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これが最適解!効果が出るGoogleファインドキャンペーン設計とは?

GoogleAdsからファインド広告(ファインドキャンペーン)がローンチされて早1年半。

カスタマージャーニーが複雑化している中で、Youtubeホームフィード、Gmail、Discoverに広告出稿できる本プロダクトは、検索広告やディスプレイネットワーク広告に加えて、より網羅的にユーザーにアプローチできる新しい機会提供に大きく貢献するものであることは言うまでもありません。

しかし、有効な運用方法が見いだせず、なかなか思うようにパフォーマンスを向上させられない、CPAが合わずに配信を停止せざるを得ないなどの課題に直面している運用者も多いのではないでしょうか。

今回は、そんなファインドキャンペーンの運用に役立つ運用Tipsを、実際の運用・施策事例を交えてご紹介します。

なぜファインドキャンペーンをやるのか?

運用で効果が出なかった方や、これからファインドキャンペーンをクライアントに提案しようと考えている方は、「そもそもファインドキャンペーンって効果あるの?コンバージョン取れるの?」というところは気になるところだと思います。

ここでは、まずファインドキャンペーンを導入する理由について説明します。

1. ディスプレイネットワークだけでは網羅できない新しい枠に出稿できる

通常のGoogleディスプレイネットワークでは配信できない面に広告を出稿できる点は1つ目のメリットです。

特に、DiscoverやYoutubeのホーム画面は、自身の関心の高いコンテンツが表示されるパーソナライズされた領域になるため、通常のディスプレイネットワークに比べて、CTRも高くなる傾向にあります。
(※ちなみに、筆者の運用しているアカウントでは、同一ターゲティング・セグメントでも、ファインドキャンペーンの方がCTRは2倍~3倍高いです。)

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2. Googleプロダクトに出稿できる強み

ファインドキャンペーンで出稿できるDiscover、Youtube、Gmailは全てGoogleが所有しているプロダクトになります。つまり、Googleのもつ自社データを活用したターゲティングが可能なので、精度の高い広告配信が可能になります。
サードパーティーCookieが完全に利用できなくなる時代がもう目の前まで来ている昨今、Cookieレス時代の潮流に沿ったファインド広告は今後検索広告に続く広告プロダクトのスタンダートになるかもしれません。

3. 精度の高いカスタムオーディエンスが可能!

ファインドキャンペーンはGoogleで検索したユーザーに対しての配信が可能です。カスタムオーディエンスで検索シグナルをターゲティングに活用できるのは、Googleプロダクトが配信先になるファインドキャンペーンならではの強みです。

実際に筆者がファインドキャンペーンを配信し、リターゲティングとGoogle検索ユーザーへのカスタムオーディエンスの数値を比較したところ、カスタムオーディエンスの方がCTRは2.8倍、CPCも27%と低く、確度の高いユーザーの流入促進につながっている例もあります。CPAに関してもリターゲティングと比較しても大差なく、かつ新規ユーザーの獲得という点でも非常に優れたプロダクトであると実感しました。

4. 他のGoogleプロダクトとの相乗効果が期待できる

先に上げたカスタムオーディエンスもまさに典型例ですが、他にもYoutube動画視聴ユーザーに対してのリターゲティングがファインドキャンペーンでは可能です。また、動画アクション(VAC)広告と併用することによる相乗効果も期待できるため、拡大フェーズではセットで配信することで、認知とCV獲得の底上げが期待できます。

ここまで、ファインドキャンペーンをなぜ実施した方が良いのか、どういう強みがあるのかについて解説してきました。ここからは、導入フローや推奨設計について解説していきます。

