れっ子らしく、いろんなメディアに引っ張りだこですね。
今回のアルバムが刺さった人はこの映画で、彼のことを掘り下げてみるのも一興かもしれません。


今回紹介した楽曲のDJプロモーション音源はこちら⬇️⬇️⬇️

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