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IMFの「IMF Country Focus」は、日本。

IMF(International Monetary Fund/国際通貨基金)が定期的に公開している「IMF Blog」で、国ごとの情報をまとめて報告する「IMF Country Focus」は2023年11月13日に、許睿(Rui Xu)による「日本」を紹介した。

日本は世界で最も高齢化している国のひとつであり、1990年代後半から生産年齢人口が減少している。それにもかかわらず、日本の一人当たりのGDP(Gross Domestic Product/国内総生産)成長率は2012年から2019年にかけて、安倍晋三首相が提唱した金融刺激策、財政の柔軟性、構造改革を組み合わせた「アベノミクス」を背景に、目覚ましく伸び、そのペースは米国に次いで2位である。

一人当たりのGDPの伸びは、労働市場に参入する女性の数の増加が大きな要因である。日本の女性の労働参加率は、2012年の63%から2022年には74%に上昇した。新規参入者の多くは元専業主婦で、政府による育児支援の強化や産休制度の改善により、労働市場に復帰することができた。こうした女性労働者の増加は、同国の慢性的な労働力不足を緩和し、家計の収入を押し上げ、成長の原動力となった。

しかし、女性の労働参加率の上昇傾向は現在、鈍化しており、じきに頭打ちになる可能性が高い。日本は新たな成長の原動力を模索している。

よく提案される解決策のひとつが、海外からの人材を増やすことである。G7諸国の中で日本は外国人労働者の数が最も少なく、労働力に占める割合はわずか2.8%である。政府は海外からより多くの熟練労働者を呼び込むための政策を実施しているが、現在の政治的環境では人口減少を相殺できる規模には達しそうにない。

労働者を増やさずに生産を上げるためには、既存の労働力の生産性を高めなければならない。生産性向上に関するわれわれのこれまでの分析では、自動化やデジタル化を勧めているが、どちらもSTEM(science, technology, engineering and math/科学、技術、工学、数学)分野の人材が必要であり、日本ではそれが不足している。

日本は、科学、技術、工学、数学分野の人材不足?
私は、日本以外の国と比較すると、高い方だと感じている。
データが、古いのではないだろうか?
全てに、時間軸がないのも不思議である。

日本は作戦的にGDPを抑え、インフレを抑制した。

GDPだけで走った国は、コロナとウクライナ戦争、エネルギー問題により、インフレで苦しんでいる。

最近インフレが落ち着いてきたが、このバランスで成功しているのは日本以外では数少ない。

われわれの最近の研究は、日本の女性が改めて、成長の原動力になり得ることを示唆している。多くの女性が、安価な労働力となるのではなく、STEM分野でのキャリアを追求することを奨励すべきである。日本におけるSTEM専攻の女子大学生はわずか7%であり(男子学生は36%)、これも他の主要国より低い。

教育では、男性より、女性の方が高学歴を望む傾向があり、多くて、大学が悩むほどである。

データが古すぎるようだ。

以前も、ドイツ人が日本語が読めないで、不思議データから報告をしていた。

IMFに日本の白書を読める人が何人位釣るのだろう。

以前、あるところで査読をすると言ったが、日本が読めないので拒否したことがあり、日本語が研究の障壁にもなっている。

女性の少なさは、女性の才能不足ではなく、日本に存在するSTEM分野の女性に対するさまざまな障壁を反映する。これらの障壁を取り除くことで、STEM人材の供給が増え、自動化、デジタル化、イノベーションに不可欠な日本人労働者が増える。

この企業内の障壁は正しい。

STEM人材を経済成長の原動力とするモデルを用いたわれわれの研究によると、STEM職に就く女性が直面する障壁を取り除くことで、日本の生産性の伸びが20%加速する。生産性の恒久的な向上は主に、テクノロジーの未開拓分野を革新し、押し広げる、STEM労働者の数の増加を反映する。生産性の上昇が加速すれば、生産高や賃金の上昇も加速し、消費の増加や福祉の改善につながる。

