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討論会前、年齢や問題がトランプに有利に働く

米国の世論調査会社ギャラップ(Gallup)のメーガン・ブレナン(Megan Brenan)とリディア・サード(Lydia Saad)は2024年06月27日に、共和党員(Republicans)は民主党員(Democrats )よりも候補者に熱心であると報告した。

2024年大統領選の選挙戦の最初の討論会が選挙日(Election Day)の約4か月前に迫る中、ドナルド・トランプ(Donald Trump)はジョー・バイデン大統領(President Joe Biden)よりもさまざまな尺度で好意的に見られているが、どちらの候補者も全体的には好意的なイメージはない。トランプの優位性の一部は、同党の支持者から同氏が受ける評価がバイデンよりはるかに高いことに由来している。

これらの調査結果は、トランプがニューヨークで事業記録の偽造という34件の重罪で有罪判決を受けた数日後に始まった2024年06月03日から23日までのギャラップ社の世論調査によるものである。

世論調査によると、トランプが共和党の候補者となったことに満足している共和党員は、バイデンが党の候補者を率いることに満足している民主党員の約2倍である。

全体として、どちらの候補者も好意的に見ており、大統領が持つべき人格とリーダーシップの資質を備えていると考えており、自分にとって最も重要な問題についてはどちらにも同意すると答えたアメリカ人は半数未満である。

バイデンとトランプは、米国大統領選に立候補した主要政党の候補者の中で最年長の2人だが、年齢差はわずか3歳だが、アメリカ人はバイデンの高齢をはるかに大きなマイナスとみている。バイデンはまた、アメリカ人の大多数からリベラルすぎるとみられているが、トランプのイデオロギーに対する世論はまちまちだ。

Republicans More Pleased Than Democrats With Their Party’s Nominee(共和党は民主党より自党の候補者に満足)

共和党(79%)は民主党(42%)のほぼ2倍の割合で、自党の候補者に満足している。民主党の過半数(56%)は別の候補者を希望している。

トランプとバイデンが初めて対立した2020年夏、共和党のトランプに対する見方は現在と似ていた。4年前、民主党はバイデンに対してより肯定的で、56%が満足していたが、それでも共和党がトランプに対して抱く肯定的な見方に比べるとバイデンに対する肯定的な見方ははるかに低かった。

Republicans More Pleased Than Democrats With Their Presidential Candidate(大統領候補に対する共和党の満足度は民主党より共和党)
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ギャラップ社はこうした感情を定期的に追跡しているわけではないが、いくつかの調査結果から最新の調査結果の背景がわかる。2016年の民主党全国大会でヒラリー・クリントン(Hillary Clinton)が指名を獲得した後、民主党員の64%が彼女が候補者になったことを喜んだと答えた。2012年に党員が党の候補者に「満足している」(「喜んでいる」ではなく)かどうかを尋ねた同様の質問では、現職として出馬していたバラク・オバマ(Barack Obama)に民主党員の84%が満足していた。

共和党側では、共和党大会後の2016年に共和党員の45%がトランプ氏に満足しており、2012年にミット・ロムニー(Mitt Romney)が党の推定候補者となった際には66%が満足していた。

Trump’s Favorability Is Up, Biden’s Is Down(トランプ氏の好感度は上昇、バイデン氏は低下)

バイデンもトランプも米国人の大多数から不評だが、トランプの好感度は改善しているのに対し、バイデンは悪化している。トランプの好感度(46%)は、12月の前回調査から4パーセントポイント上昇し、2020年4月以来の最高値となった。一方、バイデンの好感度は同じく4ポイント低下して37%となり、多くの米国人に知られていなかった2007年以来の最低となった。

2020年の選挙に至るまで、バイデンとトランプの好感度は4ポイント以内の差で、最近では2023年の2回の調査で両氏の好感度は同点だった。同様に、5月にはギャラップ社の「スケーロメーター(scalometer)」測定でバイデンとトランプの好感度が同点であることがわかった。

