気(Qi)がつかえるようになりました

大気中の波動をこの手に

一般的に気というと中国の哲学用語として知られ、日本では『ドラゴンボール』を通して若者にも広く普及した概念であるといえるでしょう。

かくいう筆者も典型的なドラゴンボール世代ではあるので、子供の頃よりかめはめ波の練習などはしていましたし、おおげさにいうわけではなくて比較的最近までまじめにかめはめ波が出せるのではないかと考えていました。

冷静になって考えてみれば出せるわけがないのですが、筆者はその点頭が悪いので真面目に出せるだろうと思っていたものです。

そんな筆者が今日になって気(Qi)を入手したということで、頭でも打ったのかと思われるかもしれませんが、別に嘘はついていません。本当に気(Qi)を入手したのです。

それも無印良品で。

無印良品の無線充電器(Qi)を購入してみた

筆者のいう気(Qi)とは無線充電の規格のことを指しており、最近ではiPhone 8以降のiPhoneで採用されたことから急速に普及したものです。

筆者は店頭で購入したのですが、一応無印のサイトでも購入できるようであり、たまたま半額セールだったのでこのタイミングで購入した人も多かったようですが、気持ち充電が遅いかな? とは感じますがやはり無線充電は楽ですね。

筆者が購入したものがどうなのかは不明ですが、最近の無印良品の充電器関係はAnkerのOEMであるとの噂がもっぱらであり、そうしたこともあってか品質面では高い水準を保っているようです。

それに無印良品特有のシンプルなデザインがあわさった結果として、本家本元とはまた異なる魅力を感じ取ることも可能なようです。

と、ここまでは話の前菜であり、筆者が本当に言及したかったのはQi規格と中国企業Ankerの関係です。

Qiは中国人にこそ使えるもの?

現在では代表的な充電器メーカーとしての地位を確立した感のあるAnkerですが、その品質の高さと社名の印象から、欧米、とりわけ米国の企業であると勘違いしている人も多いようであり、実際にAmazon.co.jpの商品レビューにおいては「中国製のバッタもんとは比較にならない高品質」といった書き込みが複数みられるようです。

でも、それ、中国製品なんです。

実はAnkerは元Google社員であったSteven Yangによって2011年に設立された新興企業であり、本社機能も湖南省長沙市にある典型的な中国のシリコンバレー型企業であります。

Ankerはモバイルバッテリーでも有名ですが、中国とバッテリーといえば現在論争を巻き起こしているEVの話が嫌でも思い浮かぶでしょう。

日本では中国のEVといえば大変に不評ですが、実は日本人の多くが活用している高品質なモバイルバッテリーの多くはAnker製であり、EV的な文脈は既にわれわれの生活に深く根をおろしているという実態もあるわけです。

当然Ankerは無線充電(Qi)の分野においても筆頭に挙げられる企業なわけですが、実はこのQiという無線充電に関する国際標準規格は当初日本企業が先導していました。

しかし、当時はEVの世界においても三菱のi-MiEVや日産のリーフといった先駆例がありながら、当の日本人自身がその将来性を否定するという流れがあった時代であり、その間隙を縫うかたちで中韓の企業が先行することになったという苦い経験がありました。

ある意味でQiもその流れにいたってしまったといえるわけであり、中国企業であるAnkerの独擅場になってしまったという流れがありました。

しかし、このQiという名称、実は中国語の気(Qi)に由来する名称であり、政権交代期の2009年に名付けられたものです。

当時は民主党政権の時代であり、小沢一郎による訪中などが話題になっていた時代でもあり、今問題となっている習近平もその頃に日本で知られるようになったという経緯がありました。

そんな時代の空気を反映したともいえるのがQiという名称だったわけであり、令和という元号が国書から採用されるようになった保守的な現代(2023年)においては想像もできないような話であるといえるでしょう。

それが今にいたって猛威を振るっているというわけです。

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