ファインドキャンペーンの推奨設定

ファインドキャンペーンを導入する際、まず気を付けないといけないポイントとして、通常のディスプレイネットワークとの比較したときに使用できる入札戦略の違いがあります。ファインドキャンペーンは基本的に自動化プロダクトであるため、入札を手動でコントロールすることはできません。手動入札ができない=自動入札を使うという訳ですが、これはすなわち、自動化が適切に働くようなアカウント設計にする必要があるということです。そして、パフォーマンスを決める重要な要素として、予算、クリエイティブ、ターゲティングの3つ要素が重要になります。ここからは、それぞれの推奨設定・設計についてご紹介します。

1. 予算

まず設定する日予算についてです。
ファインドキャンペーンにおいては、目標コンバージョン単価の5倍~10倍で設定するのが理想です。これは、1日当たりCV10件獲得できると機械学習をスピーディーかつ効率的に回すことができるという自動化プロダクトならではの事情があるからです。
しかし、パフォーマンスも読めない中、いきなり大量のコスト投下をするのは怖いですし、そもそもCPAの高い業種などは1日10件のCVをコンスタントに獲得できるケースはそう多くはないと思います。

その場合は、MCV(マイクロコンバージョン)を使ってうまく推奨CV数を達成させることを検討しましょう。例えば、本CVが商品購入である場合、その前段階であるカート落ちをMCVとして設定することで、CV数のハードルを下げることが可能です。ただ、あまりにも本CVから離れすぎると、学習の精度が低くなり、逆にパフォーマンス悪化につながりかねないため、何をMCVとするかは慎重に判断しましょう。

2. クリエイティブ

次にクリエイティブですが、各アセットの推奨本数とバナーを作成する際のポイントについて説明していきます。

・アセットグループ内の推奨登録数
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説明文:5個
見出し:5個
長い見出し:1個
画像:
横長5つ(許容数:3つ)
正方形5つ(許容数:3つ)
ポートレート(縦長)
※カルーセル使用の場合
(正方形AND 横長両方を使用※両方揃えるのが難しい場合は、はじめはどちらか一方のみでもOK)
CTA:行動を促すフレーズを指定
(デフォルトで自動に設定されていますが、行動を促すフレーズを指定したクリエイティブ のほうがコンバージョン率が高いことが多いようです。)
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当然ですが、各アセットの上限数を最大限追加することで、クリエイティブの組み合わせが増えるので、それだけ当たるクリエイティブ構成が見つかる可能性が高まるため、準備可能であれば上限数まで入れるようにしましょう。

テキストに関しては、考える力と時間さえあれば、極端な話誰でも作れますので、上限まで必須でいれるようにしましょう。バナーに関しては、制作工数等もあるので、シングルバナーであれば正方形、横長それぞれ3つずつから始めて、パフォーマンス見ながらカルーセルバナーも追加していく形でも良いでしょう。

もし、SNSでの広告出稿を既に実施していて、そこでパフォーマンスが良いクリエイティブがあるのであれば、そちらをファインドキャンペーンのクリエイティブに流用するもの一つの手です。基本SNSで配信しているバナーは、ファインドキャンペーンのクリエイティブ規定サイズと同アスペクト比で作られていることが多いため、SNSのバナーを使えるケースも多いと思います。新しく追加されたポートレートサイズも、画面専有面積が大きく、より目立つフォーマットとなっていますが、SNS用のものを流用で使えるサイズ感ですので、制作にあまり工数を避けない、時間的な余裕がない場合は一度検討してみてください。

【ファインドキャンペーンのバナー作成ポイント5選】

クリエイティブを作成する際に、5つ厳選してポイントをまとめましたので、こちらもファインドキャンペーンのバナー制作の参考にしてください!

