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ディグゴジラ ~栃木のラッパーさんを深堀りしよう~ vol.5 Kyphos!s

vol.5 Kyphos!s
 今回のディグゴジラはLightAさんからバトンを受け継ぐ形でKyphos!sさんをゲストに迎えてお送りしました。地元での活動や影響を受けた音楽などについてのお話をお伺いしました。
 今回も貴重なお話を伺うことができましたので、ぜひ最後までご覧いただき拡散よろしくお願いします。

HIPHOPが身近な幼少期

 2004年に滋賀県で生まれたKyphos!sさんは、両親の影響でOZROSAURUSZeebraRHYMESTERなどを幼い頃から耳にしており、かなりHIPHOPが身近な環境で育ちました。
 Kyphos!sさんが初めてくらったのは2006年にリリースされたOZROSAURUSのアルバム『Rhyme&Blues』の『My Dear Son』です。この音源はMACCHOさんが自身の息子さんに向けた曲です。この音源にKyphos!sさんはかなりくらったといいます。

活動を決意するまで

 Kyphos!sさんのご家庭は勉強に関して厳しく、自身が勉強が苦手だったこともありかなり苦労したといいます。また小学生時代サッカーをやっていたKyphos!sさんですが、小学生ながら上には上がいるということを痛感することになります。ここで勉強に対しても運動に対しても自信がもてなくなってしまい、小学校高学年ながら夢を見失ってしまいました。
 中学校に進学して、家庭環境の厳しさに耐えかねたKyphos!sさんはあまり家に帰らず夜遊びをするようになりました。夜遊びする中で地元のクラブにも足を運ぶようになり、グラフィティアートをやっている方やスケートボートをやっている方など、HIPHOPの要素が強い活動をしている方々と知り合います。知り合いの活動を見ていく中で再びHIPHOPの音楽と出会います。勉強や運動に自信が持てていなかったKyphos!sさんは、ここでラッパーへの憧れが強くなったと同時にラッパーとして活動することを決意し始めます。

 ちなみにKyphos!sさんのMCネームの由来は本名に一番近かった英単語"kyphosis"からきており、単語の意味である「猫背」から前かがみで取り組むという意味をこめてつけたそうです。

初めてステージに立ってから

 クラブでHIPHOPの活動をしている方々と知り合ってから、Kyphos!sさんは地元のサイファーに参加するようになります。このサイファーでは「赤ちゃん婆ちゃん」のMC玄武さんと知り合うようにもなります。
 初めて音源を制作したのはなんと中学1年生で、自身のfromとrepresent、これからへの意気込みをラップした「マシンガンオブ滋賀」という曲を作りました。
 初めてステージに立ったのは中学3年生の時で、なんと学校の全校集会で音源を披露しました。
 中学を卒業し、滋賀の隣の京都の高校に進学したKyphos!sさんはクラブで精力的にLIVE活動を行います。地元の滋賀県以外にも大阪など他府県でブッキングをいただくようになっていきました。
 初めてのMCバトルは高校2年生の時で、大阪のアメリカ村(通称:アメ村)で行われた戦極MC BATTLE ROYALの予選大会です。
 このように高校生になってラッパーとして精力的に活動していく中で、具体的な目標はないながらも「自分にしかできないことをしたい」という気持ちを抱くようになりました。

 Kyphos!さんが一番くらった音源はOZROSAURUSのアルバム『OZBAM~A:UN~』に収録されている『証拠』で、この曲はMACCHOさんのメッセージ性が強く世界平和や愛、命に対する意見をリリックに落とし込んだ作品になっています。

医師ラッパーを目指したきっかけ

 自分にしかできないことをしたいと考えるようになったKyphos!sさんに転機が訪れます。
 Kyphos!sさんのお父さんが元戦場カメラマンであったといっこともあって、そのお父さんから世界の悲惨な実情を聞いたり戦場での写真を見せられたりして、Kyphos!sさんは「自分が自ら医者になれれば、」という気持ちが芽生えたといいます。そして、医師としての活動の中で見たり感じたりしたものやその上での世の中へのメッセージなどを発信するのにHIPHOPのカルチャーがちょうどマッチしていると思ったそうです。そんな"自分にしか歌えない事をHIPHOPを通して歌う"医者兼ラッパーは自分にしかできないのではと思うようになり、医者を志望するようにもなったといいます。

