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資源循環DX企業としてのdigglue

1.はじめに

こんにちは、資源循環DXスタートアップのdigglue 中谷です。
今から約2年前の2021年末、私たちdigglueは、ブロックチェーン技術を核とする企業から、資源循環をデジタルで実装する企業へと事業の方向性を大きくシフトしました。

 この2年間は、試行錯誤の連続でした。簡単言うと、最初の一年は、どの分野に最も力を入れるべきかを見極めるために多くの時間を費やしました。そして、次の1年は、実際に実績やプロダクトを作り上げる期間でした。

 今回は、digglueがこの2年間でどのような道のりを歩んできたのか、そしてこれからどこへ向かおうとしているのかをお話ししたいと思います。

2.探索の1年目

 2021年末頃から、資源循環の真正性をブロックチェーンで担保できないかという相談が増えてきており、サーキュラーエコノミー市場というのを意識するようになってきました。市場の将来性や欧州の流れ、我々へのニーズ、社会的意義から、この市場は近々立ち上がると考え、ブロックチェーン企業から資源循環DX領域へ転換するという一歩を踏み出しました。パーパスを「テクノロジーで持続可能な世界を実装する」と設定し、資源循環を「みせる」「つなぐ」「まわす」というコンセプトをつくりました。

とはいえ、リサイクルの実態や現場もわからない状態でしたので、数十の工場やリサイクラーに足を運び、業務内容や課題感などを毎日キャッチアップをする日々でした。

2022年4月のプラスチック新法施行を契機に、新法対応サービスをリリースし、資源循環DX企業としての活動を開始しましたが、多くの企業が様子見の姿勢であり、サーキュラーエコノミー市場の形成はこれからという状況でした。関係者や顧客との交流を通じて、我々の取り組みに対する興味は感じられつつも、直面する課題への具体的な対応はまだ進んでいない状況でした。

この期間、デジタルサービスの自社開発への意欲が高まりつつも、市場ニーズの明確化を優先し、コンサルティングを通じて資源循環のサイクルを構築することに焦点を当てました。東京都実証や環境省実証に参加する機会を得て、徐々に実績を積み重ね、さらなる未知の領域への挑戦を続けました。未経験の領域で実際にモノを回すことは簡単ではなく、輸送手配やパートナー企業とのやりとりなどに忙殺されつつ、コンセプトを見極めるための初期プロダクトも中々出来ない。社内からも、本当に資源循環でビジネスが成り立つのか、疑問の声も上がっていました。

年を明けた2023年に、ようやく、資源循環・脱炭素の見える化を目指すサービス「MateRe」が顧客に触ってもらえる状態になり、導入を前提とした一歩進んだ話が出来るようになってきました。

3.基盤固めの2年目

 MateReを2月に正式リリースしましたが期待していたほどには反響は得られませんでした。市場の立ち上がりはこれからであることを痛感しました。そこで、2023年は資源循環DX企業としての基盤固めと位置付け、この領域で稼ぐと共に、具体的な製品とサービスの開発に注力することを目標に掲げ、プロジェクト内でサービスを活用していきながら、サービスをブラッシュアップしていきました。

実際にサービスを作ってみて、実感したことは、コンセプトを話すことと実際に動く形で見せてみることは違うということです。例えばIoT重量計と連動し、廃棄物の見える化をするというコンセプトは言葉にするとわかりやすいですし、コンセプト紹介の資料をつくって顧客に見せることも簡単です。しかし、その時反応が薄かった顧客も、我々自身も、実際に使い始めてみると気づいていなかった価値に気づくということが多々ありました。

売れる先ができるまでは、サービスを作ってはいけない、というのがスタートアップのセオリーであることは重々承知しながらも、一定動く形でつくる、導入を前提に前に進めることとのバランスを取ることが難しいと実感しました。

そんな中、資源循環を「みせる」「つなぐ」「まわす」というコンセプトを見せられる形にしようと、2023年中に3つのサービスをリリースしました。
これらのプロダクトは、資源循環の可視化、トレーサビリティの強化、DPP規制対応と商品価値の訴求に焦点を当て、持続可能なビジネスモデルの構築を目指しています。

それぞれサービスのリンクを貼っておくのでご覧ください。

DPP対応について

2022年末からEUのDPP(デジタルプロダクトパスポート)規制への対応が話題となりました。ただし、情報のキャッチアップを進めていくなか、コンセプトには共感しつつも、これで消費者が付いてくるのかという疑問を払しょくしきれませんでした。その課題意識への答えとして、単に規制に対応するだけでなく、情報をサステナブルに訴求する新たなプロダクトとして、「CiReta!」を開発しました。

資源循環の課題に向き合う上で感じたのは、結局はサステナブルな製品であれば高くても買うという消費者マインドができているかという点でした。CiReta!は、DPP規制への対応と同時に、企業が持続可能性を消費者に効果的に伝えるためのプラットフォームです。これにより、サステナブルな消費の促進と資源循環における新たな価値の創出を目指しています。

4.これから

2030年に再生資源の活用率を目標に掲げる企業も多い中、2024年から2026年にかけて、市場が出来上がる時期となるのではないかと見立てています。

そんな中、digglueとしては、2022年-2023年で、ようやく準備が整ったというように感じています。

日本は、今までモノづくり立国としてやってきた側面があります。その進化系として、モノをつくってから再生するところまでを実現する資源循環立国を目指し、市場と事業づくりをしたいと思っています。

これらの事業にご関心がありましたら積極採用中ですので、是非ご連絡ください。

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