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【広告運用者必見】主要媒体の最適化に必要なコンバージョン数と推奨設計ガイド

今や主流になっている自動入札。広告運用者であれば、どのように「自動入札」を活用すればよいか、考えたことのある方が多いかと思います。
今回はそんな広告運用における主要媒体の、自動入札の効果が発揮されるに必要なコンバージョン数と、そのコンバージョンを集めるための推奨設計を一部ご紹介します。

Google広告


Google広告で最適化をかけるには、過去1ヵ月で30件以上のコンバージョンがキャンペーン単位で獲得できていることが推奨されています。
Googleに限らず、自動入札は過去の配信データに基づいて最適化がかかるため、最低限のコンバージョンを獲得できていないと最適化の精度も上がらず、獲得効率の向上につながりにくくなります。
また、30件以上のコンバージョンデータが揃えば、最適化が完璧に整うわけではありません。コンバージョンが50件、100件と数が多ければ多いほど、自動入札の最適化精度は高くなります。
そのため、キーワードに合わせた広告グループ設計を意識するとともに、コンバージョンが少ないアカウントではマイクロコンバージョン(MCV)を設定し、コンバージョンポイントと合わせて1ヵ月間に30件のコンバージョンの獲得を維持していくことをおすすめします。

媒体推奨に筆者の経験も交えた表を以下に掲載しますので参考にしてみてください。

スマート自動入札の最適化をうまく機能させるためには、一定数のコンバージョンがキャンペーン単位で獲得できているといいでしょう。

「〇件以上のコンバージョン数が蓄積されていないと配信が行えない」ということではないのですが、過去の蓄積データが多いほど自動入札の精度が上がるため、安定した配信を行うためには、コンバージョン数を担保するためにも広告グループを必要以上に分けすぎないようシンプルなキャンペーン構成を心掛けることをおすすめします。

コンバージョン数が足りない場合はマイクロコンバージョンの活用を検討しよう

コンバージョン数が足りない場合はマイクロコンバージョンを活用してコンバージョン数を増加してみるのも良いでしょう。
注意点として、キャンペーンに大幅な変更があった場合は、再度学習するために時間を要し、機械学習が追いつくまでパフォーマンスに悪影響を与える可能性があるため、頻繫に過度な入札変更を行うことは避けた方が良いでしょう。

※なお、目標広告費用対効果の入札戦略については
キャンペーンの種別ごとにGoogle社から必須件数・推奨件数が明記されています。(ディスプレイ・ファインド・アプリなど)

詳しくはこちらのヘルプをご御覧ください。
https://support.google.com/google-ads/answer/6268637

Yahooリスティング

Yahoo!リスティングにもキャンペーン種類や広告掲載の目的に応じて適切な入札価格を自動的に調整を行う自動入札があります。
自動入札は、設定した目標に対して、効果を発揮するまでに学習期間が必要となってきます。学習期間中は、コンバージョンの繋がらないクエリの露出が増加傾向にあるため、不要なクエリの除外、キーワードマッチタイプの見直し、広告の品質を向上させることが必要となってきます。
また、自動入札やコンバージョン設定が変更された時、キャンペーン・広告グループ・キーワードが新しく追加された際にも、学習期間となり配信結果に変動があります。

Yahoo!リスティングの自動入札の機能について

Yahoo!リスティングの自動入札ではシグナルを活用して、精度の高い入札を行います。
オークションが行われるたびにシグナルを考慮し入札が最適化されるようになっています。
シグナルを活用することでより精度の高い自動入札を実現することができるため、Yahoo!で出ているシグナルをご紹介します。

・デバイス
・地域への関心
・曜日・時間帯
・ターゲットリスト
・広告の特性
・ブラウザー
・OS
・実際に検索されたキーワード

また、各自動入札の学習に必要になってくるポイントは下記になります。

Yahoo!リスティングで自動入札を行う際の参考にしてみてください。

Yahoo!ディスプレイ広告

自動入札を設定すると、インターネットユーザーおよび広告配信に関する情報を読み込んで、最適化します。自動入札の最適化をうまく機能させるためには以下のデータ蓄積が必要になります。

また、自動入札ではさまざまな情報を加味し総合的に最適化を行うため、利用される情報ごとにキャンペーンや広告グループを分割する必要はありません。(年齢や性別や地域など)
最適化を安定して機能させるためにはデータが蓄積されやすいように、シンプルなアカウント構造での運用が推奨されています。
複数の広告グループをまとめる場合は、最適化の対象となる指標(コンバージョン数またはクリック数、動画再生数)の実績値が多く発生している広告グループにその他広告グループの広告を統合することをおすすめします。

Meta広告(Facebook/Instagram広告)

Meta広告では、各広告セット1週間に50件以上のコンバージョンを獲得している必要があり、キャンペーン予算で最適化を設定している場合には、キャンペーン単位で1週間50件のCVを獲得していることが推奨とされています。
上記件数に満たない場合、媒体上で十分なデータ収集が行えず、確度の高いユーザーの獲得機会の損失につながってしまいます。
広告セットを分けすぎてしまうと、その分最適化に必要な情報も分散してしまい、1週間で50件以上のコンバージョンを確保することが難しくなってしまいます。
そのため、広告セットの数は細分化しすぎず、それぞれの広告セットにできるだけ多くのデータが集まる設計にすることをおすすめします。
多くのデータが集まる設計として、広告の本数を例に挙げると、Facebook広告では1広告グループあたり、3〜5本(多くて6本)の広告本数が推奨とされています。

