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中東・アフリカでの「暗号神話(Crypto-godly)」

イギリスの経済誌「The Economist(エコノミスト)」は2023年07月13日に、「イスラム教は暗号通貨に微笑むのか?」
暗号通貨がシャリーア遵守(sharia-compliant)かどうか、イスラム学者の間で意見は一致せず!と報告した。

ジンバブエのイスラム学者イスマイル・イブン・ムサ・メンク(Ismail ibn Musa Menk, a Muslim scholar in Zimbabwe)は、「You know why they call it Bitcoin?」と尋ねる。

「ビットコインは私たちみんなを噛んだんだ。」「僕も噛まれたんだ。」ソーシャルメディアユーザーは、彼が暗号通貨に手を出したのではないかと推測し始めた

もしそうなら、彼の仲間たちの何人かはチクリ(tut-tut)とつぶやくだろう。

エジプトの大祭司であるシャウキ・アラム(Shawki Allam, Egypt’s grand mufti)は否定派(naysayer)だ。

2018年、彼はエジプト政府によるビットコイン取引の禁止を支持し、暗号通貨はハラーム(haram/禁じられたもの)であるというファトワ(fatwa)を発表した。

しかし、そうではない人もいる。イスラム法の関連箇所を精査するだけでなく、暗号通貨を受け入れるべきか、忌み嫌うべきかを決定する前に、その内実を理解する必要があると学者は言う。これまでのところ、見解は分かれている。

主流の暗号通貨は、ハラームである「リバ(riba/利子)」が発生しないこともあり、許されると主張する者もいる。しかし、反暗号通貨派のムフティ(muftis)は、イスラム教徒はガーラ(gharar/投機)を伴うものは避けるべきだと考えている。

このようなコンセンサスの欠如は、イスラム諸国の人々が暗号取引を行うことを躊躇させていない。

ニューヨークのデータ会社Chainalysisによると、昨年、モロッコを筆頭とする中東と北アフリカは世界で最も急成長した暗号通貨市場だった。

エジプトでは大祭司が敵対的な裁定を下したにもかかわらず、インフレ圧力と自国通貨の切り下げに拍車をかけ、エジプト人が急成長を牽引した。

私のクエートに住むアラブの知人は手を出している。

中東政府の中には、取引を規制し、暗号取引所を管理したいと考えているところもある。

バーレーン(Bahrain)はこの地域の初期のパイオニアだった。2019年、同国の中央銀行は暗号通貨取引所Rainに規制ライセンスを発行した最初の国であり、シャリア準拠(sharia-compliant)を宣言した。

アラブ首長国連邦(United Arab Emirates)は地域の暗号ハブとなっている。

イスラム・コイン(Islamic Coin)は、アラブ首長国連邦の支配者一族数人が支援する新しい暗号通貨で、株式公開が予定されている。この暗号通貨は世界初の「100%ハラール」暗号通貨(“100% halal” cryptocurrency)であり、発行額の10%がイスラム教の慈善団体(Muslim charity)に寄付される。彼らは、その主張を正当化するファトワ(fatwa)さえ誇っている。しかし、従来の通貨の多くが宗教指導者によって承認されているため、敬虔な技術に精通したイスラム教徒は、ファトワに裏打ちされた新しいコインがアッラーの目から見て本当に良いものなのか疑問に思うかもしれない。■

この記事は、印刷版の中東・アフリカ欄に「Is it permissible?"」という見出しで掲載された。

すでに、イスラムで浸透してしまった。

彼らが、スマートフォンを持った瞬間、時代が変わった。

https://www.economist.com/middle-east-and-africa/2023/07/13/does-islam-smile-on-cryptocurrency

Middle East & Africa


July 15th 2023
https://www.economist.com/middle-east-and-africa/
https://www.economist.com/weeklyedition/2023-07-15
Why Cape Town beats Johannesburg(ケープタウンがヨハネスブルグに勝る理由)
https://www.economist.com/middle-east-and-africa/2023/07/12/why-cape-town-beats-johannesburg

War crimes in Tigray may be covered up or forgotten(ティグライにおける戦争犯罪は隠蔽されるか忘れ去られるか)
https://www.economist.com/middle-east-and-africa/2023/07/13/syrias-president-wants-non-muslim-religions-to-help-end-his-pariah-status

Syria’s president wants non-Muslim religions to help end his pariah status(シリアの大統領、イスラム教以外の宗教に亡国状態を終わらせる手助けを望む)
https://www.economist.com/middle-east-and-africa/2023/07/13/syrias-president-wants-non-muslim-religions-to-help-end-his-pariah-status

Politicians in Libya make another ill-fated push for elections(リビアの政治家たち、またも不運な選挙への後押し)
https://www.economist.com/middle-east-and-africa/2023/07/13/syrias-president-wants-non-muslim-religions-to-help-end-his-pariah-status

Does Islam smile on cryptocurrency?(イスラム教は暗号通貨に微笑むか?)
https://www.economist.com/middle-east-and-africa/2023/07/13/does-islam-smile-on-cryptocurrency

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