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Facebook、Google、Microsoftによる、NFT乗っ取りに警戒。

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Forbes JAPANは2022年01月26日に、オーストラリアのNFTアーティストのセルワ・アタフア(Serwah Attafuah)は、Facebookのメタバース(Metaverse)のプラットフォームから距離を置こうとしていると報告した。

Facebookの子会社であるInstagramで2万人のフォロワーを持つ彼女は、そこで作品の宣伝を行っていたが、ここ最近、詐欺や著作権侵害などが相次いだ結果、インスタグラムの利用を減らしているという。

イギリスの経済新聞「FT(フィナンシャル・タイムズ/Financial Times)」は2022年01月20日に、メタバースが傘下のFacebookとInstagramのプロフィールにユーザーが所有するNFTを表示する新機能に取り組んでいると報じた。
しかし、セルワ・アタフアは、FacebookやInstagramに可能性を感じないと述べている。

彼女は、「正直言って、どちらのプラットフォームも信用できない」と言う。

https://time-az.com/main/detail/76117

Forbesが取材した他のNFTアーティストたちも、Instagramから逃げ出し、Twitterなどの他のプラットフォームに移動している。
彼らは、ソーシャルメディアの巨大企業であるメタバースが独自に立ち上げるNFTプラットフォームに懐疑的だと述べている。

「DreamingatDusk」と呼ばれるアート作品でUS$200万を売り上げ、世界で最も売れる女性NFTアーティストと呼ばれるイッツェル・ヤード(Itzel Yard)も、Instagramにはなりすましが溢れていると話す。

「誰かが私のInstagramをスクレイピングして、そこからすべてを取り出し、マーケットプレイスのOpenSeaに投稿していたことがあった」と、彼女はForbesに語ったと伝えている。

NFTの専門家やアーティストたちは、いくつかの理由でメタバースの戦略を警戒している。

最もおきな違いは、メタバースは中央集権的なビジネスモデルを展開しているが、NFTコミュニティは分散化と自律性を重視している。

メタバースは自社のプラットフォーム上のコンテンツを検閲しようとしているが、NFTのアーティストは表現の自由を尊重している。

さらに、メタバースは大金を稼げるWeb3のイノベーションを利用するために流行に乗っているだけではないかという疑念もある。

これに似たことが、Googleでも起こっている。
Googleは子会社のYouTubeを利用しているが、メタバースとInstagramの関係に酷似している。

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YouTubeがNFT導入へ、クリエイターの収益化を支援するというのもInstagramに似ている。

YouTubeのCEOのスーザン・ウォジスキ(Susan Wojcicki)は、2022年01月25日のクリエイター向けの年次書簡で、同社がNFT機能の提供を検討中であることを明らかにした。

ウォジスキは、YouTubeがNFTを含む新興テクノロジーを通じたクリエイターの収益化を支援することに注力していると述べ、この試みが形になれば、YouTubeとGoogleの親会社のアルファベット(Alphabet)が、初めてこの市場に参入することになると述べた。

彼女はまた、YouTubeが暗号通貨を中心に構築されたインターネットコミュニティの「Web3」に注目しており、イノベーションの「インスピレーションの源」になると考えていると述べた。

つまり、アルファベットがNFTを根こそぎ盗もうというのである。

Twitterは先週、ユーザーが自分のNFTをプロフィール写真に設定して、この市場に参加したことを示すことを可能にした。
この機能を使用するユーザーのプロフィールは、通常の円形ではなく、六角形の枠で表示される。

フィナンシャル・タイムズは、FacebookとInstagramのチームが、NFT開発者Twitterが提供するものと同様の機能を追加しようとしており、ユーザーがNFTを作成して販売できるようにするための別の機能にも取り組んでいると報じていた。

ここでも、FacebookとGoogleの親会社アルファベットが、Twitterが開発したNFTを乗っ取ろうとしていることが明らかになっている。

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調査会社のDappRadarによると、昨年のNFTの販売ボリュームはUS$249億(約2.8兆円)に達し、2020年のUS$9490万から爆発的に増加していた。

NFTは、ブロックチェーン上で売買できるデジタル資産であり、アート作品に用いられる場合が多い。
ここ最近は様々な著名人や、ファッションブランド、スポーツリーグ、オークションハウスの参入が相次ぎ、元大統領夫人のメラニア・トランプまでがこのトレンドに乗っている。

ここに来て、ソーシャルメディアの大手が相次ぎこの市場に参入し、クリエイターに新たな収益機会を提供すると言って、根こそぎ乗っ取ろうとしている。
米国の新聞「ワシントンポスト(Washington Post/電子版)」は、NFTが「新たなデジタルのステータスシンボル」で、人々が特定のグループの一員であることや、「社会的ヒエラルキーの中での自分の位置を確認し、表示するためのツール」として機能していると分析している。

テクノロジーアナリストで投資家のユージン・ウェイ(Eugene Wei)は、NFTのプロフィール写真は、「暗号通貨コミュニティへの忠誠心」を示すものでもあるとその記事で述べている。

しかし、その精神がFacebookとGoogleにあるのか?

ただ食い荒らして、荒稼ぎをしたいだけだろう。

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それは、仮想通貨とNFTをダメにする結果を招くだけである。

Coresight Researchは2022年01月23日に、マイクロソフト(Microsoft)によるアクティビジョン・ブリザード(Activision Blizzard)の買収発表を受けて、次のコンテンツ戦場としてのゲーム(Gaming)とバーチャルワールド(Virtual Worlds)について論じている。

これは、マイクロソフトも、FacebookとGoogleに次いで、食い荒らして、荒稼ぎに参入しようということだろう。

この3者は、仮想通貨とNFTの市場に現れたジャイエナである。

しかし、ジャック・ドーシー(Jack Dorsey)と、音楽プロデューサーでラッパーのジェイ・Z(Jay-Z/本名:ショーン・コーリー・カーター/Shawn Corey Carter)が、そう簡単に餌食にはならないだろう・・

これからは、わたしにとって楽しい場外乱闘が起こることだろう。

私は新しい双眼鏡で、場外乱闘を観戦できることだろう。

第一戦は、Facebookのマーク・ザッカーバーグ(Mark Zuckerberg)が仮想通貨「リブラ(Libra)」で、ジャック・ドーシーに滅多打ちされ負けている。

次の戦いは、どうなる。

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2022-01-23---デボラ・ワインスウィッグ(Deborah Weinswig)のデスクより
2021-03-06---ジャック・ドーシーとジェイ・Zが狙う「NFT」とは何か?

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