これは経済全体にとって有益である一方、男女格差を埋めることは 勝者と敗者を生むことになる。理論的には、女性のSTEM労働者が、才能に応じて男性の収入に近づくため、こうした女性が最も恩恵を受けるであろう。また、STEM分野以外のすべての労働者も、生産性の伸びが加速することで恩恵を受ける。

一方、STEM分野の職に就く男性労働者は、STEM労働者の総供給量が増えるにつれて、賃金が低くなる可能性がある。最も劣っている男性のSTEM労働者は、女性労働者に取って代わられることさえあるだろう。われわれのモデルの計算に基づくと、日本の全労働者の福祉が平均で約4%上昇する。

世界中の女性が、STEM分野で、明確な、および間接的な賃金格差に直面している。明確な賃金格差は、他のすべての要因が等しい場合、収入データで浮き彫りになる。このような障壁は特定するのが比較的容易で、政策を通して対処しやすい。同時に、女性は、家庭での負担が偏っていたり職場での差別があったりすることにより、間接的な賃金格差にも直面している。

今年のノーベル経済学賞受賞者であるハーバード大学(Harvard University)のクラウディア・ゴルディン(Claudia Goldin)は、2021年の著書「なぜ男女の賃金に格差があるのか:女性の生き方の経済学(Career and Family: Women’s Century-Long Journey toward Equity)」で、女性は、家族の世話をする責任がある際にキャリアから身を引くことが多いと述べる。この現実が、女性のキャリアパスの相違と収入格差の大きな原因である。

日本政府は、明確な賃金格差の是正に向けて前進している。男女間賃金格差に関するデータの透明性を高めることを企業に義務付ける最近の「女性版骨太の方針」は、歓迎すべき一歩である。このような情報開示は、政府が「同一労働同一賃金」規制を実施し、 男女間賃金格差を縮小するのに役立つ。

しかし、日本における間接的な賃金格差をなくすためには、もっとやるべきことがある。働き方改革と労働市場の柔軟性向上は、いずれも必要不可欠である。年功序列ではなく実力に基づいて雇用と昇進が決まるような労働市場への変化は、女性にとって、STEM教育のリターンが向上することになる。

STEM分野における女性の障壁をなくすには、数年、もしくは数十年かかるかもしれないが、日本の政策当局者は、STEM分野を含む各分野でジェンダーバイアスを是正するために、クオータ制やその他の政策の活用を模索することができよう。

時間が経つにつれて、STEM分野で素晴らしいキャリアを築く女性が見られるようになれば、有能な女性がますますSTEM分野に参加するようになるであろう。これが実現すれば、STEMのトレーニングを受けた女性がイノベーションを起こし、これまで以上に日本の経済的繁栄に貢献するのではないだろうか。と報告いている


同報告書は、許睿がアジア太平洋局の日本チームのエコノミストを務めていたときに作成。許は現在、金融資本市場局のエコノミストを務める。

許睿は日本語ができるのだろうか?

https://www.imf.org/ja/News/Articles/2023/11/13/cf-japans-economy-would-gain-with-more-women-in-science-and-technology
https://www.imf.org/en/Publications/CR/Issues/2022/04/06/Japan-Selected-Issues-516219
https://www.imf.org/en/Publications/selected-issues-papers/Issues/2023/05/18/A-New-Growth-Engine-for-Japan-Women-in-STEM-Fields-Japan-533500
https://www.imf.org/en/Publications/selected-issues-papers/Issues/2023/05/18/Structural-Barriers-to-Wage-Income-Growth-in-Japan-Japan-533515
https://www.imf.org/en/Publications/WP/Issues/2022/12/02/Tackling-Gender-Inequality-Definitions-Trends-and-Policy-Designs-525751
https://nam10.safelinks.protection.outlook.com/
https://www.imf.org/en/Publications/fandd/issues/2022/03/book-review-greedy-work-donner
https://www.imf.org/en/Blogs/Articles/2023/09/27/countries-that-close-gender-gaps-see-substantial-growth-returns

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