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新規事業プロジェクトにおけるプロダクト開発のヒント

こんにちは!
Ava Digital Innovatorのnote編集部の永井です。
今回は、アバナードで開発した多国間コミュニケーション支援アプリの開発裏話を本プロダクトのサービスリードを担当しておりました、菅野さんに記載してもらい、新規事業プロジェクトにおける経験を共有しよう!というのが本日の趣旨です。

はじめに

はじめまして、本プロダクトのサービスリードを担当しておりました、菅野です。
私はこのアプリ開発&サービス化プロジェクトで、アプリを実際に使うことになるお客様の視点に立ち、アプリのあるべき姿を実現させるサービスリードという役割でチームをドライブしました。
今回は弊社で開発した多国間コミュニケーション支援アプリの開発裏話を通して新規事業プロジェクトについて感じたことをシェア出来ればと思います。
新規事業プロジェクトは社内からの資金供給が生命線であるため、限られたリソース(主に人や資金、時間)ですべてを実現することは極めて難しいので、なにをどの程度重視するかをチームと共有することをおすすめいたします。こういった前提を共有することでメンバーやステークホルダーからの協力が得られやすくなり、結果的にユーザーにとって価値あるプロダクトへと速く近づくことができると思います。

プロダクトの概要

このアプリはユーザーがマイクに対して発話すると、その内容が文字起こしされ、英語や中国語などに翻訳して相手ユーザーに送信されます。特徴としては、PCとHoloLens(Microsoft提供のウェアラブル端末)の両方のデバイスで使用可能であり、固有名詞や業界用語の登録も可能、サポート言語と地域が数十以上あることが挙げられることから、コロナで海外出張ができなくて困っている、かつ、国際会議にいつも通訳を手配していたお客様から引き合いがあります。

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(上記、多言語間コミュニケーション支援アプリのPC画面)

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(上記、多言語間コミュニケーション支援アプリのHololens画面)

プロジェクト背景・経緯

当初、このアプリは弊社が抱えていた課題に着想して生まれました。弊社はグローバル企業ということもあり国際会議を行う機会が多い会社です。しかし、必ずしも会議の参加者全員が英語での意思疎通に長けているわけではなく、この『言語の壁』によるコミュニケーションの難しさというものを(グローバル企業だからこそ)強く実感してきました。この記事を読まれている皆様のなかにも言語の違いで苦労されたことがある方がいらっしゃると思います。「英語は分かるけれども、スペイン語、中国語、フランス語はさっぱり…」という方もいると思います。そして皆様が感じている言語の違いによるコミュニケーションの難しさは、海外の方も同様に感じている課題だったりします。そこで、弊社CTIOである星野の「『言語の壁』を少しでも取り除き、みんなが母国語でも意思疎通できる世界を実現したい」という想いからこのアプリのプロトタイプが生まれました。そして同じ課題、同じ想いを持っていたお客様に強く共感していただいたことがきっかけで、このプロジェクトが始まりました。

プロダクト価値基準

新規事業内における収益化ができていない初期段階のプロダクト開発では、ユーザー価値の高い実装をいかに早く届けるかが極めて重要だと思っています。というのも、私たちがプロダクト開発にGOを出した時点のマーケット状況は刻一刻と変わっている場合があるからです。本当にユーザーにとって必要な機能をすぐに提供することを私たちのチームでは重視していました。下記がアプリ開発に対する私たちのチームの価値基準でした。

1、リリース速度(お客さんに早めに提供する)
ソフトウェアの劣化やコードの理解のしやすさのために、リファクタリング(ソースコードの内部を整理すること)することは大切ですが、ユーザービリティ(UI/UX)を改善するために、ユーザーからフィードバックを何度も回収し、プロダクトに反映することに多くのリソースを投下しました。

2、柔軟な仕様変更(アジャイルの話)
ユーザーからのフィードバックをプロダクトに反映し、ユーザービリティを改善することが目的なので、ユーザー体験が良くない場合、実装済みの仕様/機能の変更を出来る限り素早く行います。

3、リソースの配分(時間的リソース)
保守性やメンテナンスのために、仕様書等ドキュメント作成は大切ですが、プロダクトをマーケットに出していくことが新規プロダクト/サービスをリリースする上で最も大切なことなので、最低限のドキュメント作成以外へリソースを投下することは行いませんでした。

新規事業プロジェクトは社内からの資金供給が生命線であるため、限られたリソース(主に人や資金、時間)ですべてを実現することは極めて難しいので、新規事業プロジェクトの一環で開発プロジェクトを導く立場になった方にはぜひ、上記のような価値基準を例に、なにをどの程度重視するかをチームと共有することをおすすめいたします。こういった前提を共有することでメンバーやステークホルダーからの協力が得られやすくなり、結果的にユーザーにとって価値あるプロダクトへと速く近づくことができると思います。

アプリのサービス化という目標に向かってチーム一丸となり地道な改善を積み重ね、多くの方々にアプリの利用価値が認められた結果、導入の打診を得ることができました。

最後に

新規事業部における、多言語間コミュニケーション支援アプリ開発の話は、新規事業/プロダクト開発に携わる全ての方にとって有用な情報ではないでしょうか。また、本アプリについて、気になる方はこちらまで連絡いただければと思います!
今後も弊社サービス/プロダクト、各プロジェクトの裏話などを紹介していきたいと思います。引き続きAva Digital Innsovatorをよろしくお願いします!

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