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ロンドンの金鉱管理団体、タンザニアの鉱山労働者の死亡事件で裁判に直面。

スイスの情報サイトSWI swissinfo.chは2024年06月17日に、北マラ金鉱山(North Mara Gold Mine, Tanzania)で金の採掘中に殺害されたタンザニアの若い職人鉱山労働者2人の仮名ジョン(John)とピーター(Peter)の家族は、イギリスの司法制度に正義と補償の希望を託している。スイスに拠点を置くMKS PAMP SAグループの精錬所に金を供給していた鉱山で、警察の暴力とされる別々の事件で2人が殺害されてからほぼ5年が経つ。

ロンドン高等法院(The High Court in London)は、ついにLBMA(London Bullion Market Association/ロンドン貴金属市場協会)に対する訴訟を受理することになった。同協会はタンザニアの鉱山の金が深刻な人権侵害を受けていないと不当に認定したと主張している。LBMAは世界最大の金市場を監督し、責任ある調達基準を堅持している。
スイスの精錬所は、金と銀の延べ棒の国際取引にLBMAの承認印を頼りにしている。

LBMAのグッド・デリバリー・システム(The LBMA Good Delivery system)には、最高品質の貴金属延べ棒が市場に出回ることを保証する措置のほか、マネーロンダリング、気候変動、人権侵害と闘う措置が含まれている。
ジュネーブを拠点とするインダストリオール・グローバル・ユニオンの鉱業担当ディレクター、グレン・ムプファネ(Glen Mpufane, the Geneva-based director of mining at IndustriALL Global Union)は、「この訴訟で設定される前例は大きい」と、言う。「この訴訟で重要なのは、通常のグリーンウォッシングや認証制度の評判リスクなどを超えていることです。この訴訟は、「説明責任、法的説明責任、そして職人的な小規模採掘に対する救済へのアクセスをもたらします。この事件の波紋は鉱業業界に波及するだろう(What is important about this case is that it goes beyond the usual greenwashing, reputational risk of certification schemes and so on. It brings accountability, legal accountability… access to remedy for artisanal small-scale mining. The ripples of this case will go through the mining industry.)」と述べている。

イギリスの法律事務所リー・デイ(Leigh Day)は、2019年にノース・マラ金鉱山で殺害された2人の職人鉱山労働者の遺族を代表して、2022年12月にこの訴訟を起こした。この鉱山は、世界最大の金鉱山会社の一つであるカナダの多国籍企業バリック・ゴールド・コーポレーション(Canadian multinational Barrick Gold Corporation)が過半数を所有している。長年にわたり、この鉱山から採掘された大量の金は、スイスの精錬所MKS PAMPとそのインド子会社MMTC-PAMPによって精錬されてきた。

アフリカにいるイギリス人は、まだ奴隷時代の感覚が抜けていない時がある。

実はケニヤ独立も、その結果として実現した。

北マラ金鉱山(North Mara Gold Mine, Tanzania)の緯度、経度。
1°25'50.8"S 34°33'52.5"E
または、
-1.430778, 34.564575

https://www.swissinfo.ch/eng/multinational-companies/lbma-faces-trial-over-tanzania-gold-miners-death/80942575
https://www.hrw.org/news/2024/06/12/tanzania-police-linked-killings-gold-mine
https://www.hrw.org/sites/default/files/media_2024/06/Letter from Barrick in response to HRW - June 11%2C 2024.pdf


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