長いTwitterの浅瀬

中二の時から、ずっと夢小説を書いている。誰にも見せたことはないし言ったことすらなかった。どこにも載せたことはない。私の御都合主義で承認欲求を満たす意味がわからなかったからだ。その時感じた気持ちとかその時の鬱屈した気持ちを全部夢主にぶつけて、好きなキャラにチヤホヤされてわたしはなんとか今を生きていた。ちなみに初めは夢女子とか夢小説を知らずに、ドラマの一登場人物を捏造し思い切り自己投影していた。文学ばかりに触れていて、読書ばかりしていた中学生の私はそんな人間だと知られたくなくて隠していた。

スマホの乙女ゲームは試したけど、主人公が私じゃなさすぎてどれも共感できなくてやめた。決められた選択肢に、私がなくて馬鹿みたいになる。あとスチルに映りこんだヒロインも、美人で苦しくなったりする。あとこのキャラって、アプリユーザーみんなに同じこと言うんだろうなと俯瞰で見てしまったりもするし。これは普通に適応できない自分がおかしくて、キモイという話だ。

世界に期待しないために幸せをショーウィンドウの向こうの世界に似ていると書いたことがある。かわいいなこの服と思っても、値段も勇気も着こなす自信もない私には手が出せないという意味だ。夢主はこれを過去回想のモノローグで話し、結局は自分で乗り越え人に愛される彼女になる。

どこにも出さない夢小説は楽だ。キャラの消費も、こんなこと言わないも、夢主の自己投影がすごくても、セリフが臭くてもなんにも気にしなくて良いのだから。夢女子キモイだって言われなくて済むし。夢女子とか関係なく、人間ってみんなキモイのにね。

現在わたしは23歳で、高校でやめていた夢小説を書くのを大学で再び始めた。ブランクを考えなければ、約10年囚われている。双極性障害、被虐待児という性質を生かしわたしは辛く苦しい主人公の過去を書き連ねる。そして、最近躁鬱の悪化に伴い気づいたことがある。

自分のことを救えなくなってきた。

いや、正確に言うと自分のことというか自分を美化した夢主のことを救えない。

気づいたら夢主が入水していて、他のキャラで止めても心は変わらない。何パターンかで殺したりもした。心の声が聞こえるって可愛いなと思って、夢主と好きなキャラでやった。心の声が全部死と絶望にしかならなくて、あれ?と思うようになった。昔の君は海に行って水着とか着て照れたりしてなかったかなと思った。

以前は不登校になった友達になげかけた言葉や、作品の好きな言葉を投げかければ済んだ。なんとか苦しさは紛れ、わたしはなんとか自己を救済したと勘違いができた。変化が起きたのは、大学を卒業してからだと思う。わたしは躍起になって、キャラに告白させたり救わせようとした。けれど、なんの言葉も響かなくなっていた。

自分で作り上げた好意すら気持ちが悪いと思った。

ご飯がまともに食べられないので、食事シーンが書けない。ずっと寝ているので疲れたという描写が出来ない。思い出せない。そこを想像で書けるほど才能ない。

助けてくれ、死なせてくれと思う気持ちはもうコントロールが効かなくてわたしはアニメも見れなければなんのコンテンツも摂取はできず自分で何か作ることも出来ずただ死を待っている。

無理にYouTubeを開き、適当に鬱とか死ぬとか地獄とか検索窓にいれてはコンテンツを流し見して数秒後には何を見たか忘れる。寝ては殺し屋に追われる夢を見て、隠れても隠れても見つかる。死にたいと思っているくせに、怖くて仕方なくて情けなかった。たまに躁状態がやってくると、1人で虚空に向かって話しかける。その時の私は超美人な女優という設定で、大体好意を向けられている。2時間くらい喋って虚しくなって辞める。今幽霊いたらビビってんだろうなと思ったりする。

今日楽になるかと思って、匿名過疎SNSに自己投影夢小説書いて他キャラに救わせてた的な事を書いた。もう今妄想でしか喋ってないとか言った。

さよならを教えてじゃんと言われた。

知らねーと思った。まあ正確に言えば名前ぐらいは知ってた。悲しいエロゲ。そういう印象だった。それしか知らなくて、なんかムカついてきた。コイツ今気持ちよがってんだろうな勝手に人のしんどさにコメントしてきて。そう思ってそのSNSを辞めた。

それでなんか気になってきて調べた。

ちょっと、さよならを教えてかもしんないと思った。未プレイだからわかんないけど。わたしが躁鬱じゃなくて統合失調症だったら、100言いきれてたのかもしれない。わたしは妄想を頼りになんとか生きて、自分の代弁者として夢主を立て、そして他キャラに救わせているのだから。救われてるのとは違うのかもしれんけど。こう書いてみると結構ちょっとだけど、ちょっとは当たっててムカついた。

こんなことをぼうっと書いていたら、さっきLINEが来て友達が会いたいと言ってきた。2ヶ月音信不通だった私に、唯一彼女だけが心配してくれるらしい。普通に泣いて、でも返すには時間がかかると思う。現実に踏み出して、妄想の無限から抜け出せるなんて都合のいいことは考えない。期待しない。幸せはショーウィンドウの向こう側。だけど、こんなことを言い聞かせている時点で変われるのかもと思っているのだ私はきっと。期待とか夢とか全部殺したいのに、死ななくてうざい。

彼女とわたしはセーラームーンが好きで、だけどうさぎちゃんが救われるとふたりで苦しくなった。同時視聴している時も、苦しいねと漏らした彼女の顔が忘れられない。その子はかわいくて友達も多いのに、わたしと同じように苦しんでいてなんで友達でいてくれるのか分からない。カーストも高ければ、恋人だって最近までは尽きなかった。だから2ヶ月音信不通になった時、彼女は少なくとも忘れるだろうなと思っていた。

仕事で疲れ、人間に疲れている彼女が私に労力を割いてくれているという事実に苦しくなる。でも死にたくはならなくて、自分が気持ち悪い。

高校生の時、最終のバスに乗る時財布を教室に忘れたことに気づいた私にかっこよく5000円突き出してきた彼女が忘れられない。「何があるかわからんから持っとき」と言ってくれた。かわいい感じだったのに、姉御みたいで頼もしかった。大好きになった。2ヶ月前までには笑い話だったけど、今はもうそれを思い出すと泣いてしまう。

なんで忘れてくれないのと思ってすぐ、彼女がわたしにとっての「天使」になってしまったらどうしようと思ってまた苦しくなった。

会わない方がいいのかなと思ったけど、顔を見たい。それだけでもういい。泣いてしまうかもしれない。たかが2ヶ月他人と会ってないだけで。

写真のフォルダにゲームのスクショすら更新しなくなったわたしを、可哀想なだけと思わないだろうか。定期的に会うのが義務だと思わないだろうか。もう思われてしまうかもしれないけど、確信を持ちたくなかった。

会ったらお土産にフリーレンのアクスタをくれるらしい。きっと家にそれがある度、もやもやしているのだろうなと思うとやっぱり会うかと思う。20時間寝て1時間喋って酸欠で無理やり寝るとかしてるけど、お喋り出来るかな。

明るい話がしたいな、会ったら。

書いていたら、希死念慮を少し忘れ始めて息が苦しいのが治まってきた。明日になったら連絡しよう。

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