見出し画像

POPなジャケットとに隠された意味とは!? Freddie Gibbs - Big Boss Rabbit (2021)

画像1

アンダーグラウンドHip Hopシーンで絶大な人気を誇り、ソウルフルでジャジーなビートが特徴的なプロデューサーMadlib
今回紹介するFreddie Gibbsは、Madlibとのコラボレーションアルバム「Piñata」(2014)で今までの彼とはテイストの違うアングラなトラックとケミストリーし、Freddieの内に眠っていた才能を引き出された形で注目を浴びました。

また2020年にはKendrick LamarやEminemといった、ラップスターを数多く手掛けているプロデューサーThe Alchemistとコラボレーションアルバム「Alfredo」をドロップ。

この作品は評論家からの高い評価を得て、グラミー賞「Best Rap Album」部門にノミネート、現在38歳遅咲きとも言われながらも、着実にキャリアアップしています。

今回ピックアップする「Big Boss Rabbit」Nasのクラシックを大胆にサンプリングし、クールにはめ込まれたラップが男気溢れる作品となりました。

レーベル  : ESGN, Warner Records
リリース日 : 2021年4月2日
名前    : Freddie Gibbs
年齢    : 38歳
出身地   : インディアナ州ゲイリー

Freddie Gibbs - Big Boss Rabbit (2021)

経歴

DMX、2Pac、Jay-Z、Nasなどのラッパーに影響され2004年頃からラッパーとしてのキャリアをスタート。その後、自主制作で10本以上のミックステープをリリース。

2011年にはJeezy率いるレーベル "CTE World" が彼の才能に目をつけサイン、ミックステープ「Cold Day in Hell」をドロップ。

2 Chainz、Juicy J、Jeezyなど豪華客演陣が参加したこともあり、多くのメディアが取り上げ、さらにはHip Hopメディア誌 "XXL" の「Freshman List Class of 2010」に掲載され、話題を集めました。

Freddie Gibbs feat. Dom Kennedy - Menace II Society (2011)

その後Jeezyの"CTE World" を離れ、自身のレーベル "ESGN" を設立し、レーベル名を冠したデビューアルバム「ESGN」をリリース。

また同時期にプロデューサーのMadlibと「Thuggin'」「Shame」「Deeper」の3部作からなるコラボレーションEPをドロップ。さらにコンセプトやアイデアを練るのに、3年の月日を経たと言われた集大成アルバム「Piñata」(2014)をリリース。

レビューサイトMetacriticで82点と高得点を獲得し、音楽評論家からの賞賛を得ました。

Freddie Gibbs & Madlib - Thuggin'  (2011)

2019年に再びMadlibとコラボレーションし、アルバム「Bandana」をリリース。Killer Mike、Pusha T、Anderson .Paakなどが客演で参加したこの作品は、Madlibが全てiPadでビートを作ったと明かしています。

Freddie Gibbs & Madlib - Crime Pays (2019)

また、Kendrick LamarやEminemのアルバムなどを手掛けた名プロデューサーThe Alchemistと共に2018年に「Fetti」を発表し、約2年後には「Alfredo」(2020)で再びコラボレーションアルバムをリリース。

「Alfredo」は第63回グラミー賞「Best Rap Album」部門にノミネート。この作品でさらに多くのHip Hopヘッズを魅了することになります。

Freddie Gibbs & The Alchemist feat. Rick Ross - Scottie Beam (2020) 

「Big Boss Rabbit」元ネタ情報

元ネタとなったのはニューヨークを代表するラッパーNas「You're Da Man」(2001)です。
この曲は、彼の4枚目のアルバム「Stillmatic」(2001)に収録され、当時同じくニューヨーク出身のJay-Zとのビーフで話題を集め全米チャート5位、R&B/Hip Hopチャート1位に輝きました。

Nas - You're Da Man (2001)

また、前述したグラミー賞ノミネートの「Alfredo」は、皮肉にもNasの「King's Disease」(2020)が「Best Rap Album」に選ばれたこともあり、惜しくも受賞を逃しています。
真意はわかりませんが、このタイミングだけに意図があってサンプリング元に選んだのかもしれません。

表題曲Big Boss Rabbit

数年前からはFreddieは自分のことをBig Bunny Rabbitと呼んでいました。
ウサギはコカインの隠語でもありますので、おそらくですがこの曲では、自分がギャングスタのビッグボス=ボスウサギという事を暗に主張しているのではないでしょうか。

Got heavy traffic, the neighbors might call the people on 'em (Yeah, yeah)
Surround your car with ARs, I put the reaper on 'em
Death wish, reach 'em with that automatic shotty, that's a death kiss
Niggas be pullin' through, so I aim above the neck, bitch
Fly with it on me, I got my blicky on the jet, bitch
Ready to set it off and I put that on the set, bitch (Yeah)

※プチ翻訳
交通量が多いと通報されするかもしれないから
お前の車をAR(アサルトライフル)で囲んで、死神をくれてやるよ
死の願望、自動小銃であいつらに届く、それは死のキス
首から上を狙えばいいんだ
ジェット機に乗って飛んでいくんだ、俺の銃は。
準備万端でセットしたぜ

歌詞の内容もハードです。また、2月に発表されたシングル「Gang Signs」のMVでも彼がうさぎに扮したアニメーションが使用されています。

Freddie Gibbs feat. ScHoolboy Q - Gang Signs (2021)

DJプレイするなら

大ネタを大胆にイントロからサンプリングしたこの曲は、近年発表されていたジャジーなビートとは一線を画し、ハードでスピード感のあるビートに硬派なラップがハマった1曲。彼の原点回帰とも言えるスタイルが逆に新鮮な今作は、HIPHOPヘッズが多いクラブのピークタイムでもバッチリフロアをキープできる一曲となっています。

終わりに

今までMadlibに代表されるアングラ的なビートを多様していた彼でしたが、今作はギャングスタラップへ回帰した作品となりました。現在新しいプロジェクトを制作中とのことで、次作からもこの流れが続くのか注目です。

以上「Big Boss Rabbit」のご紹介でした。


こちらで紹介した楽曲のDJプロモーション音源はこちら⬇️⬇️⬇️

※ DIGTRACKS.comは、音楽プロモーター、音楽業界に携わるプロフェッショナル(DJなど)専門のデジタル・レコードプールサービスです。
ご利用の際は必ず「ご利用規約」をご確認ください。

最新HITチャート

Digtracks.com ランキング

#hiphop #rnb #dj #新譜 #元ネタ #サンプリング #sampling


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?