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【鎌倉の社会資源】精神科デイケア

このシリーズでは、デジKAMAに常駐している精神保健福祉士・社会福祉士のスタッフから、鎌倉の社会資源を紹介していきます。
社会資源とは、多様なニーズを持つ方を支援するために、その過程で活用できる人や物のことを言います。公的な制度や民間のサービス(官民連携のデジKAMAはこの中間地点に位置します)、地域の組織や団体、そこに勤めている専門職や地域に住んでいる有志のボランティアといった人材、目に見えたり見えなかったりするつながり、そして生きた幅広い情報です。

シリーズ第1弾では精神科デイケアを紹介します。

精神科デイケアとは

お年寄り向けのデイケアと区別するために「精神科」とつけています。
障害者雇用推進法で精神障がいのある人の雇用義務化が定められたり、就労支援プログラムや職場復帰支援(リワーク)プログラムなどを実施する精神科デイケアも増えており、就職や復職に向けて準備することを目的に利用する人もいます。

どんな場所?

精神疾患を抱えている方が治療のために通う場所で、主に精神科病院・精神科クリニック・心療内科で開設されています。運動や文化活動などのさまざまな集団プログラム・療法に参加し、人と交流したりスキルを身につけたりします。活動時間は1日6時間程度で、週2日程度の短い期間から利用を始めることができます。通うことを習慣化することで生活リズムが改善し、日常生活が安定して心身の状態が良くなること、そして学校や職場に復帰することを目指します。
個々人の抱える問題や悩みなどに個別対応し、一人ひとりに合った援助計画を立ててくれる場でもあります。

利用できる人は?

基本的な条件として、次の2点を満たす人です。

  • 精神疾患の症状が比較的安定していて、現状では入院を必要としていない

  • ご本人の希望する生活に向けた状態の改善・回復にデイケアが適していると、主治医とデイケアの意見が合致している

そのうえで、受け入れ対象はデイケアによって異なります。

  • 医療機関への通院状況

    • 運営元の医療機関に通院している人に限定して受け入れる

    • 他の医療機関に通院している人でも受け入れる

    • 通院していない人でも受け入れる

  • 年齢

    • どの年齢でも受け入れる

    • 年齢制限がある(復学や就労などの目的別コースによる)

いくらかかる?

精神科デイケアは治療の一環となるので、健康保険の適用により3割負担で利用可能です。外来治療費が安くなる自立支援医療を申請している人は1割負担で利用可能です。

1日当たり、大規模デイケアで8,000円前後、小規模デイケアで6,000円前後です。1割負担なら1日800円程度が目安となり、月の上限以上の負担は発生しません。通所回数が多くなれば費用負担も大きくなるので、精神科デイケアを利用する際には自立支援医療を申請しておいたほうがよいでしょう。
規模のほか、お住まいの自治体によっても変動します。保健センターなどの公的機関では無料で利用できる場合や、障害者手帳の提示などによりさらに自己負担費用が軽減される場合もあります。

どんなことをする?

  • 文化的レクリエーション(料理・園芸・工作・音楽鑑賞など趣味活動)

  • 運動系レクリエーション(ヨガ・ダンス・卓球・バレーボールなど)

  • 作業系プログラム

  • 生活援助プログラム

  • SST(生活技能訓練)

  • 心理教育(当事者・家族)

  • 就労支援グループワーク

  • 導入期グループワーク

  • 認知行動療法

  • グループ活動・コミュニケーショントレーニング

  • 就労支援(パソコン作業・ビジネスマナー・応募書類作成など)

鎌倉市の精神科デイケア

ハートクリニックデイケア

医療社団法人ハートクリニックが運営しています。
うつ病、不安障害などで治療を受けている人を利用対象者としてデイケアを実施しています。対人技能訓練(SST)、脳トレ、認知療法、行動活性化療法、IMR、ものづくり活動、健康教室、ビジネスマナー、語りの場などのプログラムのほか、スタッフによる個別面接なども行っています。
同じような悩みを持つ人が集まり、さまざまな活動を一緒に行い、時間を過ごして自分なりの生活を築いていくことを目的としています。

大船心療内科

第三世代の認知行動療法(ACT)を取り入れ、診察時に一人ひとりに合った方針の提案をしています。心身の不調により休職をしている人の復帰を目指す復職支援のプログラムを看護師や心理士が構成しています。専門職によるヨガ、鍼灸師によるプログラム、芸術療法、音楽を利用したコミュニケーションプログラムも取り入れています。
自身の傾向と理解、ストレスがかかった時の対処を学び実践するため、マインドフルネス・リワークプログラム・運動プログラムなどを実施しています。休職の原因となった症状やストレスの根幹を見ていき、復職後の心身の不調や再休職を防ぐことも目的としています。

大船榎本クリニック

幅広い疾患と年齢層に応じたデイナイトケアを併設しているクリニックです。デイナイトケアとあるように、デイケアよりは過ごす時間が長く、1日10時間となります。
メンタルデイナイトケアの場合、グループ活動を中心に、人との関わり方やコミュニケーションを学びます。そのために、レクリエーションや学習のプログラムが充実しています。

参考文献


Special Thanks🙏
この記事は、通所ワーカーに情報収集~まとめを依頼した後、スタッフが仕上げました。記事を読んで得た着想を元に、在宅ワーカーにバナー画像を描いてもらいました。

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