Biden and Trump Favorable Ratings, 2019 to 2024(バイデンとトランプの好感度、2019年から2024年)
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無所属の大統領候補ロバート・F・ケネディ・ジュニア(Robert F. Kennedy Jr.)は、アメリカ人の38%から好意的に見られており、これは12月の前回評価より14ポイント低い。ケネディの好意度は、民主党員(-26ポイント)と無所属(-13ポイント)の間で最も低下し、共和党員(-7ポイント)の間で最も低下した。

共和党員は民主党員よりも党の候補者に対して肯定的な評価を与えている。共和党員の91%はトランプ氏を好意的に見ており、民主党員の81%はバイデンを好意的に見ている。無所属は、バイデンよりもトランプとケネディを好意的に見ている。

Partisans' Favorable Ratings of Presidential Candidates(大統領候補に対する党派の好意的な評価)
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Trump Edges Out Biden as Having Presidential Personality and Leadership(トランプは大統領にふさわしい人格とリーダーシップの資質でバイデンを上回っている)
バイデンやトランプが大統領に必要な人格とリーダーシップの資質を備えていると考えるアメリカ人は半数以下だ。トランプがこれらの資質を備えていると考える米国成人は46%で、共和党員の87%、無党派の43%、民主党員の10%が含まれる。

バイデンがそのような人格とリーダーシップの資質を備えていると考えるアメリカ人は38%で、これより少ない。民主党員の81%、無党派の35%、共和党員の4%が、バイデン氏がこれらの特性を体現していると考えている。

Trump Holds Edge in Having Presidential Personality and Leadership Qualities(トランプ氏は大統領にふさわしい人格とリーダーシップの資質を備えている点で優位に立っている)
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2019年10月、トランプが再選を目指していたとき、米国人の38%がトランプは大統領に必要な人格とリーダーシップの資質を備えていると答えた。当時、バイデンがこれらの特性を備えているかどうかについて国民の意見は真っ二つに分かれており、49%が備えていると答えた。

Six in 10 Americans Disagree With Biden on Key Issues(10人中6人の米国人が主要問題でバイデン氏に反対)

米国人は、自分にとって最も重要な問題に関してトランプに賛成か反対かで真っ二つに分かれており、49%がそれぞれの立場をとっている。最も重視する問題に関するバイデンの立場に同意するかどうかについては、米国成人の37%が賛成し、61%が反対している。

共和党員の10人中9人以上、93%が主要問題に関してトランプに賛成しているが、民主党員の81%がバイデンに賛成している。無党派層は、問題に関してトランプ氏(46%)よりもバイデン氏(34%)に同調している。

More Americans Say They Agree With Trump Than Biden on Important Issues(重要な問題に関してバイデン氏よりもトランプ氏に賛成するアメリカ人が多い)
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Biden’s Age Is a Bigger Liability Than Trump’s(バイデン氏の年齢はトランプ氏よりも大きな障害)

81歳のバイデンは、今月78歳になったトランプより3歳年上だ。年齢は近いが、バイデンが大統領になるには年を取りすぎている(67%)と答えたアメリカ人は、トランプ氏(37%)のほぼ2倍だ。この結果は、以前のギャラップの世論調査と一致しており、アメリカ人の31%が80歳以上の大統領候補に投票する意思があり、63%が70歳以上の候補に投票する意思がある。

2024年06月の調査で回答者の半数に、各候補が大統領になるには年を取りすぎているかどうかを尋ね、残りの半数に、各候補が大統領になるには年を取りすぎていることを懸念しているかどうかを尋ねた。結果は似ており、59%がバイデン氏の年齢について「非常に懸念している」のに対し、18%がトランプについて懸念している。 「やや懸念している」と答えた人も含めると、バイデン氏は年を取りすぎていると懸念する人が76%、トランプ氏を懸念する人が38%となっている。