LINE広告

LINE広告では、1つの広告グループに「月間40件以上」のCV数を蓄積することで学習が安定し、効率的な配信が可能になります。
学習が安定するまでは、目標に対しての配信効果が合わない事が続く可能性があるため、必要以上に広告グループを分けて配信を分散しすぎないことを意識しましょう。
月間で40件のCV数が見込めず、中々最適化がかからない広告グループの場合には、MCV(マイクロコンバージョン)を最適化ポイントに設定することで、学習を安定させるスピードを早めることもできます。
しかし、MCVへの最適化は学習に最適な件数はたまる一方で、対象となるユーザーが獲得から離れたところでの行動が対象となってくるため、確度の高い学習がはたらかない場合もあります。その場合は、獲得件数が少なくても、獲得に近い階層をMCVとして設置するのをおすすめします。

※LINE広告に関しては媒体の推奨としては「期間」の指定はありません。
実際時間を掛けても広告グループで40件程度CVを蓄積してから、大幅に改善する事例も見受けられます。

しかし、情報の密度は高い方が学習には最適ですので、1ヶ月で40件を目指すのがベターかと考えます。

Twitter広告

Twitterキャンペーンはより高い最適化を図るために1キャンペーンあたり20CV/日が推奨とされています。
また、最適化は広告キャンペーンの設定、オークションの落札、インプレッション数の向上、エンゲージメントの獲得のチャンスを広げることが重要となります。

クリエイティブ・ターゲティング・入札別での最適化のポイント

最適化のために重要なポイントをクリエイティブ・ターゲティング・入札別でご紹介します。

①クリエイティブ
・ツイートを複数用意する(パフォーマンスの高い広告を判断する選択肢の広告を増やす)
・クリエイティブを頻繁に更新する
②ターゲティング
・ターゲットを絞る(関連性の高いオーディエンスに絞ることで、興味があり反応する可能性の高いオーディエンスに配信される機会を増やすことができます。
しかし、狭すぎるとCPMが上昇するリスクがあるため注意をしましょう。
③入札
入札の種類は、入札額が最適化される「自動入札」、請求可能なアクションごとに手動で細かく調整が行える「上限入札単価」「目標入札単価」があります。
自動入札は最大限配信が出るよう高い入札単価での入札を行う傾向にあるため、自動入札ではなく目標入札単価での入札を行うのが推奨となっています。

TikTok広告

TikTokの入札は大きく【入札上限】【目標成果単価上限】【最小単価】があります。
入札上限と目標成果単価上限は手動入札となっており、結果の単価をコントロールしたい際に使用をすることをおすすめします。
最小単価は手動での入札が不要となっており、広告セットの予算内で可能な限り多くの結果を達成するために働きかけます。最小入札が最適に働くためには配信の推奨設定があります。
下記内容を達成しているか最小入札を行う際の参考にしてみてください。
・キャンペーンレベルでの予算を無制限に設定する
・広告セットごとに少なくても50件以上のコンバージョンを獲得できる日予算の設定
(「目標CPA×20倍以上」の日予算が推奨です)
・広告セットを地域別、OS別に分ける
・新しいクリエイティブ、もしくは過去にいい結果を出したクリエイティブを使用する

SmartNews広告

SmartNews広告では1キャンペーンあたりのコンバージョン数に応じて最適化が働きます。
そのため、安定した最適化を機能させるためには、キャンペーンを必要以上に分けずにシンプルなキャンペーン構成を心掛けることをおすすめします。
目安としては、過去30日間で30件以上のコンバージョンがあることが推奨とされています。

前述のように、キャンペーンを必要以上に分けずにデータの分散を防ぐ事が重要になってく、コンバージョン獲得やCPA(獲得単価)を追っていく、いわゆる「獲得案件」であれば、下記のような構成で広告配信をするのがおすすめです。

① ブロード(ターゲティングセグメントを切らない。年齢・性別くらい)
② リターゲティング
③ 類似拡張

Pinterest広告

Pinterestにて自動入札の最適化を行うためには、キャンペーン単位で1週間に50件以上のコンバージョンが推奨とされています。十分なデータが蓄積されることで適切な広告の配信対象ユーザーを学習しコンバージョンの可能性が高いユーザーへ広告が表示されます。
注意点としては、キャンペーンに変更を加えた後は再測定、学習、調整に 3~5 日間ほどかかってしまうため、変更を加えるのは 1週間に2回以内に抑えることをおすすめします。

また、1つのアドグループに含まれる広告の数が多いと、広告1つあたりのインプレッション数のボリュームが少なくなり、広告素材に関する正確なデータを得ることが難しくなる可能性があるため、アドグループごとの最適なピンの数は2~4件が最も効果的とされています。

Criteo広告

Criteoは、Criteo AIエンジンのコアコンポーネントの1つである予測入札を使用して広告を入札します。webでの入札エンジンが8種類あり広告配信の目標に応じて入札エンジンの設定を行い、エンジンによっての最適化が働くための条件があります。
また、エンジンには手動エンジンと自動エンジンがあり、最初は手動エンジン(COエンジン)から配信開始となっております。
エンジン切り替えの際は、切り替えを行いたい目標エンジンによって最適化がかかる条件があり、学習が蓄積後に切り替えを行うことが可能です。
各エンジンの自動入札が働くために必要な切り替え条件(学習)は下記になります。

まとめ

以上が広告運用における主要媒体の、自動入札の効果が発揮されるに必要なコンバージョン数と、そのコンバージョンを集めるための推奨設計になります。
自動入札は確度の高いユーザーデータを収集するほど、コンバージョンの拡大が見込めるため、適切な設定と運用を行って効果的な配信を行っていきましょう。


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