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医療費控除を簡単に済まそうとしたら、マイナンバーカードで確定申告することになりました。

デジテック for YAMAGUCHI 運営事務局 兼 Y-BASEスタッフのハラマルです。

花粉が非常に多い時期になりましたが、そんなことには気にせず、レノファ山口の開幕のホーム2連戦をスタンド観戦してきました。
観客はいずれも5千人程度でしたが、全席での声を出しての応援(要マスク)が解禁されたこともあり、徐々に雰囲気が戻りつつあります。
結果は1勝1分けでしたが、それ以上に、タレント豊富な中盤を中心に、ワクワクするサッカーが展開され、今後も期待できるような内容でした。
テレビ中継も良いですが、現地でお昼から🍺を飲みながらの観戦も最高ですよ!?

そんなこんなで、花粉にやられて目をシバシバさせながらこの記事を書いています。

さて、今回は、マイナンバーカードを使って、医療費控除の確定申告の手続きをしてみました。
いや、そもそも、「マイナンバーカードを使って手続しよう」と思い立った訳ではないのですが、そういう流れになったというお話です。


医療費控除とは

まず、「医療費控除」とは、年間の世帯での医療費支払いが基準額を超えた場合は、その超過分が課税対象の所得から控除され、税金の一部が還付される仕組みです。

「年間」というのは、1~12月です。今年の手続をする場合は、令和4年の1~12月に支払った額ということになります。

「医療費の支払い」とは、病院や薬局で支払った額もありますし、ドラッグストアで購入した医薬品も対象になり得ます。病院に行くほどでもないとか、行く時間がないから、当面、購入した医薬品でしのいでみるか、というのはよくあるパターンかと思います。

「基準額」というのは、「10万円又は所得総額の5%の、いずれか低い方」になります。つまり、年間の所得が200万円を超える世帯は10万円となります。

以上を簡単にまとめると、病院での支払いや、薬局・ドラッグストアでの薬・医薬品の購入で、年間で家族全員で10万円以上(目安)使っていたら、税金が返ってくる制度です。

医療費控除に必要な書類

我が家では、持病があって通院する家族もいるため、ここ数年、医療費控除の手続をしているのですが、これが、非常にめんどくさいんです。

1年間分の病院や薬局・ドラッグストアでの領収書・レシートを整理し、それらをExcel表に打ち込んでいかないといけません。
Excel表には、誰の診療で必要となったのかという、家族の名前、病院や薬局等の名称、医療費なのか医薬品の購入なのかといった区分、金額を入れていく必要があります。

これ、めんどくさいので、いつも、夫婦間でどっちが作業するかでもめることになります(笑)

実は、数年前から、健康保険組合から、医療機関で支払った額を記載した「医療費のお知らせ」というのが届くようになって、これがそのまま医療費控除の添付書類として使えるようになったのですが、これ、年間の支払い額が記載されていません
医療費控除に使えるように、年明け等に送付されるようになっているはずなんですが、1年間分の記載がないって、おかしくないですか?
ネットで調べてみましたが、各健康保険組合とも、同じような状況で、1月から、9月までとか、10月までの支払い額しか記載されていないんです。

その理由は、どこも「医療機関等から診療報酬明細書が届くのに、2or3ヵ月を要するから」と書いています。
いや、海外に船便を送っとるんか~い!
どこかの業務フローがおかしんじゃないの?と、なんで年間じゃないのか不満タラタラでした。

ちなみに、その翌年になると、記載されていなかった残り2~3カ月分の金額も記載されているんですが、「それ今知っても使えないし。今更、何?用無しの数字を記載して、『いや、この書類は医療費をお知らせするものなので、ちゃんと役目を果たしていますよ』的な顔をするのやめてくれない?」と神経を逆撫でされる気分になるのは私だけでしょうか(笑)?

