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世界初!イギリス政府、2024年からZEV販売義務化、2035年完全移行へ段階規制を公開。

ヨーロッパ経済ニュースEUROPE NNAは2023年10月02日に、イギリス政府は2023年09月28日に、2035年までに新車販売を全てZEV(Zero Emission Vehicle/ゼロエミッション車)とするため、自動車メーカーに対して段階的に販売比率を高めるよう義務付ける計画を発表したと報告した。

2024年は新車販売に占めるZEVの割合を22%に設定し、2030年には80%に引き上げる。
販売目標を達成できなかったメーカーには、罰金を科す。

ZEVの販売比率は、1年ごとに上昇。
2024年は乗用車で22%、バンでは10%とし、
2028年には乗用車で52%、バンでは46%に、
2030年には乗用車で80%、バンでは70%に引き上げ、
2035年に乗用車とバンのいずれも100%とする。

違反の罰金は乗用車で1台当たり最大£1万5,000。ただし、未達の場合には販売目標を上回ったメーカーからZEV以外の車両の販売枠を購入できるほか、将来の販売枠との一定の相殺を容認するなど、罰金を免れるための柔軟性を持たせた。

政府は2022年04月に、ZEVの普及促進に向けた規制案として、メーカーに対する年間販売目標の義務付けを提案。

今回はこの従来案に沿って、2035年までの完全移行を義務付けた。

政府は2023年09月に、2030年までにガソリン車とディーゼル車の新車販売を禁止する計画を35年まで先送りすると発表した。

EV(Electric Vehicle/電気自動車)への移行に巨額の投資を行ってきた自動車業界は、混乱を懸念し、反発していたが、ZEVの販売義務付けが予定通り導入されることで、ガソリン車禁止先送りの影響は限定的となりそうだ。

イギリスのSMMT(Society of Motor Manufacturers and Traders/自動車製造取引業者協会)の最高経営責任者(CEO)マイク・ホーズ(Mike Hawes)は2023年09月28日に、「SMMT statement on the Zero Emission Vehicle Mandate」を公開し、

「残り100日を切り、メーカーは来年、そして2030年までに何を販売する必要があるのかをようやく明確にしました。業界は脱炭素化に数十億を投資しており、ネットゼロを達成するための最も重要な手段としてこのメカニズムの重要性を認識しています。¥この多様な分野を考慮して、現実的で公平な提供をサポートするために柔軟性が組み込まれているにもかかわらず、使命を遂行することは業界にとって課題となります。

この義務は、イギリスが主要市場の中で最も野心的な移行スケジュールを維持しているにもかかわらず、民間消費者のインセンティブがないことを意味していることは注目に値します。さらに、2030年から2035年までの販売適格車両に関する定義を含む、2030年以降の規制枠組みが欠如しているため、投資の不確実性が生じています。

メーカーはさまざまなZEVを提供していますが、需要と供給も一致する必要があります。 私たちは、大規模な車両更新を実現し、活気に満ちた中古EV市場を確保し、消費者に自信を与える活況な市場を必要としています。 これは、財政的およびその他のインセンティブ、義務付けられたインフラストラクチャ目標、およびドライバーに今すぐ乗り換えるよう促す一貫したメッセージを含む魅力的なパッケージを意味します。(With less than 100 days to go, manufacturers finally have clarity on what they are required to sell next year and up to 2030. The industry is investing billions in decarbonisation and recognises the importance of this mechanism as the single most important measure to deliver net zero. Delivering the mandate will challenge the industry, despite the flexibilities now included to support pragmatic, equitable delivery given this diverse sector.

It is worth noting the mandate means the UK still retains the most ambitious transition timeline of any major market but without any private consumer incentives. Furthermore, the lack of a post-2030 regulatory framework, including a definition as to the vehicles eligible for sale from 2030 to 2035, creates investment uncertainty.

Manufacturers offer a vast range of zero emission vehicles, but demand must also match supply. We need a buoyant market that delivers fleet renewal at scale, ensures a vibrant used EV market and gives consumers confidence. This means an attractive package of fiscal and other incentives, mandated infrastructure targets and a consistent message that encourages drivers to switch now.)」と述べている。