Americans' Concern About Age of 2024 Presidential Candidates(2024 年大統領候補の年齢に対する米国人の懸念)
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バイデンの年齢は、共和党員や無党派層(大多数はバイデン氏は年を取りすぎており、非常に懸念している)にとって潜在的な障害であるだけでなく、民主党員のかなりの少数派にとっても問題である。民主党員の44%がバイデンは年を取りすぎているとし、31%が非常に懸念している。

トランプ(2017年70歳)とバイデン(2021年78歳)以前の最高齢大統領はロナルド・レーガンで、1981年の就任時には69歳、1989年の退任時には77歳だった。

Majority See Biden as Too Liberal, Fewer Say Trump Is Too Conservative(バイデンはリベラルすぎると大多数が考え、トランプは保守的すぎると答える人は少ない)

候補者の政治思想をどう評価するかと尋ねられたアメリカ人は、バイデンはリベラルすぎると答える人が大半だ。56%がバイデンをそう考え、10人に3人がバイデンの見解はほぼ正しいと答え、9%がバイデンは保守的すぎると考えている。

対照的に、アメリカ人の44%はトランプは保守的すぎると考えており、38%は彼の見解はほぼ正しいと答え、10%は彼がリベラルすぎると答えている。

Perceptions of 2024 Candidates' Political Views(2024年大統領選候補者の政治的見解に関する認識)
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ギャラップがバイデンのイデオロギーに対する国民の認識を調査するのは今回が初めてだが、トランプについては2度目となる。最初の調査は2019年、トランプの大統領就任からほぼ半ばの時期に行われた。当時、国民はトランプを保守的すぎる(39%)とほぼ正しい(38%)とに二分していたが、17%はリベラルすぎると考えていた。

ほとんどの党派は、大統領候補の見解はほぼ正しいと回答しているが、トランプ氏についてこのように感じる共和党員(78%)は、バイデン氏についてこのように感じる民主党員(69%)よりも多かった。

政治的に無党派の人々は、トランプの政治をバイデンよりもほぼ正しいと評価する傾向があり、それぞれ34%と25%である。無党派の大多数(56%)はバイデンはリベラルすぎると考えており、43%はトランプは保守的すぎると回答している。

Perceptions of Candidates' Political Views, by Party ID(候補者の政治的見解に対する認識、党派別)
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結論

両候補とも米国民によく知られており、2024年の最初の大統領討論会を前に、バイデン氏とトランプ氏はともに国民との大きな障害を乗り越えなければならないため、賭け金は大きい。バイデン氏の支持率は歴史的に低い38%で停滞しており、好意的な評価も現在同じレベルに落ち込んでいるため、討論会を前にバイデン氏はより大きな不利な立場にあるようだ。

https://news.gallup.com/poll/646517/biden-job-approval-rise-among-key-groups-november.aspx

米国民は、自分たちが最も重要と考える問題や政治的イデオロギーに関して、バイデン氏よりもトランプ氏に同調していないと考えている。候補者の年齢は近いが、バイデン氏の年齢はトランプ氏よりも有権者にとって障壁となっており、討論会はバイデン氏にとって、高齢にもかかわらず大統領の職務にふさわしいことを全国の大勢の聴衆に証明する重要な瞬間となるだろう。

共和党はトランプに対する肯定的な見方で民主党がバイデンに対する肯定的な見方よりも一致しているが、これはトランプの重罪有罪判決の直後に実施され、支持者を結集させるのに役立ったかもしれない最新の世論調査のタイミングによるところが大きいかもしれない。一方、選挙戦はケネディにとって厳しいものだった。過去6か月間、特に民主党員と無党派層の間で、彼の好感度は急落している。ケネディは討論会の資格がなかった。

選挙戦はまだ終わっておらず、討論会や両党の全国指名大会を含め、選挙日まで4か月以上残っている。これらは米国人の見方を変える可能性がある。

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質問への回答と傾向の全文をご覧ください (PDF ダウンロード)。https://news.gallup.com/file/poll/646562/2024_06_26_Presidential Candidates.pdf


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