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シン仮面ライダーネタバレ込み感想

■序


人間。もっとお互いに会話をしよう。

映画「シン仮面ライダー」を見てきたので感想をまとめます。
ネタばれがふんだんに含まれておりますので未見の方はご注意のほどを。

■悪かったところ

100点満点中1万点とってる映画ということ前提で悪かったところを上げていく。

・こじんまりとまとまっている
 人の幸福と生き方が主題の映画で世界全体が大変という感じはしない。
 そのためシンゴジ、シンウルと比べると作品の世界が狭く感じる。

・客演キャストの出番が多すぎる
 竹野内豊さん、斎藤工さんの扱いがデカすぎて気になる。
 主役たちも十分キャラが立っているので問題はないけど、気になる。

それ以外は特になし。
非常に優等生な作品。

■褒めのターン!


以下、ぶっ飛んでて好きなとこ!

・アクションがすごい!
 なんといってもライダーキック。バッタの能力由来であるとの説明をいかんなく発揮する跳躍力+羽根ですんごい派手な推進力のすんごい威力の蹴りを放つ。このアクションが見れただけでもおつりがくる。もっと見せろ。

・アクションがすごい2!!
 サイクロン号かわいい。無限にかわいい。
 白い装甲板が展開するのも綺麗だし6つのジェットエンジンが展開するのもイケてる。ゆっくり後からついてくるの最高。

・アクションがすごい3!!!
 オーグの力がよくわかる描写としての人体破壊表現。
 ドラゴンボールもかくやの空中戦。
 超絶馬鹿力による喧嘩スタイル殺法もあり、格闘技+超能力の流麗なバトルあり。

・東映特撮びっくり人間ショー
 メタルヒーローシリーズで良く出ていた「生身の人間が変なかっこをしているようにしかみえない悪人」が個人的に苦手だったが、改造人間という一言でそれらをうまいこと昇華していた。お気に入りはコウモリおじさま。

■おひとり様は危ない

ひとりぼっちの人間を、ひとりぼっちのまま幸せにするために一手間(人体改造)かけた結果、共感性ゼロに近い暴力装置人間が量産されるという地獄。

作中に出てくる怪人が人間社会と折り合えない超人ばかりなので、その行動がなんもかんも人間社会の害になる自家中毒博覧会。
たった一人の人間に過ぎた力を持たせると悪いことしか起きないということがふんだんに盛り込まれた作品。

怪人がどいつもこいつもぶっ飛んだ出で立ちをしているので、東映によくある胡乱トンチキびっくり人間ショーのように見えるが、自分は違うと感じた。彼等は自分一人で世界が完結しているのでどんな格好でも問題ないのだと。

他人の価値観を観察し、学ぶことで生き物として破綻せずにいられる。
本郷もルリもロボット刑事Kモドキもそういう姿勢だったのかもしれない。

■終わりに

 どうしてもシン特撮シリーズとして見てしまう点がある。
シンゴジラにせよシンウルトラマンにせよ、襲い来る脅威が人間個人個人でどうにかできる状態から外れている。そのためスケールがデカく、その分感じる驚きも大きい。
 シン仮面ライダーは脅威=ショッカーが世界征服というぼんやりした脅威を捨て、幸福の追求というルービックキューブを掲げてしまったためか、今作は非常に人間ドラマの比率が大きい。泣いている場面が目に付く。
 格闘やアクションなど開放感を感じるシーンはあるが、その格闘によって片付く問題が無いのでいま一つ開放感が低め。なので自分にとってリピート視聴には向いていない。仮面ライダー入門編としても娯楽映画としても他人にお勧めしにくい作品。
 でも記録媒体は買います。ライダーキックを無限に見たい。

いじょうです。

サポートなど頂いた日には画面の前で五体投地いたします。