「廃墟の猫」

わたしには分かるの
ここに棲んでた人たちの記憶
過去から流れてくる
楽しげな悲しげな音の波
その流音(るういん→ruin)が

みんなが棄てた木の感触は
格別よ
あたしを可愛がってくれた人間の
温かさと
置き去りの木々の淋しさの
ブレンド

猫だけに許された宮殿の高貴さなの

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