見出し画像

存在しない記憶の話

「定期的に怖い話書くよ」と言いながらまたまた自語りで申し訳ないのだが、つい最近まで【本当にあった話】として私の記憶の中にこびりついていた話がある。いわゆる【存在しない記憶】というヤツだ。

今から遥か昔、私がまだ幼稚園に通っていた頃のことである。
園庭のすみに砂場があったのだけれど、その砂場で【男の子が溺れて、それを助けるために男の先生が飛び込んだ】ことがあった。
と、私の脳味噌がある日ふと思い出したのである。

マジでこうなった

思い出した瞬間は「あ~~あったなあそんなこと」と思ったし、本当に長らくのこと実際にあった事件として私の中に君臨していたのだが、ちょっと待ってほしい。
冷静に考えてみると、そんなデンジャラスな砂場が存在している筈がない。
ごく自然に「前日に大雨が降っていた」と記憶が補完されていたが、仮にそうだったとしても雨水が溜まるほど底の深い砂場ってなんだよ。
しかも、園児がそこに落ちるまで何の対策もされずに放置されていたことになる。今なら大問題だし、当時でも大問題になるはずだ。
だが親に確認しても「そんなことなかったよ」と言う。当時、同じ園に通っていた子は地元にいないので確認しようがないが親が「なかった」とハッキリ言うならそうなんだろう、恐らく。
そもそも、記憶の中で溺れている男の子も、それを助けに砂場に飛び込んだ男の先生も卒園アルバムには写っていない。つーか【男の先生】自体がかなり珍しい時代だったので、いたとしたらはっきり覚えていると思う。
きっと幼い頃に見た夢を、なんかの切っ掛けで【実際にあったこと】と錯覚して覚えていたんだろうが、ちと薄気味悪いなぁというお話。

これだけじゃあアレなので幼稚園繋がりでもう一つ。
一人称が「ぽっくん」の同級生がいたが誰も信じてくれない。
本当にいたんだよ!一人称「ぽっくん」!!信じてくれよ!!!!!!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?