見出し画像

1カ月以上遅れて、事業再構築補助金の第11回の採択結果が2月13日に発表されました。

採択率は過去の約半分となる約26%で、かなり厳しい状況になりました。


なぜここまで採択率が下がったのか

採択率が下がった理由を推測してみると、今後の動きが見えてきます。

この補助金では15ページ以内で事業計画書を提出し、審査を受けます。
今回だけ申請者の事業計画書の出来が悪かったとは考えにくいです。

では、今回なぜここまで採択率が悪化したか。


推測するための情報は事業再構築補助金の第12回以降の予定について書かれています。

事業再構築補助金HPより

この補助金、コロナ禍で中小企業の事業構造を変えることを推進するために始まったものでした。しかし、そういった類のものが少なくなり、ものづくり補助金など他の補助金との区分けが明確でないという状況になってきたと推察されます。

昨年秋の事業レビューでの指摘を見る通り、実際に事業転換に役立っているかもっとチェックすべき(モニタリングの仕組みが必要)だと指摘されており、その効果が見えないと有識者からコメントされている事が見て取れます。

つまり、事業再構築補助金は当初の市場環境と変わってきているため、その目的や補助する事業の特性を見直す時期だということです。

第11回の採択結果発表がこれまでにない程大幅に遅延し、第12回の日程が発表されない状況を見ると、予算使用の制限が掛かっていると考えるのが自然です。


事業再構築補助金は継続するか

私見では、事業再構築補助金自体は現在の制度のままでは継続されないと考えています。

2024年度の予算として事業投資を促進する名目で計上されている予算は複数あり、中小企業の事業促進を目的とした補助金は継続されると思われます。

ただし、目的・要件が今までの様な条件ではなくなると考えられるので、現在の事業再構築補助金の要件で申請を考えていた事業者は注意が必要でしょう。


補助金は麻薬に近い

資本力のない中小企業に補助金を出してでも事業を促進して欲しいという国のサポートは理にかなっていますし、十分理解できます。

個人的には、モニタリングが必要などあった様に、補助金を出して終わりではなく、その後の伴走支援もセットにするなど実行面も充実させないと効果が薄いのではないかと考えます。

また、事業転換させたいのか、設備更新させたいのか、補助金の種類が多いので、この辺りの整理はあってもよいかと思います。(所管部署の方が考えているとは思います)

色々言われますが、官僚の方たちは優秀です。現状の市場課題が分かっていない訳でもありません。私個人は補助金は使う方にも問題が大きいと思っています。補助金が出ると投資額が半分になるなどかなり負担が減ります。そうなると、ROIが十分でないものでも実施してしまえ!となる可能性が高まります。
また、事業再構築補助金の目的に沿っていないのち、貰えるんなら申請してみようか、といった考えで提出している事業者も多いです。

何かあると「自分達の納めた税金を無駄使いするとは何事だ!」となりますが、いざ自分がその大切な税金を使った補助金を受け取る側になると、「これは皆さんが納めた税金から出ているお金だから心して使わなければ」と身が引き締まる思いで実施されている事業者はどれほどいるでしょうか。

実施する側も、補助金の意図を理解して、事業の発展に効果的に使える様になっていきたいものです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?