イギリスが世界で先発を切った。

合議制のEU(European Union/欧州連合)は、乗り遅れている。

2023年07月20日---インドのタタ、イギリスに£40億投資し、EV電池工場を建設。
2023年05月15日---トヨタのEV専任組織「BEVファクトリー」が始動。
2023年04月25日---イギリスの乗用車保有台数。3515万台に増加。パンデミック後で初のプラス。
2023年04月12日---アメリカ人の多くはEVを完全に理解していない。
2023年03月06日---EU理事会のCOREPERのホルムベリ報道官が、ICE車販売禁止巡る採決を延期したと発表した。
2023年03月03日---EU理事会、ICE車販売禁止巡る採決延期。
2023年02月28日---2035年、ICE車販売禁止に、ドイツ、イタリア、ポーランド、ブルガリアなどが反対姿勢。
2023年02月06日---イギリスの新車登録台数。2023年02月は26%増加。前月から伸び加速。
2023年01月26日---イギリスの乗用車生産、半導体不足続き2022年は10%減。過去66年で最低。
2023年01月05日---イギリス、2022年の新車登録、過去30年で最低。
2022年11月04日---イギリスの新車登録台数。2022年10月は26.4%増加。伸び大幅加速。
2022年10月14日---ドイツのVW、2022年09月の世界販売は20.7%増加。
2022年10月05日---イギリスの新車登録台数。ナンバーの年度切り替えが寄与し、2022年09月は4.6%増。
2022年09月29日---世界史上最大のIPO(新規株式公開)の歴史。
2022年09月28日---ポルシェはIPOの準備ができているのか?
2022年09月20日---ドイツのポルシェ、新規株式公開の仮条件を設定。
2022年09月20日---ポルシェ、26年ぶりの大型IPOを目指す。
2022年07月06日---イギリスの新車登録台数。2022年06月24.3%減少。過去30年弱で最低。
2022年06月16日---ヨーロッパ新車登録、2022年05月は12.5%減少。
2022年06月06日---イギリスの新車登録台数。2022年05月は過去20年超で最低。14.3%減。
2022年04月07日---イギリスで2028年に、新車の半数超をEVにする新規制案。
2022年04月05日---イギリスの新車登録台数。2022年03月は過去20年超で最低。14.3%減。
2022年03月04日---イギリスの新車登録台数。2022年02月は15%増。
2022年02月04日---イギリスの新車登録台数。2022年01月は28%増。
2022年01月06日---イギリスの新車登録台数。パンデミック前水準は遠く微増。
2021年10月05日---イギリスの新車登録台数、2021年09月は34.4%減 2013年以降で最低水準。
2021年09月16日---ヨーロッパの新車登録。2021年08月は18.1%減少。
2021年09月06日---イギリスの新車登録台数、2021年08月は22%減少 2013年以降で最低水準。
2021年05月05日---イギリスの新車登録台数はコロナ規制の反動で、2021年04月は大幅回復。
2021年04月06日---イギリスの新車登録台数、2021年03月は11.5%増加。
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2021年02月04日---イギリスの新車登録台数、2021年01月は40%減!
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2021年01月06日---イギリスの新車登録台数、2020年は29%減「失われた年(lost year)」、28年間で最低!
2020年12月04日---イギリスの新車登録台数、2020年11月は27.4%減少。
2020年11月24日---イギリス自動車協会、UK-EUに「通商合意なき離脱」回避を要請。
2020年08月05日---イギリスの新車登録台数、2020年07月は11%増。
2020年06月26日---イギリスの乗用車生産、2020年05月は95%減少。
2020年06月23日---イギリス、自動車業界のグリーン技術開発に£7,350万を支援。
2020年06月12日---ショック!日産、イギリスのサンダーランド工場で250人弱整理。
2020年06月03日---日産、EUへの無関税アクセス維持訴え、イギリス工場の存続に警鐘。
2020年05月28日---日産、スペインのバルセロナ工場を閉鎖。
2020年05月05日---イギリスの新車登録台数。2020年04月は97%減で、過去70年間超で最低を記録。
2020年03月19日---自動車各社、新型コロナでヨーロッパの生産停止。
2020年03月09日---日産、イギリス工場に£4億投資。
2020年02月05日---日産、イギリスで370kmの自動運転試験を完了。
2020年02月04日---イギリス、2050年ゼロ排出達成に向け、ガソリン車販売禁止前倒し方針。
2020年01月31日---イギリス政府はEU離脱当日、サンダーランドで記念閣議を開催。
2020年01月16日---ヨーロッパの新車登録。2019年は増加。
2019年02月17日---ヨーロッパの新車登録。2019年11月は4.9%増加。
2019年10月16日---ヨーロッパの新車登録。2019年09月は14.5%増加。
2019年10月04日---イギリスの新車登録台数、2019年09月は1.3%増加。
2013年07月16日---ヨーロッパの新車登録。2013年06月に5.6%下落。
2013年03月14日---自動車製造業者は、排気テストの結果を操作している。
2012年09月06日---ホンダはイギリスのスウィンドン工場に£2億6,700万を投資。
1986年09月08日---日産が、最初のヨーロッパ工場をオープン。

https://www.gov.uk/government/news/government-sets-out-path-to-zero-emission-vehicles-by-2035
https://www.gov.uk/government/consultations/a-zero-emission-vehicle-zev-mandate-and-co2-emissions-regulation-for-new-cars-and-vans-in-the-uk/outcome/zero-emission-vehicle-zev-mandate-consultation-summary-of-responses-and-joint-government-response
https://assets.publishing.service.gov.uk/government/uploads/system/uploads/attachment_data/file/1005301/transitioning-to-zero-emission-cars-vans-2035-delivery-plan.pdf
https://www.smmt.co.uk
https://www.smmt.co.uk/2023/09/smmt-statement-on-the-zero-emission-vehicle-mandate/

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