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お子さんの就労を心配されている親御さんへ

以前、私たちの事業を知るきっかけとして、市の広報誌「広報かまくら」が大きな役割を果たしていると書きました。

紙媒体は、鎌倉市内の住居にポスティングされるほか、市の施設や市内の駅で手に入れることができます。デジタル版は、市のサイトでバックナンバーも含めて見ることができます。
個別説明会で広報かまくらを情報源に挙げる方のほとんどが「親が見て教えてくれた」とおっしゃるのは興味深いです。普段からSNSに親しんでいる若い世代の方だと鎌倉市のX(旧Twitter)やLINEで情報を得ていることもあり、その源流は広報かまくらですから、背景が若者の広報誌離れにあるとは言い切れません。

親御さんに背中を押されて、個別説明会に一緒に参加される方もいます。大分前の報告書ではありますが、「ニートの状態にある若年者の実態に関する調査研究」(財団法人社会経済生産性本部・2007)で似たような箇所を見つけました。※文中の若者自立塾は2009年度末に廃止

周知・広報や働きかけの対象は、本人自身のみならず、親をはじめとしてその周辺をターゲットに広報することが有効と思われる。ニートの状態にある者自身が、インターネットで情報を得ていたとしても、実際に若者自立塾を利用する段階に至るにあたっては、見学したり説明会に来たりと、“生の空気を肌で感じて”からのことが多い。本人が引きこもっている場合、見学や説明会に本人が自発的に訪れることは考えにくい。

「ニートの状態にある若年者の実態に関する調査研究」p.45

情報を得て、お子さんを説得し、当日一緒に来所して…と、ご本人を思う気持ちには頭が下がります。しかし、就労は自立への第一歩。個別説明会では、実際にデジKAMAのワーカーとして稼働されるご本人の就労意欲を見たいのが私たちの本心です。
たとえば、ご質問があるかお聞きしたとき、ご本人の「特にないです」の後に、お隣の親御さんから色々と伺うことがあります。こちらの説明が足りないせいでその場で出てくる質問だったらかまわないのですが、もし事前に聞きたいことが決まっていましたら、どうかご本人に代読いただいてください。たとえ連れて来られたのであっても、ご自分で言葉にした途端、実感が湧いてくるはずです。

就労を巡る親子関係については、恵泉女学園大学の大日向雅美学長とちば地域若者サポートステーションの本庄寛国所長の対談記事もとても良いので、ぜひご一読ください。

当事者は「親を頼りたいけれど、一番頼れないのも親。一番苦しい胸の内も言えない。自分のみじめなところを見せたくない」といった不安と葛藤を抱えています。

大日向雅美氏

親御さんが話している間、ご本人が気まずそうな表情をしていることがあります。どうか、そっと応援していてください。

もちろん、私たちも親御さんに信頼されるよう努力しなければ!とも痛感します。私たちは実際に稼働しているワーカーにお仕事を依頼するときと同じ表情・声のトーン・速さ・言葉遣いで話します。「こういうスタッフのいるところだったら大丈夫そう」と納得していただいたうえで、お仕事体験に進めるようにします。

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