 しかし、大学受験を経験された方はご存じの通り、医学部というのは大学受験の中でもかなり難易度が高く、現役合格を成し遂げることができませんでした。ただそこで諦めることなく医学部合格に対する気持ちが燃えていきます。
 ここでKyphos!sさんはラッパーとしての活動を1年間休止し、受験勉強に専念することを決めました。ラッパー活動を休止して医者になるための受験勉強に専念することについては当然応援の声もありましたが、業界のほんの一部からは風当たりが強く反発の声もあったといいます。そんな中でも後には引けない覚悟を持ち、丸刈りにして覚悟を示して受験勉強に取り組み、見事医学部合格を掴み取りました
 その中でKyphos!sさんは学費の全額免除制度のある栃木の大学に進学することを決めました。大学受験の結果や自治医科大学へ進学することを決めた経緯はKyphos!sさんのYouTubeにあるのでぜひ皆様チェックしていただきたいと思います。

 そして応援の声も批判の声も周りからあった中でどちらも分からせられるようなかっこいい音楽を作ってカムバックしようという思いで制作した楽曲「Revival」にて、改めての意思表示を表現しました。

栃木のシーンへ

 栃木の自治医科大学に進学したKyphos!sさんは宇都宮で活動を精力的にするようになります。UMB2023栃木予選を皮切りに栃木のMCバトルやLIVEに精力的に出演します。初めはKyphos!sさんの名前やスタイルを提示することを意識していました。
 関西で主に活動していて栃木で活動するようになり、初めは医学系の大学に通っていることを隠して活動していました。それは関西で活動していた際に応援だけでなく批判の声もあったことが影響しています。ただ実際栃木で活動しているラッパーさんの中にもvol.1ゲストのMC巴さんなど医学系と関わりがある方がいらっしゃったというのもあり、医学系の大学に通っているという事実を栃木のシーンでは温かく迎え入れられました
 大学に通いながらラッパーとして活動する中で両立することはやはり大変なようで、特にKyphos!sさんの場合は医学部ということもあって大学の勉強自体がかなりハードで、それに加え生活するためにお金も貯めないといけないため居酒屋と塾講師でアルバイトを掛け持ちしており、なかなか制作の時間がとりにくいそうです。
 その中でも精力的に活動を続け、MCバトルでいえば今年の3月のTHIS IS ANTHEMベスト4UMB2024栃木予選ベスト8魂祭準優勝と着実に結果を残しています。

音源制作でのこだわり

 Kyphos!sさんが影響を受けたラッパーはBOIL RHYMECIMAさんだそうです。関西でお世話になったこともあり、CIMAさんのLIVEを見た中でバイブス満点なところやいなたい重ためのビートの上でライムを重視しながらラップするCIMAさんを見て、無意識のうちに影響を受けたといいます。
 自身の音源においてもライムを重視し、Boombapに乗ることが多いようです。またメッセージ性もかなり重視しています。

今後の展望

 今後の展望として、Kyphos!sさんは現在アルバムを制作中で、呼煙魔さんにトラックを提供してもらったり、客演に栃木から怪士さんやk-takeさん、Dirty buzzさんなどを迎えて15曲ほどのフルアルバムの制作をしているそうで、もうほとんど完成に近く今年中リリースの予定だそうです。

要チェックトピックス

・音源『Revival
 この音源は前述したとおり、医学部に進学するという決意を示したKyphos!sさんに対する応援の声も批判の声も含めて、改めて自身の決意表明をラップにした曲となっています。MVもあるのでぜひチェックしてください。

締めくくり

 今回のディグゴジラはKyphos!sさんをゲストに迎えてお送りしました。もともとは関西で中学、高校生の頃から精力的に活動されており、大学進学を機に栃木にやってきて学業をハードにこなしながらラッパーとしての活動も精力的にしており、改めてバイタリティのすごさに驚かされました。制作中のアルバムのリリースに期待してvol.5を締めくくりたいと思います。

Who's next…?

 次回のディグゴジラは9月下旬頃ふーわさんをゲストに迎えてお送りします!!
 HIPHOPとの出会い、他県での活動を通して感じた違いなどの話をお伺いしたいと思います。
 告知、トークを行うため、公式SNSをチェックしていただけますと幸いです。もし記事を読んでいいなと思っていただけましたら拡散までよろしくお願いいたします。
 それではまたお会いしましょう。

p.s この度ディグゴジラはYouTubeTikTokを始めました。Xのスペースにて行うインタビューの一部をラジオ切り抜き風動画にして公開していきます。ぜひこの二つも要チェキでガイシヤス🔥

Special thanks / Kyphos!s

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