とまぁ、このような経緯があって、医療費控除の一覧(Excel表)を作ることに非常に抵抗感を感じていました。

そこで、マイナンバーカード使ったら、ちゃんと1年間分の数字を拾うことができるんじゃない?とチャレンジすることにしたのでした。

マイナポータルからの医療費の確認

さて、それでは、相変わらずですが、よく調べないままにチャレンジしてみます。
まず、スマホでマイナポータルのアプリを立ち上げ、マイナンバーカードを使ってログインします。
それらしいメニューを探してみると、「わたしの情報」という項目に「健康・医療」というのがあります。これっぽいですね。

マイナポータル(スマホ)の画面

次に、「医療費通知情報」という項目があり、「医療機関等を受信し、医療機関等で支払った医療費の情報」とあります。まさに、ここですね!

マイナポータル(スマホ)の画面

クリックしてみると、対象期間を選択できるようになっていました。今回は確定申告に使う情報のため、「令和4年1月~12月」とします。

マイナポータル(スマホ)の画面

そして、出力させると、出ました!正真正銘、1年間分の医療費情報です!これですよ、これ。システム上で合計もしてくれているので、電卓を叩く必要もありません。こんな簡単に出てくるんですね?何だったんだ、今までの作業は!

マイナポータルで出力した医療費通知情報

医療機関ごとに内訳も記載されています。

マイナポータルで出力した医療費通知情報

ところが、最後に出てきた注意事項を読んでみると、おや?
「この画面や、PDFを印刷・ダウンロードしたものは原本にはならない」と書いています。これは意外ですね。原本になる「XMLデータ」というものがあるそうですが、マイナポータルからは取得できませんと書いています。
…え?

取得方法は国税庁HPを御覧くださいと書かれています。
…え?

その国税庁HPとやら、URLが記載されていません。
…え?

マイナポータルで出力した医療費通知情報

ここで一緒に「XMLデータ」がダウンロードできれば良いと思うのですが、なぜこんな回りくどいことされるのでしょうか?
せっかく、うまくいったと思いましたが、もう一手間必要なようです。

「XMLデータ」なるものを探して

さて、それでは「XMLデータ」をどうやったら取得できるのか、国税庁HPで検索してみたのですが、さっぱり分かりません。どういうこっちゃ?

国税庁HPを離れてgoogle検索してみると、ヒットしたのが、マイナポータルのサイトです。おい、またマイナポータルに戻るんかい!
なんと、ここにはちゃんとURLが記載されています。なら、さっきのにも書いとってよ~。

マイナポータルの「よくあるご質問」

それでは、これをクリックすると…

国税庁HP

ん?デジタル庁HPとの記載と、このページが本当にリンクしているんでしょうか?なんか、さっきと書きぶりが違うような…。データ取得の方法を探しているのですが、自動入力もしてくれるんですか。「マイナポータル連携」をしたら良いってことでしょうか?少し分かりづらいですね。
あ、イメージ図がありますね。

国税庁HP

いや、分からんし!
このイラスト見ても理解できないので、読み解くのは諦めて、誘導されるままに設定に進んでみます。

すると、またマイナポータルに戻されました!
いや、最初からマイナポータルでいいやん。何で行ったり来たりしたの?

ところが…予想に反して?マイナポータルに戻ってからは、手続は順調に進めることができました
確定申告用に情報を連携することにOKします。同一世帯の家族分も、家族のマイナンバーカードと4桁パスワードがあれば、私のスマホで一緒に手続を行うことができました

ただ、1点、つまづいた箇所がありました。
この、家族分を一緒に扱うことについて、「代理で手続する期間はいつまでにしますか?」という、予測していなかった質問があり、ん?どういうこと?となってしまいました。
子供については成人するまでにしておこうか?ん?20歳まで?18歳まで?誕生日が平成〇年だから、西暦何年だ?いやいや、それまでの間に私が死んだりしたら、権限が私に移っていて子供が申請できなくなって困ることにならないだろうか?そんな場合の救済措置ってあるの?
とか、今回の手続に関係のないことを検討するため、作業を中断せざるを得ませんでした。
こういうの、とりあえず問題を棚上げにしておいて、手続を進められるようになるといいのではないでしょうか。