1. 商品は欲張らず1つ
画像内にメイン商品が30-40%を占めるクリエイティブの成果が良い傾向にあるようです。
2. 商品は画像の中央に置く
メインとなる商品をまずしっかり認識させ、余計な情報に視点を奪われないようにしましょう。
3. 画像内にテキストを含めない
テキストを含めない方がCTRが高い傾向にあるようです。
4. 画像背景には、あえて生活感のある利用シーンを加える
スキンケア商品であれば、洗面台に並んでいるイメージや、
自動車であれば景色の良い道を走っているシーンなど、より身近なイメージしやすい環境に商品を置くと良いです。
5. 実際に商品を利用している人物を加える
4と少し被りますが、商品の大きさやどういう場面で使うのかのイメージがしやすくなり、
クリックにつながる可能性が高まります。

3. ターゲティング

予算、クリエイティブときて、最後にターゲティングです。
ずばり、ターゲティングに関しては、リターゲティングだけではなく、カスタムオーディエンスとセットで配信するようにしましょう。

そもそも、ファインドキャンペーンとは、検索以外で情報収集時のユーザーにリーチし、新規顧客を獲得するために設計されたプロダクトです。また、前述しているように、cookieレスの時勢が強まっている昨今、リターゲティングの精度を維持していくことは難しく、cookieに頼らないファーストパーティデータを活用したターゲティングの併走が不可欠です!

◆ターゲティング推奨設計

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1. ユーザーリスト(リターゲティング)
ユーザーリスト単体ではなかなかリーチを確保するのが難しいケースも多くなってきている(cookieの欠損等)昨今ですので、類似リストまで網羅することをおすすめします。最近では、リターゲティングリストだけでガチガチに配信するより、類似リストまで広げた方が、CPCも下がり、最終的なCPAも合ってくるケースも多くなってきている印象です。

類似リストに関しては、より深度の深い(サンクスページに近い)リストをベースに拡張するのが良いでしょう。基本的には、サンクスページやフォームの確認ページ等、確度の高いユーザーが含まれているリストを拡張することで、配信精度を向上させることが期待できます。AdWords optimized list等もCVユーザーをベースとした精度の高いリストになるので、ターゲティングリストに組み込むことを検討してみてください!

2. カスタムオーディエンス(Google検索ユーザー)
Googleファインドキャンペーンで設定できるカスタムオーディエンスには大きく分けて2種類あります。

①興味 / 関心や購入意向を持つユーザー
②Googleで検索したユーザー

リーチを広く取りたい場合には、①も選択肢として考えてみても良いですが、CV目的の場合は、よりニーズが顕在化したユーザーに配信できる②の方が高パフォーマンスが期待できるため、今回は②を前提に話を進めます。

まず、初期設定ではGoogleリスティングで獲得実績のあるキーワードを選定するようにしましょう。この時、最低でも10個以上のキーワードは要れるようにしてください。また、ここで設定するキーワードにはマッチタイプという概念はないですが、Google検索広告で言うところの「部分一致」のような広がり方をします。ただ、単体ワードだけ入れるよりも、掛け合わせワードまで網羅した方がリーチ数が多くなるケースが多いので、なるだけフレーズ単位でキーワード登録しておくことをおすすめします。

補足:
検索ユーザーに対して広告を配信できるという話をここまでしてきましたが、いくらでも遡れるわけではなく、「過去7日以内に検索したユーザー」までになるため、その点は頭に入れておくようにしましょう。

キーワードに関しては、指名(商品名・社名・ブランド名)ワードだけだとボリュームが出にくいことが多いため、一般キーワードもマストでいれるようにしましょう。しつこいようですが、新規ユーザーの獲得を目指したプロダクトなので、一般ワードは必ず入れてください。場合によっては、リスティングだとCPC高すぎてCPAが合わないような場合でも、カスタムオーディエンスであればCPCが抑えられて、CPAも低く取れるようなケースもあるため、思うように一般ワードで成果が出せていないアカウントでも出稿の余地は大いにあります!

以上、ファインドキャンペーンの概要や、推奨設計についての紹介でした。
いかがでしょうか?ファインドキャンペーンをまだ実施したことない方や、やってみたいけど、推奨設計や運用方法がわからず手を出せていない方等の参考になれば幸いです。

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