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石油大手シェル、イギリスとEUの超過利潤税US$24億に達する。

ヨーロッパ経済ニュースEUROPE NNAは2023年01月09日に、イギリスの石油大手シェルは2023年01月06日に公表した2022年第4四半期(10~12月)の財務見通しで、当期にEU(European Union/欧州連合)域内とイギリスで課される超過利潤税が計US$20億に達すると明らかにした。

第3四半期決算で計上された超過利潤税US$3億6,000万と合わせると、通年で約US$24億近くを支払うことになる。

超過利潤税の国別の内訳は示されていないが、シェルが5年ぶりにイギリスでの納税を余儀なくされることは確実となっている。シェルは近年、イギリス領北海での投資や油田閉鎖を巡る税控除により、イギリスでの納税額がゼロとなっていた。

イギリス政府は2022年11月に発表した秋季予算案で、石油・ガス会社を対象とした超過利潤税の税率が現行の25%から35%に引き上げるとともに、課税期間を3年延長し、2028年03月までとした。

この結果、石油・ガス事業の利益に対する課税率は合計で75%と、世界最高水準に達している。

これを受け、シェルはイギリス事業に今後10年間で最大£250億を投資する計画を見直す方針を示していた。

一方、EUも2022年09月、石油・ガス会社などから一定水準を上回る利潤を徴収することで合意。2022年度または2023年度の課税対象利益が2018年以降の平均利益を20%以上、上回った場合に超過分を徴収することを決めた。域内で計€250億の税収が見込まれているが、米国の石油大手エクソンモービル(Exxon Mobil Corp.)はこれを不服とし、欧州一般裁判所に提訴している。

Exxon Mobil Corp

苦しいときは、相身互いである。

OPEC


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