スマホでの確定申告

いやぁ、マイナポータル連携できましたよ。家族分の医療費も一緒にデータ連携できるようになりました。良かった、良かった。

あれ?何してたんだっけ?ん?
そうそう、医療費の「XMLデータ」なるものを取得しようとしていたんでした。

う~んと、次はどうすればいいのでしょうか…?「XMLデータを取得する」というようなボタンは見つかりません。
マイナポータルの方は分かりやすかったのに、国税庁HPに戻ると急に不安になります…。
えっと、どうやら、これは、このままスマホで確定申告しろってことなんですね。
そういうことか。「事前設定」というのは、スマホで確定申告するための事前設定だったわけです。

なるほど、今日はそこまで作業する気は全然なかったのですが、分かりました。ちょっとやってみましょうか。
「マインバン―カードを使った確定申告」というのをクリックすると、マイナポータルから取得した情報が自動で入力されていたりします。
肝心の医療費については、先ほど連携をさせたので、私と家族全員分のデータも取得して、自動計算までしてくれています。確かにこれは楽ですね。

注意事項としては、マイナポータルに掲載されていない、例えばドラッグストアで購入した医薬品等は、レシートを見ながら個別又はExcelを使って入力する必要がありますが、数も少ないし、修正作業も非常に簡単でした。

源泉徴収票の内容を入力する必要がありますが、これも、スマホのカメラで写真撮影すると、自動で数字を読み取って入力してくれます。

サクサク作業が進み、還付金が自動計算されました!
おっ、途中の彷徨いは除いて、やってみると非常に簡単です。
さてさて、入力すべき項目も少なくなってきましたよ。終わりが近づいてまいりました。

え…ここで…まさか!?

確定申告作成作業中のスマホ画面

なんで、マイナンバーを入力させられるんだ!
さっき連携させたやん。どういうこと!?もしや、詐欺に遭っているのでは!?と、とても不安になってしまいました。
マイナンバーカード使っていて、情報連携もOKにしているのに、マイナンバーの12桁を入力してくださいって、おかしくないですか?
セキュリティ上の都合があるんでしょうが、例えば、医療費のデータのように、連携させていいですか?と聞いてくれるなら分かりますが、ここで直入力させられると、不安になる方もいるのではないでしょうか?
ホントに、もうっ。

最後に、送信と。
またここでもマイナンバーカードの読み取りが。今日、何回目?

…終わりました。提出しましたよ。やった。めんどくさい作業から解放された…。

まとめ

面倒だと思っていた年間の医療費の把握について、マイナンバーカードを使うと簡単に把握することができました

確定申告にはデータが必要ということだったので、「XMLデータ」なるものを探し回ってしまいましたが、結果的には、知らぬ間に、スマホとマイナンバーカードを使った確定申告をすることになり、それ自体の作業はとてもスムースで簡単でした

途中、国税庁HPとマイナポータルを行ったり来たりするとことか、マイナンバーを入力しなければならない点とか、全体の手続の流れが分かりづらいとか、改善の余地はあると思いますが、何の下調べもなく作業に取り掛かりましたが、最後まで辿り着けました

逆に、医療費控除を申請される方向けに、もっとPRした方が良いのではないかと思いました。
いや、税務署とかのチラシに、マイナンバーカードを使って申請しましょうって書いていますが、そんな、手段の変更を求めることを主張するより、「そんな1年分の記載がない中途半端な「医療費のお知らせ」を使うより、こっちならちゃんと1年間分をサクッと反映して、そのまま確定申告までできますよ~」、と言ってはどうでしょうか。
ホントです。私は、来年もマイナンバーカード使って申請しようと思います!

将来的には、現時点でデータに反映できないような、ドラッグストアでの医薬品購入なども、例えば、マイナンバーカードを使って購入した場合は自動反映するようになるとか、追加での作業がなくなると良いかと思います。
さらに、そこまでいったら、もう「確定申告」という手続きをせずに還付してもらえるようになるんじゃないでしょうか?簡単にできそうですよね。

マイナンバーカードを取得されていて、医療費控除をされる皆さん、一度、チャレンジしてみてはどうでしょうか?

2024年1月修正
「みんなのフォトギャラリー」から見出し画像のデータを使わせていただいていましたが、いつの間にかデータがなくなっていたため、新しい見出し画像にしました。文章は初出時のままです。