リスティング広告で自社名出稿は意味があるの?
リスティング広告を出稿する際、自社名・自社ブランド名でも広告を出すべきか?というのがよく議論になります。
結論から言うと、業界関係者でも賛否両論あり、出す企業は出しているし、出さない企業は出していないという事実があります。
私は戦略的であれば積極的に出すべき派なのですが、今回は、各企業がどういう判断によって、その結論になっているかをお伝えしようと思います。
1. 自社名で広告を出すべきでないと考える理由
例えば、デリバリーサービスで市民権を得ている「ウーバーイーツ(Uber Eats)」は、自分たちの名前「ウーバーイーツ」でも広告を出しています。
しかし、ご覧の通り、その広告のすぐ下に、自然検索結果で一番になった自社サイトへのリンクがありますね。
これだったら、どうせ広告を出さなくても、ウーバーイーツのWebサイトに来てもらえるはずなので、わざわざお金を払うのは勿体無い。
これが出すべきでないと考える人たちのご意見です。
2. 自社名でも広告を出すべきと考える理由
しかし、私は自社名でも戦略上必要があれば広告を出すべきと考えています。
理由の一つはこちら。
2-1. 他社に広告枠を取られないようにするため
オンデマンド動画サービスで有名な「Netflix」がありますよね。
この「Netflix」で検索しますと、なんと「U-NEXT」が広告を出していました。
もちろん自然検索ではNetflixのオフィシャルが1位です。
ですがこれだと、気づかなくてごく一部かもしれませんが、Netflixを契約しようとした人がU-NEXTに流れてしまう可能性がありますよね。
この他社名・他社ブランド名で広告を出すのは本当はマナー違反です。
マナー違反ではあるのですが、実際のところ広告を出せてしまうので、出しちゃう企業はいるのが現実です。
Googleに申し立てたところで、消してはくれませんし。
(この場合、NetflixがU-NEXTに異議申し立てを直接言うしかないですが、知りませんと言われたらそれでおしまいなんです、残念ながら)
これを防ぐ目的で自社名出稿というのは一つ理由としてはあります。
2-2. 検索キーワードに合わせて表示内容・リンク先を柔軟に変更し、クリック率を高めるため
また、リスティング広告では、自然検索結果と違って検索結果表示画面に出る文言を自由にコントロールできるという利点があります。
これによりコンバージョン率(CVR)や、クリック率(CTR)が変わってきますから、そこにメリットを感じれば、出稿の価値はありますね。
1) マリオットホテルの場合
例えば、世界的有名ホテルチェーンの「マリオットホテル」と検索した場合、自然検索結果1位は「Marriott Bonvoy」という英語表記で予約等できる公式サイトのリンクが出てきます。
確かに公式サイトのタイトルも「Marriott Bonvoy」ですし間違いはないんですが、マリオットに詳しい人は除き、「マリオットホテル」と日本語で検索してる人にとっては、ちょっと違和感があります。
日本人の感覚だと、Bonvoyってなんぞや?って感じですものね。
つまり目指しているサイトだと気づかず、迷ってしまうユーザーが出る恐れがあるんです。
そこでだかはわかりませんが、幸いマリオットは「マリオットホテル」というキーワードでリスティング広告を出していますので、検索したユーザーはそこからちゃんと流入させられるため、顧客を逃さないですみます。
2) ウーバーイーツの場合
また、先ほど例に出した「ウーバーイーツ」では、広告上のサブメニュー(サイトリンク表示オプション)に「配達パートナーになる」「Uber Eatsについて」「アプリをダウンロード」「Uber Eats ライフハック」という文言andリンクを展開しています。
これは「ウーバーイーツ」という検索用語で検索したユーザーがどういう目的で検索しているかを推測して、しっかり受け口を用意している感じですので、CVRやCTRは高い数字を出せているのではないかと思います。
3) マクドナルドの場合
他に面白いものとしては、ファーストフード最大手のマクドナルドが最近出している事例があります。
スマホで「マクドナルド」と検索された際に「マックデリバリー」サイトへの誘導広告を出していました。
これはご存知、緊急事態でマクドナルドがイートインを禁止してテイクアウトのみで営業していることが影響していると思われます。
意図的にデリバリーへ誘導し、外出自粛の中で少しでも多く売り上げたいという戦略が透けて見えます。
3. リスティング広告で自社名出稿は意味があるのかまとめ
結論、私としては、そこに戦略がある場合は自社名・自社ブランド名でもリスティング広告を出稿することは意味があると考えています。
一方で特に戦略もないし、自然検索で一位が取れているのでしたら、無駄金になる可能性がありますので出さなくて良いのかなと(他のキーワードに予算を回すべき)。
以上が私の見解ですが、もし自分たちでは判断に迷うといった企業がございましたら、デジタルマーケティング大学校の方でお手伝いできるかもしれませんので、お気軽にご相談いただければと思います。
この度は私のnoteをご覧いただきありがとうございます。 もしもサポート頂ける場合は、お礼にデジタルマーケティングに関するお悩みにお答えいたします! 追ってお礼メッセージとともにご連絡させていただきます。