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911

アメリカに初めて行ったのは2001年9月。東京から香港行きの飛行機が原因不明の遅延となり、記憶が定かではないけれど1日未満、10時間以内の遅延となり、まだ若かった僕はそういうこともあるかなと空港で今考えればどうやって過ごしたか分からない数時間を過ごしました。
数時間、どちらかというと2桁に近い数時間を空港で過ごし、搭乗案内が始ました。遅延の明確なアナウンスはなかったと記憶しています。1997年に深圳に短期留学をしていたこともあり香港へは当時毎週のように行っていたこともあって、その時はたいした不安もなかったのです。
7時間ほどのフライトを終え、香港の空港に着き、いつものように中華料理の油に匂いがする九龍の重慶マンションの安宿に入りテレビを付けました。
部屋のすみっこの上に括りつけられたテレビにはビルに旅客機が突っ込んでいる映像だけが繰り返し流れていました。
なんだこれ?香港か?物騒だなとテレビをつけっぱしにし、しばらく経って状況を理解し始めました。それは香港ではなくNYからの映像でした。
それがわかってもすぐには理解できない自分がいました。航空機がNYのビルに突っ込んでいく映像とテロップが出ているのに、理解できていないのです。
9月11日、遅延した東京発の香港行きの飛行機はUAでした。UAという文字がテレビのテロップに流れ続け頭の中で全てがつながり、そういうことか、そういうことが起きたのだ、とはじめて理解しました。



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