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幸福の黄色いハンカチ

山田洋次監督の代表作の一つ『幸福の黄色いハンカチ』。昔テレビでやってたのをちらっと見たことはあったけど、きちんと通して見たのは初めて。popeyeの映画特集で、大根仁(モテキの監督)さんが紹介していたのをきっかけに観てみた。

この映画は日本を代表するロードムービーと言っていいんじゃないかな?ロードムービーってけっこう好きで、『ストレンジャー・ザン・パラダイス』とか『ノッキン・オン・ヘブンズ・ドア』、『ブロークン・フラワーズ』とか名作も多いジャンルだよね。でも日本のロードムービーってけっこう珍しいかも。

武田鉄矢が新車を買って北海道に旅行にいくところから物語始まる。同じく1人で北海道に旅行にきていた桃井かおりを駅でナンパして二人の旅がスタートする。途中から高倉健も乗せることになって、3人で北海道を旅することになる。

見どころは当時はまだ無名だったらしい武田鉄矢のハイテンションっぷり。popeyeで大根さんが下手な若手芸人よりもおもしろい。という言葉の通り、出だしから滑稽さ全開。精一杯おしゃれをしているつもりでも、あの顔だし、あの背格好だし、とにかく変なんだけど、自分ではイケてるつもりらしい。

そのくせ2人組の女性をナンパしようとして失敗したら、「田舎の百姓のくせに」とか言ったり、桃井かおりに対して「たいした顔もしてないんだから」とか、クズすぎる発言を連発するのもウケる。でも「自分も人のこといえるような顔でもないんだけどね」とも発言してたから、きちんと自己認識はできているようだ。

武田鉄矢はとにかく女とヤリたくて仕方ない。そのためにはなんでもするっていう姿勢が前面にでてる。女性がみると嫌悪するのかな?それとも滑稽すぎて笑っちゃうのかしら?宿に泊まる際、渋る桃井かおりに対して「何もしないから」と同じ部屋に泊まったら、もうこっちのものって感じで、夜にコンドームを買いにいくし、寝るときになったら、襲おうとして、「キスだけだから」、「胸だけ……」とかいって無理矢理やろうとしてるうちに、桃井かおり号泣。隣の部屋で寝てた高倉健に怒鳴られ、あえなくことは失敗。翌日気まずい雰囲気に。

でも、同じ部屋に泊まるっていうことはそういうことなんじゃないの?と思わなくもない。男が女性と一夜を過ごそうとしていう、「何もしないから」ほど信用のならない言葉はないからね。これ、どう考えても100%嘘でしょ。何もしないわけないよ。草食系だから据え膳は食わないみたいなこという男もいるけど信じちゃダメだと思うな。

一緒の部屋に泊まるっていうことは、そういうことだから。そこで拒否られたら男もそりゃ怒るよ。笑。だから友達だと思ってる男と2人で旅行に行くっていうのはそういうことなので注意。またおじさまとかお金を持っているひとに、旅行に連れてきてもらって、宿でことを拒否をするのもNG。だったらはじめから来るなって話。お金だけ払ってもらって、なにも提供しないのはダメよね。って話が脇道にそれすぎたので、映画の話に戻ろう。

はじめ高倉健は無口だし謎に包まれている。序盤に刑務所から出てきたんだろうな。と推測されるシーンはあるんだけど、なんで刑務所に入っていたのか?まったくわからない。物語の後半になって、武田鉄矢が自爆して、チンピラに絡まれたところを、高倉健がぶちのめして逃走。そのあたりから健さんが過去のことを語りだす。ここからの展開がとてもいい。

最後の最後にビビって、あるわけないんだから、引き返せっていう高倉健みて、男ってそういうとこあるよね~。と思ったけど、そこを桃井かおりが説得してみにいく。結果は……。って映画のパッケージにおもいっきりネタバレしてるんだから隠すこともないんだけど、最後のオチをいうのはとりあえず、今回はやめておく。古い映画だからって馬鹿にしちゃダメね。これホント名作。見たことない人は騙されたと思って一度見たほうがいいよ。

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